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梶山 徹, 大花 正也, 松下 光伸, 久須美 房子, 松林 祐司, 鳴澤 博昭, 澤見 裕康, 高鍬 博, 高橋 裕子, 洲崎 剛, 羽白 ...
1992 年 89 巻 4 号 p.
1139-1146
発行日: 1992年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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消化器進行癌75例を対象に, 経直腸的超音波断層法 (TRUS) による Schnitzler 転移の描出を試み, 診断能を検討した. 直腸指診断 Schnitzler 転移診断能は感度62.9%•特異度75%で, TRUSの診断能は感度82.9%•特異度97.5%であつた. TRUSは有意に直腸指診よりも優れていたが, 粟粒型•結節型•硬化型のうち粟粒型の診断は困難であつた. TRUSの腹水診断能は感度75%•特異度93%で, 通常超音波検査に比し, 特異度に有意差はみられず感度が良好であつた. TRUS上Schnitzler 転移陽性例や腹水陽性例の平均生存期間は, 所見陰性例に比し短縮していた. 以上のごとく, TRUSにより Schnitzler転移と腹水貯留の安全, 簡便かつ客観的な診断が可能となつた.
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組織発現と臨床病理学的因子, DNA ploidy pattern, および血中濃度との関連
嘉悦 勉
1992 年 89 巻 4 号 p.
1147-1154
発行日: 1992年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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胃癌組織56例のc-cerbB-2蛋白発現を検討し, この発現と臨床病理学的因子, DNA ploidy との関連, および血中濃度との関連について検討を加えた. その結果, c-cerbB-2蛋白陽性胃癌は分化型を呈するものが未分化型と比べて有意 (P<0.05) に高く (71.4%), 他の臨床理学的因子 (ly, v, n, 腫瘍の深達度, 腫瘍径, Stage, 腫瘍の占拠部位) とは, 有意な関連は認められなかつた. また, DNA ploidyでは aneuploid pattern が多く (70.6%), c-erbB-2蛋白は分化型胃癌の早期に関与し, DNA合成を促進させる可能性が示唆された.
血清中c-erbB-2蛋白濃度と組織標本でのc-erbB-2蛋白との関連では, 分化型と未分化型での血中濃度には有意な差は認められなかつた. しかし, 組織標本で陽性の症例は陰性の症例と比較して有意に高値 (10.7±5.3ng/ml vs 5.1±1.9ng/ml) であり, また Stage が進行しているほど高値であつた. このように, 術前での血中濃度測定は胃癌の進行度を推測する一助となる可能性が示された.
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細胞外基質および細胞回転について
八木 一芳
1992 年 89 巻 4 号 p.
1155-1164
発行日: 1992年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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ラット酢酸潰瘍治癒, 再発過程における fibronectin (FN), laminin (LM) の局在および再生上皮の細胞回転を腺境界潰瘍と胃底腺潰瘍で検討した. 胃底腺潰瘍は30日で瘢痕化し, その後再発は認めなかつた. 腺境界潰瘍は30日で半数以上が瘢痕化したが45日より再発した. LMは上皮, 血管などの基底膜に一致して局在した. 腺境界潰瘍では10日から20日にかけて再生上皮直下にFN陽性の紡錘形細胞の層が出現した. 再発後は線維組織の血管増生が持続し, 粘膜血流の減少がおこり, 再発の誘因となる可能性が示唆された. 再生上皮内のS期細胞は腺境界潰瘍では再発後に増加を, 胃底腺潰瘍では瘢痕化と伴に減少傾向がみられた.
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生化学的, 組織化学的検討
小島 保明
1992 年 89 巻 4 号 p.
1165-1172
発行日: 1992年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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潰瘍発生過程における組織性 kallikrein の動態を生化学的, 組織学的に検討した. 雄 Donryu ratの後胃を粘膜•粘膜下層と筋層•漿膜に分離して sandwich 型酵素免疫測定法 (s-ELISA) と合成基質H-Pro-Phe-Arg-MCAで組織性 kallikrein を測定した. 粘膜•粘膜下層をs-ELISAで測定すると, 不活性型は組織性 kallikrein 総量の79.6%であつた. 同検体をH-Pro-Phe-Arg-MCAで測定すると, 不活性型は活性総量の99.1%であつた. 免疫組織染色による組織性 kallikrein の局在は腺窩上皮細胞内にびまん性に認められた. 胃粘膜•粘膜下層組織内の組織性 kallikrein は不活性型として細胞内に存在した. 同 rat 群に水浸拘束実験胃潰瘍を作製し, その発生における組織性 kallikrein を測定した. 潰瘍発生が重篤になるにしたがつて組織性 kallikrein 総量および活性総量が減少し, stage IVでは有意 (P<0.001) に減少した. 免疫組織染色では胃腺窩上皮細胞内の組織性 kallikrein は潰瘍発生と共に減少し, 細胞間隙にみられた. 潰瘍発生と共に不活性型の組織性 kallikrein は活性化されて細胞間隙へ流出し, 複合体を形成して消失したと考えられた.
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周防 武昭, 生田 裕次郎, 長谷川 真弓, 川崎 寛中
1992 年 89 巻 4 号 p.
