日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
82 巻 , 4 号
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  • 浜路 政靖, 坂口 寛正, 坂本 嗣郎, 宮田 正彦, 川島 康生
    1985 年 82 巻 4 号 p. 587-591
    発行日: 1985年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    迷走神経内に存在するカテコールアミン含有線維の胃, 十二指腸, 膵に対する神経分布を検索するために, S-D系ラットを用いて, 開腹下に迷走神経切断術, 腹部交感神経切除術を施行し, それぞれ迷切群, 交切群とした. 2週間後に屠殺し, 各々の部位のノルエピネフリン (NE), ドーパミン (DA) 含量を測定し, 偽手術群, 無処置対照群と比較した. その結果, 前胃のNE含量は, 対照群294±28(SE), 偽手術群283±43, 迷切群100±26, 交切65±7ng/g tissue を示し, 交切群と迷切群の両群は他の2群に比べ有意に低値にあり, 交切群と迷切群間に有意の差はなかつた. 後胃, 十二指腸においても同様の結果を示した. 更に膵のNE含量は交切群が他の3群に比べ有意に低値にあつた. DA含量は, 胃, 十二指腸において交切群が対照群, 偽手術群に比べ有意に低値を示したが, 膵では4群間に有意の差を認めなかつた.
    以上より, 迷走神経内NE含有線維は, 胃, 十二指腸, 膵に広く分布し, 迷切術は有意なNE含量の低下をもたらすことは明らかである. 迷切術と交切術による壁内NE含量の減少率の比較から, 胃, 十二指腸においては, 迷走神経, 腹部交感神経由来の神経支配は重複しており, 壁内NE含量の維持には, 迷走神経, 腹部交感神経の両者の存在が必要であると推察された.
  • 田中 正人, 中澤 三郎, 小池 光正
    1985 年 82 巻 4 号 p. 592-598
    発行日: 1985年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    1,2-Dimethylhydrazine (DMH) によつてラットに大腸癌を誘発し内因性プロスタグランディン (PG) を測定した. 大腸粘膜PGEは対照群では40.2±3.4 (ng/g wet weight) であつたが, DMH投与群の非癌部では49.5±2.4と有意に増加 (p<0.05) し, 癌部でも54.1±4.9と対照群に比し有意に増加 (p<0.05) していた. 一方, PGFは対照群では34.7±3.7であつたが, 癌部では17.6±2.1と有意に減少 (p<0.005) し, また, 非癌部に比しても有意に減少 (p<0.01) していた. PGE PGFの比 (E/F) は癌部において対照群, 非癌部に比し有意に増加 (p<0.001) していた. 以上のことより, PGがDMH誘発ラット大腸癌の発生, 増殖に関与していることが示唆された.
  • 菊地 孝夫, 樋渡 信夫, 後藤 由夫
    1985 年 82 巻 4 号 p. 599-602
    発行日: 1985年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    Fibronectin (FN) は高分子粘着性糖蛋白で細胞性FNと血漿性FN(pFN)とに分けられる. pFNは網内系機能や血液凝固に重要な役割を果している. 炎症性腸疾患におけるpFN動態を明らかにするために, クローン病17例, 潰瘍性大腸炎23例を対象としてローレル法を用い, pFNを測定した. クローン病, 潰瘍性大腸炎患者の活動期において, 健常者群とは有意差はないが, 緩解期に比較して共に有意の低下を認めた. またクローン病で経過を追いえた症例の一部では, 臨床的再燃に先行してpFNの減少がみられ, 緩解期には正常値に復した.
  • 筒井 ひろ子, 溝口 靖紘, 宮島 慶治, 阪上 吉秀, 東森 俊博, 関 守一, 山本 祐夫, 原 久子, 巽 陽一, 門奈 丈之, 森沢 ...
    1985 年 82 巻 4 号 p. 603-609
    発行日: 1985年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    Propionibacterium acnes (P. acnes) をラットの静脈内に注入し, 一定の期間をおいて少量の lipopolysaccharide (LPS) を静注すると, 肝に広範な壊死巣が出現する. この急性肝不全実験モデルにおける肝障害誘導機構を解析するため, 肝内粘着性細胞の機能変化を検討した.
    P. acnes 加熱死菌静注7日後に, 肝臓から粘着性細胞を分離し, LPSを添加して48時間培養すると, 0.5μg/ml以上のLPSを添加した場合には粘着性細胞培養上清に著明な肝細胞障害活性が認められた. これに比較して, P. acnes 非投与ラットの肝臓から粘着性細胞を分離してLPSで同様に処理した場合, 細胞培養上清中に見られる肝細胞障害活性は低かつた.
    以上の結果から, 二段階の処理によつて活性化された肝内粘着性細胞は肝細胞障害因子を産生分泌し, この因子が本実験モデルにおける急性肝細胞障害の誘導に重要な役割を果すことが示唆された.
