日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
101 巻, 3 号
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総説—第89回総会から—
  • —ゲノムサイエンスがもたらす理想の医療へ—
    今井 浩三, 吉田 幸成
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2004 年 101 巻 3 号 p. 255-263
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/05/13
    ジャーナル フリー
    人類が理想とする「テーラーメイド医療」の実現に向けたプロジェクトがいま世界的規模で展開されている. 消化器癌領域にあっても, 適切な抗癌剤の選択を目指したSNP解析, 癌の生物学的特性に応じた治療確立のための遺伝子発現プロファイリング解析が精力的に行われている. これらはまさに宿主と癌の「個性」を遺伝子レベルで理解しようとする取り組みに他ならない. われわれは近い将来, 個々人の体質や病態に合った最適な治療を施すために, 遺伝子情報に基づいた予測診断ツールと標的分子に照準を合わせた癌治療を手にすることだろう. 臨床応用へ繋げる研究, すなわちトランスレーショナルリサーチがテーラーメイド医療実現を推進する原動力となる.
今月のテーマ : ウイルス性肝硬変・肝癌への肝移植の適応と問題点
  • 貝原 聡, 荻野 史朗, 秋岡 清一, 岡本 雅彦, 吉村 了勇
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2004 年 101 巻 3 号 p. 264-268
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/05/13
    ジャーナル フリー
    肝癌に対する肝移植は, 癌病変を取り除くと同時にその背景にある原疾患に対する治療も行える理想的な治療法である. 欧米での脳死肝移植における適応としてはミラノ基準 (3cm 3個まで, 単発5cmまで) が広く受け入れられているが, 特定のドナーから特定のレシピエントに移植が行われる生体肝移植では, 欧米での脳死移植における臓器の有効利用を第一としたミラノ基準とは異なる適応基準が必要である. よってわが国における生体肝移植の適応基準は, 施設間に差があるものの脳死移植に比べて拡大される方向にあり, 腫瘍の数や径にかかわらず, 遠隔転移や血管浸潤のない場合を適応としている施設が多い. しかし一方で, 生体移植では健康人であるドナーにメスを入れる危険性を考慮すると, その適応の拡大にはおのずと制限が必要である. 現在多くの施設で症例が蓄積されつつあり, これらの詳細なる検討による適応基準の確立が待たれる所である.
症例報告
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