日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
89 巻 , 1 号
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  • 橋本 可成, 長畑 洋司, 裏川 公章, 斉藤 洋一
    1992 年 89 巻 1 号 p. 1-8
    発行日: 1992年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    Wistar 系雄性ラットを用いて, PYYの胃酸分泌に対する作用を, 胃酸分泌量, 胃粘膜血流量, 摘出胃筋状片を用いた胃壁在神経叢における〔3H〕ACh遊離量, 摘出胃血管灌流標本を用いた灌流圧を測定し検討した.
    baclofen は用量依存性に胃酸分泌, 胃粘膜血流量を増加させ, この作用は atropine 前処置及び迷切群で消失することから baclofen の作用は迷走神経を介するものと考えられた.
    PYYは baclofen による胃酸分泌亢進, 胃粘膜血流増加を用量依存性に抑制し, pentagastrin, histamine による胃酸分泌亢進を軽度抑制したが, bethanechol による作用は抑制しなかつた. また, PYYは胃壁在神経叢のコリン作動性神経終末からの経電気刺激によるAChの遊離を抑制した. PYYは, 基礎状態の胃血管灌流圧および基礎酸分泌にはほとんど影響を与えなかつた. 従つて, PYYは迷走神経刺激性の胃酸分泌を最も強く抑制し, 胃酸分泌抑制機序には胃壁在神経叢のコリン作動性神経終末からのACh遊離抑制作用が関与していると考えられた.
  • 山本 博, 脇谷 勇夫, 松枝 和宏, 横井 徹, 有吉 正憲, 島村 淳之輔, 土居 偉瑳雄, 矢野 慧, 小笠原 敬三
    1992 年 89 巻 1 号 p. 9-16
    発行日: 1992年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    過去4年間に11例の噴門静脈瘤出血を経験した. 噴門静脈瘤には結節状と蛇行状の2種類の形態がみられた. 結節状静脈瘤は胃腎短絡路に起因する静脈瘤であり, 出血部位は後壁に多かつた. 蛇行状の噴門静脈瘤は高度の食道静脈瘤に連続する静脈瘤であり, 出血部位は小弯に多かつた. 胃腎短絡路に起因する結節状静脈瘤は血流が多いため, EIS単独では硬化剤の接触時間が短かく治療効果が得られなかつた. 静脈瘤の血流減少を目的にTIOをまず行い, のちにEISを併用する治療法を結節状静脈瘤出血4例に対して行つた. TIO単独での止血効果は4例中2例でしか得られなかつたが, EISを併用することで止血効果, 静脈瘤縮小効果が4例全例に認められた.
  • 山口 丈夫, 森瀬 公友, 木村 昌之, 堀内 洋
    1992 年 89 巻 1 号 p. 17-27
    発行日: 1992年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    潰瘍性大腸炎 (UC) 30例を対象として免疫組織化学的検討を行つた. UC大腸粘膜のリンパ球サブセットの検討では, 正常対象群および感染性大腸炎群と比較し, CD4/CD8比には変化を認めなかつたが, CD28/CD3比は Matts 分類の grade 3以上で上昇しており, 多くがLFA-1αにも陽性であつた. また, grade 4, 5群の粘膜固有層上層には, S-100蛋白β陽性の樹状細胞およびCD68陽性のマクロファージの増加が認められ, それらの単核球の多くがICAM-1にも陽性であつた. 以上より, UCの大腸粘膜では, 樹状細胞をはじめとする単核球により, リンパ球への抗原提示およびその活性化が行われている可能性が示唆された.