  • 森 順子, 田中 晶子, 伊藤 よしみ, 小俣 政男, 奥田 邦雄
    1985 年 82 巻 4 号 p. 610-613
    発行日: 1985年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    本邦における劇症肝炎による感染症が関与しているか否かを検討する為, 本邦の劇症肝炎35例, 亜急性肝炎6例の肝組織標本について酵素抗体法を施行した. 同法の有用性を検討する為, 米国ロスアンジェルス地区のB型劇症肝炎についても同様に行つた. 肝内のδ抗原は本邦劇症肝炎, 亜急性肝炎例は全例陰性であつた. 米国劇症肝炎例では, 同地区の他の報告と同様16例中6例 (37.5%) に認められ, 酵素抗体法が組織崩壊の著しい劇症肝炎においてもδ抗原の検索に有用である事を示した. また現在までの劇症肝炎8例を含む本邦各種肝疾患216例の血中 anti-δ抗体の検索結果を合わせて報告する. 我々の用いた肝内δ抗原の酵素抗体法による検索はδ抗原入手困難な研究施設でも容易にδ感染症の検索が可能であり, またδ感染症が麻薬使用者に多い点, 多数の海外旅行者によるδの国内移入の可能性を考えると, さらに対象を拡大し, 多くの施設でδ感染の検索をする必要があると考えられる.
  • 長嶺 竹明, 山田 昇司, 佐伯 俊一, 高橋 仁公, 桜井 誠司, 安部 毅彦, 高木 均, 新井 孝之, 市川 邦男, 竹沢 二郎, 山 ...
    1985 年 82 巻 4 号 p. 614-620
    発行日: 1985年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    脂肪肝17例, 慢性肝炎17例, 肝硬変13例, 健常対照者8例にグルカゴン1μg/kg静注し, 血漿c-AMP, 血中IRI, 血糖の変動をみた. その結果, c-AMP 反応は慢性肝炎と代償性肝硬変では非代償性肝硬変に比べ有意の高反応を認めた. 一方, グルカゴン負荷後の最大インスリン反応 (max ΔIRI) をみると, 脂肪肝では他の肝疾患や対照群に比べ有意の高値を示したが, その原因の1つとしてグルカゴンの膵β細胞への直接刺激が推察された. また max ΔIRI25μU/ml以上の症例は, 対照群0%, 慢性肝炎6%, 肝硬変17%に対し, 脂肪肝71%と高率であり, 脂肪肝の臨床診断におけるグルカゴン試験の有用性が示唆された.
  • 奥村 英正, 関山 達也, 勝田 悌実, 赤池 正博, 関野 三津也, 寺田 秀人, 里村 克章, 荒牧 琢己, 瀬底 正彦, 本田 正次
    1985 年 82 巻 4 号 p. 621-627
    発行日: 1985年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    肝硬変患者の propranolol 治療後の食道静脈瘤の内視鏡所見および有効血中濃度については殆んど知られていない. 試験的に3例に30mg/日, 経口投与した所, 最少血清 propranolol 値は約20ng/mlで, この値は前報にて, vasopressin 注射との比較でえられた有効血中濃度 (20ng/ml) に一致した. そこで10例の肝硬変患者に毎日30mgの本剤を約30週投与した. 10例中5例で食道静脈瘤の内視鏡的所見に改善をみた. また血清 propranolol 値は, 4週後で31.9±28.6ng/ml, 12週で43.4±23.6ng/ml, 24週では27.8±22.0ng/mlとなった. 4週投与後に4例で再度肝および全身循環動態の測定を行つた所, 心拍数, 門脈圧, 有効肝血流量の減少率は夫々13.5%, 31.1%, 28.0%であつた. 以上, 本剤の30mg/日投与は, 門脈高圧症の治療に十分な量である事が示唆される.
  • 赤坂 嘉宣
    1985 年 82 巻 4 号 p. 628-637
    発行日: 1985年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    総胆管末端部括約筋機構に対する迷走神経切断の影響を, ウサギを使用し12週にわたり経時的に検討した. 総胆管末端部筋層には組織学的に変化がみられず, acetylcholine esterase 活性の上昇もみられない. 血清 gastrin 値は上昇しており, 食事摂取に相当する glycine 負荷によりさらに上昇する. 総胆管外径は経時的に増大する傾向がある. 総胆管内圧および末端部抵抗も同様に上昇傾向があり, gastrin 負荷により対照群では低下するのに反し, 迷切群では上昇し12週経過すると有意に上昇した. 以上の結果より, 迷走神経支配を失なつた総胆管末端部括約筋機構は経時的に過緊張状態となるが, その原因には gastrin に対する反応性の変化が考えられる.
  • 吉田 俊一, 清田 啓介, 向井 秀一, 西村 和彦, 趙 栄済, 小林 正夫, 安田 健治朗, 今岡 渉, 藤本 荘太郎, 中島 正継, ...
