他臓器重複癌を伴う大腸癌(大腸重複癌)14例と大腸癌単独例(大腸単独癌)35例との間で第17番染色体数的異常に差があるか否かをp17H8によるfluorescence
in situ hybridizationにより比較検討した.17番染色体数的異常を示す核の割合は大腸単独癌では臨床病期が進行するに従って増加していたが(Dukes A: 26.1±4.7%,B: 33.1±7.1%,C: 39.9±6.9%,D: 45.7±12.0%),大腸重複癌ではいずれの臨床病期においても高い値を示し,両者の平均値には有意差が認められた(37.7±10.5% vs 46.1±8.0%,
p<0.01).さらに,大腸重複癌においては複数の数的異常が認められる症例も大腸単独癌と比較して多く認められた(64.3% vs 22.9%,
p<0.01).
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