  • 綾部 時芳, 蘆田 知史, 垂石 正樹, 斉藤 裕輔, 村上 雅則, 小原 剛, 柴田 好, 並木 正義
    1992 年 89 巻 1 号 p. 28-35
    発行日: 1992年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    血液凝固第XIII因子 (F. XIII) に対するマウス抗ヒトモノクローナル抗体 (2C3抗体) をわれわれは初めて作製し, 免疫化学的解析により85KDのF. XIII蛋白を認識することを確認した. Crohn 病(CD)症例21例において, 2C3抗体を用いたELISA法で測定したF. XIII-IRは, 活動期では緩解期と比較して有意に低値を示した. また, 瘻孔例では非瘻孔例に比較して入院時で有意に低値を示した. CDの活動性とF. XIIIの関係が明らかとなつた. しかし, F. XIII-IRは栄養学的指標とは有意の相関を示さなかつた. この結果は, 瘻孔形成を伴うような活動性の高いCDでは低栄養以外の原因でF. XIIIが低下している可能性を示唆する. 2C3抗体の応用により, 今後生体内でのF. XIIIの機能解析が可能となろう.
  • 山木 健一郎, 真辺 忠夫, 山本 盛杲, 戸部 隆吉, 小林 洋平, 三谷 隆彦, 黒野 昌庸
    1992 年 89 巻 1 号 p. 36-41
    発行日: 1992年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    エックス線や放射性同位元素を用いずに胃排出時間と小腸通過時間を測定しうる動物実験系を開発した. 回腸末端に外瘻を退設したイヌを用いて, 食餌に acetaminophen (APAP; N-acetyl-p-aminophenol) と indocyanine green (ICG) を混合して摂取させることにより, 血中APAP濃度の測定による胃排出時間の測定と回腸外瘻から採取した腸液中のICGの検出による小腸通過時間の測定が可能であることを確認した. この系を用いて流動食摂取と固形食摂取の差を検討したところ, 固形食摂取では流動食摂取に比して胃排出時間が延長する傾向を示し, 小腸通過時間が有意に短縮することが明らかとなつた.
  • 中 英男, 三富 弘之, 奥平 雅彦, 高橋 俊毅, 比企 能樹, 管 知也, 勝又 伴栄, 西元寺 克礼
    1992 年 89 巻 1 号 p. 42-47
    発行日: 1992年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    腸の動静脈奇形の5症例を報告した. 5症例の部位別内訳は小腸3例 (空腸2例, 回腸1例), 結腸2例であつた. AVM病変の腸壁内局在は粘膜下層と粘膜固有層であり, それらの病変の主座はいずれも前者であつた. 小腸病変の微小血管造影所見では腸壁貫通動脈の分枝で粘膜下層に分布する血管叢に病変形成が認められた. 粘膜固有層内のAVM病変は流入する毛細血管前細動脈の小動脈化が著しく, しかも内膜の肥厚と内弾性板の duplication が認められた. 主病変である粘膜下層のAVM病変とは連続性はなかつた. 粘膜固有層内に形成された二次的AVM病変が消化管出血の原因となることを明らかにした.
  • 手塚 勇人, 大江 毅, 原田 尚
    1992 年 89 巻 1 号 p. 48-54
    発行日: 1992年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    肝硬変10例, 非硬変肝疾患8例を対象とし, 経口的糖負荷後の肝血行動態の変化を経直腸門脈シンチグラフィーを用いて検討した. 心•肝の時間容積曲線から肝初回門脈血流指標 (IP), 経直腸門脈短絡指標(CI)を算出した. IPは肝硬変群では負荷前: 0.0160±0.0061, 負荷後: 0.0204±0.0106であり, 有意な変化を認めなかつた. 一方非硬変群では負荷前: 0.0381±0.0145, 負荷後: 0.0544±0.0194と有意な増加が認められ, 糖負荷により心血流量に対する下腸間膜静脈経由の門脈血流の増加が示唆された. CIの負荷前値は, 肝硬変群では0.751±0.156, 非硬変群では0.517±0.122であり, 肝硬変での門脈系短絡の有意な増加が示されたが, 糖負荷前•後の比較では両群とも有意な変化を認めなかつた.
