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波佐谷 兼慶, 柴田 倫子, 内藤 慶英, 鳥居 志充, 西山 悟, 高橋 和人, 藤永 晴夫, 林 宣明, 青柳 裕之, 辰巳 靖, 伊部 ...
2014 年 111 巻 2 号 p.
288-295
発行日: 2014年
公開日: 2014/02/05
ジャーナル
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症例は82歳女性.20年来の気管支拡張症の加療歴あり.食欲不振,下痢のため入院.S状結腸鏡で多発する発赤とびらんを認め,病理所見から続発性/反応性AAアミロイドーシスと診断された.上部消化管内視鏡では食道に暗褐色調粘膜を認め,急性壊死性食道炎と診断した.また,胃に多発するびらん,十二指腸に広範な地図状びらんを認めた.アミロイドーシスの急性壊死性食道炎合併例は既報がなく,極めてまれと考えられた.
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渡邉 典子, 子日 克宣, 竹内 圭介, 亀井 昭, 長谷川 浩司, 横井 一, 中林 洋, 渡邉 昌俊, 今井 裕
2014 年 111 巻 2 号 p.
296-303
発行日: 2014年
公開日: 2014/02/05
ジャーナル
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症例は70歳代男性.2009年に食道癌にて化学放射線治療を施行.3年後の上部消化管内視鏡検査で,胃体中部大彎側に発赤の強い陥凹性病変を認めた.免疫組織化学的所見を含む病理組織学的所見,および内視鏡形態を含む臨床像より,lymphomatoid gastropathyと診断.約8カ月の経過観察中に,同病変は退縮した.Lymphomatoid gastropathyは悪性リンパ腫との鑑別が問題となり,誤診,不必要な治療に繋がるため,その概念の周知が必要と考えられる.
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堀田 伸勝, 永田 紘子, 森主 達夫, 井上 奈穂子, 伊東 英里, 原 誠, 伊田 春菜, 伊藤 ゆみ, 田邊 陽子, 渡邉 秀樹, 新 ...
2014 年 111 巻 2 号 p.
304-310
発行日: 2014年
公開日: 2014/02/05
ジャーナル
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症例は80歳男性.腹部膨満感,嘔吐を主訴に当院入院.貧血,WBC,CRPの上昇,CTにて空腸8cmの腫瘤による腸閉塞,左副腎腫大,左肺3cmの腫瘤を認めた.小腸内視鏡で空腸腫瘍は生検が困難であった.全身状態の急速な増悪により手術困難で約3週間で永眠.経過中の血清G-CSFの上昇を認め,病理解剖にて,左副腎転移をともなうG-CSF抗体陽性の空腸未分化癌と左肺腺癌の重複癌と診断された.
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碇 直樹, 三浦 修, 竹尾 幸子, 岡本 史樹, 岡崎 幸紀, 西川 潤, 孝橋 賢一, 平橋 美奈子
2014 年 111 巻 2 号 p.
311-317
発行日: 2014年
公開日: 2014/02/05
ジャーナル
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症例は64歳,男性.12年前に右腎癌にて右腎摘出後の症例.10年目に膵転移を認め,幽門輪温存膵頭十二指腸切除(pylorus-preserving pancreaticoduodenectomy:PPPD)を施行した.被膜外浸潤を有する腫瘍で,リンパ節転移は認めなかった.今回は食欲不振の精査にて,胃転移を認めた.画像上,他臓器に転移を認めず,EUSで第3層に変化を認めなかったため,内視鏡的粘膜下層剥離術(endoscopic submucosal dissection:ESD)を施行した.病理所見で腫瘍は粘膜内に限局していた.以後2年6カ月無再発経過中である.
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大和 睦実, 神田 達郎, 安井 伸, 中村 昌人, 宮村 達雄, 新井 誠人, 丸山 紀史, 横須賀 收
2014 年 111 巻 2 号 p.
318-325
発行日: 2014年
公開日: 2014/02/05
ジャーナル
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42歳,男性.前医により原因不明の肝障害に対しステロイド加療が開始された.当科転入院後,胸部CTを含む諸検査から急性肝障害の治療にともなう肺ノカルジア症と診断した.肝機能低下およびステロイド投与による免疫抑制状態であったことが一因と考えられた.急性肝障害の加療中に肺ノカルジア症を合併した報告はまれであり,胸部CT検査によるスクリーニングの有用性を示す症例と考えられた.
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佐々木 翔, 末吉 伸行, 山岡 優子, 矢野 雄飛, 廣吉 康秀, 吉中 勇人, 阿南 隆洋, 渡辺 明彦, 菅原 淳, 向井 秀一, 若 ...
2014 年 111 巻 2 号 p.
326-333
発行日: 2014年
公開日: 2014/02/05
ジャーナル
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症例は54歳,男性.健診の腹部超音波検査にて膵頸部頭側の腫瘤が指摘された.各種画像診断では腫瘤と主膵管との交通はなく,内部に多彩な構造物が観察されるなど特徴的な所見を呈した.4年2カ月の経過にて径22mmから32mmに増大したため悪性腫瘍を否定できず,腹腔鏡下腫瘤摘出術が施行され,組織学的に膵リンパ上皮嚢胞と診断された.本疾患の経過観察例は本邦,国外ともに非常にまれであり,報告した.
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山邊 聡, 柚留木 秀人, 松野 健司, 浦田 昌幸, 池嶋 聡, 吉松 眞一, 島田 信也, 佐々木 裕
2014 年 111 巻 2 号 p.
334-339
発行日: 2014年
公開日: 2014/02/05
ジャーナル
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症例は56歳女性.1カ月持続する不明熱に対する精査目的で受診.腹部造影CTにて十二指腸乳頭部近傍に,不均一な造影効果を有する9cm大の腫瘤を認めた.亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行し,破骨細胞型退形成性膵管癌の診断となった.破骨細胞型退形成性膵管癌は比較的まれな腫瘍であり,若干の文献的考察を加えて報告する.
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