今回,われわれは古くより民間薬として用いられてきた梅肉エキスの
Helicobacter pylori(
H.p.)に対する殺菌効果を検討した.梅肉工キスの主成分は約3296のクエン酸1196がリンゴ酸などで,pHは強酸性である,この梅肉エキスの0.156%,0.313%,0.625%,0.9%各濃度工キス剤溶液に対して,胃粘膜由来の
H.p.臨床分離株10株を各々濃度溶液にて培養し,菌培養MIC(最小発育阻止濃度)測定を行った.その結果,
H.p.10株のうち
H.p.4株に対しては梅肉工キス剤濃度0.156%以下で,また,
H.p.6株に対してはエキス剤濃度0313%で強い抗菌力を示した.さらに,梅肉エキス0.3%,0.9%濃度溶液に混和された
H.p.臨床分離株10株の生理的食塩水懸濁液は,5分後および15分後にて
H.p.菌量の99.995%から99.999%が減少し強い殺菌効果を認めた.これ等結果より,梅肉エキスは安価で副作用のない
H.p.を予防し得る食品と考えられた.
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