    1985 年 82 巻 4 号 p. 638-647
    発行日: 1985年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    各種閉塞性黄疸に対する内視鏡的逆行性胆管ドレナージ法 (ERBD) の臨床的意義を, 経皮経肝的胆管ドレナージ法 (PTBD) の成績と対比し, 検討した. ERBDの成功率は, 93例中76例, 81.7%であり, PTBDの131例中127例, 96.9%に劣るが, 内瘻化の面では優れていた. ERBDのドレナージ効果は, 経時的比較, 閉塞部位別比較の上で, PTBDと同等以上の効果が得られた. ERRDの早期合併症は5.4%で, かつ重篤な合併症が少なかつた. さらに, ERBDは, 生理的内瘻化法であり, 患者の負担を軽減し, 社会復帰を可能とする利点を有し, 今後, 閉塞性黄疸に対する減黄法の第一選択方法として位置付けられると考えられる.
  • 宮本 昭彦, 鳥山 直温, 中部 伸悟, 中川 滋木, 小林 茂三郎
    1985 年 82 巻 4 号 p. 648-653
    発行日: 1985年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    膵摘除犬を用いて, motilin の基礎分泌および放出を調節する因子について検討した.
    イヌでは空腹期胃運動が起きていない時期の motilin 基礎分泌値と insulin の基礎分泌値との間には 負の相関がみられ, 密接に関連している. 膵摘除によつてIRIの減少とともに, motilin 値の上昇がみられた. 膵摘除犬における外因性 porcine glucagon 負荷は motilin 値を抑制するが, insulin ではブタとイヌの insulin の heterogeneity が抑制効果に影響を与えた. 糖は従来 motilin 分泌を抑制すると考えられていたが, この抑制は insulin 分泌を介する二次的な作用であることが明らかになつた. また膵外性の pancreatic immunoreactive glucagon はinsulin 低血糖や糖負荷に対して膵由来の pancreatic immuno reactive glucagon と異なり反応しなかつた.
  • 石原 敬夫, 窪田 孝蔵
    1985 年 82 巻 4 号 p. 654-663
    発行日: 1985年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    膵液 trypsinogen (TG) は十二指腸内で活性化とdegradation を同時にうけて一部分が trypsin (T) となるが, その際に膵液 amylase (A) 活性は変化しないので, 十二指腸採取液中のT/A活性比はTGの活性化度の指標となりうる. 膵瘻症例における膵瘻膵液中のTG/A比 (一定) と十二指腸採取液中のT/A比 (変動する) の同時比較等から, 十二指腸内での膵液TGの活性化度は胆汁濃度に依存し約5~50%と推定された. 十二指腸採取液中の胆汁濃度と calcium 濃度は比例し, 両者の増加と共にT/A比は増加して高濃度域 (MG 150, Ca2+ 1.2mM以上) ではほぼ一定となつた. また胆道機能障害時 (胆摘後, 慢性胆嚢炎, 胆道閉塞) には, TGの活性化度の低下が認められた.
  • 細谷 亮, 井上 一知, 奥野 資夫, 宮田 学, 戸部 隆吉
    1985 年 82 巻 4 号 p. 664-672
    発行日: 1985年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    合成 gastrin releasing peptide を慢性膵胃瘻犬5頭に投与し, 意識下膵外分泌と血中CCK及びPPに対する作用を検討した. 血漿CCK濃度はCCK33に特異的なRIA系で測定した. 0.5~4μg/kg-hrのGRP投与により膵液量•重炭酸塩•蛋白•アミラーゼ排出量は用量反応性に増加し, 2μg/kg-hrで最大反応を呈した. GRP 2μg/kg-hr投与により血漿CCK及びPP濃度は有意に上昇し, integrated value は各々2.7±0.5, 5.4±1.3nmol-30min/Lを示した. GRPの意識下犬における強力な膵外分泌刺激作用は, その機序として血中CCK放出を介する作用が少なくとも一部は関与している可能性が示唆された.
  • 岡村 正造, 山本 義樹, 浅井 俊夫, 船川 武俊, 高野 健市
    1985 年 82 巻 4 号 p. 673-677
    発行日: 1985年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
  • 西村 和彦, 藤本 荘太郎, 清田 啓介, 向井 秀一, 趙 栄済, 小林 正夫, 安田 健治朗, 吉田 俊一, 今岡 渉, 中島 正継, ...
    1985 年 82 巻 4 号 p. 678-684
    発行日: 1985年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
  • 臼井 裕子, 友田 純, 渡辺 明治, 長島 秀夫, 原田 英雄, 金 仁洙, 三村 久
    1985 年 82 巻 4 号 p. 685-690
    発行日: 1985年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
  • 西井 京子, 小田 浩之, 笹川 豊, 神坂 和明, 前沢 秀憲, 保崎 清人
    1985 年 82 巻 4 号 p. 691
    発行日: 1985年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
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