  • 貫野 徹, 岡 博子, 金 鎬俊, 田守 昭博, 大竹 宏治, 坂口 浩樹, 栗岡 成人, 黒木 哲夫, 溝口 靖紘, 小林 絢三
    1992 年 89 巻 1 号 p. 55-60
    発行日: 1992年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    径2cm以下の小肝癌における高エコー域の予後因子としての意義を評価する為, 高エコー型小肝癌32例の臨床所見を非高エコー型小肝癌55例と比較検討した. 高エコー群では非高エコー群に比し, 臨床病期I期の頻度が有意に高く, 単発例も有意に多かつた. 細胞異型度では, 前者は後者に比し, 高分化型肝癌の割合が有意に高く, また発育に伴う脱分化の過程がより緩徐に進む傾向が認められた. 高エコー群の生存率は, 3年73%, 5年56%, 7年および9年48%であつた. 一方非高エコー群では, 3年46%, 5年42%, 7年0%であつた. 以上より, 小肝癌における高エコー域の有無は, 予後因子として有用な指標となることが示唆された.
  • 水本 英明, 高良 健司, 鈴木 泰俊, 松谷 正一, 土屋 幸浩, 大藤 正雄
    1992 年 89 巻 1 号 p. 61-67
    発行日: 1992年
    公開日: 2007/12/26
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    急性胆嚢炎に対し, 21ゲージPTC針を用いて胆嚢を直接穿刺し, 胆汁を吸引して治療する方法, 即ち胆嚢直接穿刺胆汁吸引治療法 (Direct-Puncture Bile Aspiration: DPBA) を施行し, その臨床的有用性を検討した. 対象症例58例に対し, 超音波映像下に本治療法を試み, 急性胆嚢炎の症状の急速な改善を得ることが可能であつた. 本治療法による重篤な合併症はみられず, 急性胆嚢炎に対する安全かつ簡便で積極的な治療法として有用であると考えられた. 本治療法は再発時に繰り返し施行することが可能であり, 高齢者や他疾患合併のため手術に危険を伴う症例では, 特に臨床的有用性がみられた.
  • 篠崎 博嗣, 宮坂 京子, 船越 顕博, 木谷 健一
    1992 年 89 巻 1 号 p. 68-74
    発行日: 1992年
    公開日: 2007/12/26
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    ウルソデオキシコール酸 (UDCA) とそのタウリン抱合型 (TUDC) について, ラット膵外分泌に対する影響を遊離膵腺房を用いた in vitro, および覚醒ラットを用いた in vivo 実験系で検討した. In vitro では300μM UDCAは10-12-10-9M CCK-8刺激時のアミラーゼ分泌を有意に増加させ, 細胞内Ca2+の変動を増強した. 一方, TUDCは軽度のアミラーゼ分泌刺激効果のみを認めた. In vivo においては腸管内UDCA投与は膵外分泌を亢進させたが, TUDCは膵外分泌を刺激しなかつた. UDCAによる膵外分泌亢進はCCK antagonist の投与により抑制されず, secretin 抗体投与により抑制がみられた.UDCAの膵外分泌に対する刺激作用は in vitro では直接作用が考えられ, in vivo では間接効果が示唆された. また in vitro, in vivo のいずれにおいても膵外分泌に対するUDCAの生物活性はタウリン抱合により減弱した.
  • 日田 新太郎, 山崎 惠司, 梶 正博, 大島 進, 野口 正彦
    1992 年 89 巻 1 号 p. 75-79
    発行日: 1992年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
  • 関 義信, 鈴木 康史, 吉岡 光明, 阿部 惇, 高木 健太郎, 関谷 政雄
    1992 年 89 巻 1 号 p. 80-84
    発行日: 1992年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
  • 志沢 喜久, 田中 康文, 林 毅, 芹沢 豊次, 福西 康夫, 河野 誠, 中込 健朗, 田所 衛
    1992 年 89 巻 1 号 p. 85-89
    発行日: 1992年
    公開日: 2007/12/26
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