1173-1178
発行日: 1992年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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肝炎多発地区である鳥根県八束町においてHCV感染と慢性肝疾患の発生との関連を明らかにするため, 八束町の肝硬変, 肝癌死亡率を調査するとともに, 八束町の459人と, 性, 年齢を一致させた肝炎非多発地区美保関町の219人についてHCV抗体測定を含めた疫学調査を行つた. 八束町の肝硬変死亡率は島根県全体の3倍であり, 肝癌死亡率が近年増加していた. 八束町の住民検診で11.5%に肝障害があり, 美保関町の3.7%に比し有意に高率であつた (P<0.01). HBs抗原, 常習飲酒者の頻度は両地区間で差がなかつたが, 八束町のHCV抗体陽性率は16.6%と美保関町の3.7%に比し有意に高かつた(P<0.001). したがつて, 八束町ではHCVキァリアーが高頻度にみられ, このため慢性肝疾患とくに肝細胞癌が多発していると推測された.
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阪上 千博, 木岡 清英, 溝口 靖紘, 木田 徹, 長谷川 格, 市川 裕三, 筒井 ひろ子, 小林 絢三, 森澤 成司
1992 年 89 巻 4 号 p.
1179-1184
発行日: 1992年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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含硫アミノ酸の1つであるタウリンの利胆作用について検討すると共に, 催胆汁うつ滞因子によつて誘導される肝内胆汁うつ滞に対するタウリンの影響を調べた. その結果, タウリンのみの投与では著明な利胆効果は認められなかつたが, 催胆汁うつ滞因子によつて誘導される胆汁排泄抑制はタウリンによつて有意に緩解された. また, このようなタウリンの利胆作用は胆汁酸依存性胆汁排泄と, vesicular transport の増強によることが示唆された. しかし, タウリンは胆汁酸非依存性胆汁排泄には影響を及ぼさなかつた.
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金沢 文高, 美根 和典, 三島 徳雄, 村岡 衛, 中川 哲也
1992 年 89 巻 4 号 p.
1185-1190
発行日: 1992年
公開日: 2007/12/26
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IBS症例における胆嚢運動機能をエコー下にてセルレイン0.2μg/kg筋注後に胆嚢の面積を測定し評価した. 測定時間は, セルレイン筋注前, 筋注後5', 10', 15', 20', 25', 30', 40', 50', 60'で各時間の収縮率を算定し, 対照群 (n=15), 下痢群 (n=9), 下痢便秘交代群 (n=9), 便秘群 (n=8) の4群間の比較を分散分析にて行つた. その結果, 便秘群は過収縮を示し, 下痢群は低収縮を示した (P< 0.05). また30', 60'の収縮率より収縮型を低収縮型, 中間型, 過収縮型に分け, 便秘異常及び胆道部叩打痛との関係を検討すると便秘型は過収縮傾向, 下痢型は低収縮傾向を示し, 便秘型と過収縮型に胆道部叩打痛の出現率が高かつた (χ
2検定及びCMH検定; P=0.001). 以上よりIBSにおける便通異常の型と胆嚢運動機能異常との間の強い関連性が示唆された.
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木村 寛伸, 高村 博之, 前田 基一, 魚岸 誠, 素谷 宏, 神野 正一, 川島 篤弘
1992 年 89 巻 4 号 p.
1191-1196
発行日: 1992年
公開日: 2007/12/26
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塩谷 昭子, 中江 遵義, 横山 彰介, 片山 裕之, 広瀬 誠弥, 竹内 伸之, 北山 健, 土橋 重隆, 森下 久
1992 年 89 巻 4 号 p.
1197-1200
発行日: 1992年
公開日: 2007/12/26
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山科 哲朗, 竹内 秀一, 枝沢 寛, 野納 邦昭, 鎌田 剛, 秋山 真一郎, 新津 洋司郎
1992 年 89 巻 4 号 p.
1201-1206
発行日: 1992年
公開日: 2007/12/26
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田巻 知宏, 小玉 俊典, 吉田 博清, 増川 丈児, 上條 桂一, 木下 博, 方波見 重雄, 東 直樹, 谷内 昭
1992 年 89 巻 4 号 p.
1207-1211
発行日: 1992年
公開日: 2007/12/26
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河村 攻, 針金 三弥, 大原 裕康, 永井 国雄, 佐藤 博文, 松下 和彦, 辻野 大二郎
1992 年 89 巻 4 号 p.
1212-1215
発行日: 1992年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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李 茂基, 藤田 直孝, 小林 剛, 木村 克巳, 渡邊 浩光, 池田 卓, 長南 明道, 松永 厚生, 安藤 正夫, 佐藤 自伸, 富永 ...
1992 年 89 巻 4 号 p.
1216-1220
発行日: 1992年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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加藤 忠, 岡村 正造, 大橋 信治, 中川 浩, 伊藤 久芳, 三竹 正弘
1992 年 89 巻 4 号 p.
1221-1224
発行日: 1992年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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住永 佳久, 山本 宏, 木村 俊博, 宮田 道夫
1992 年 89 巻 4 号 p.
1225-1228
発行日: 1992年
公開日: 2007/12/26
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星 一, 前谷 容, 安斎 保, 大橋 茂樹, 福本 学, 五十嵐 良典, 酒井 義浩
1992 年 89 巻 4 号 p.
1229
発行日: 1992年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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