平成17年9月に日本腹部救急医学会,日本肝胆膵外科学会,日本胆道学会,厚生労働科学研究班(高田班)合同で,「科学的根拠に基づく急性胆管炎,胆嚢炎の診療ガイドライン」
1)が出版された.
作成の過程で,世界的にも急性胆道炎の診療ガイドラインは存在しないこと,診断基準や重症度判定基準が設定されていないこと,レベルの高いエビデンスが乏しいことが明らかになった.このような背景を受け,胆道感染症に関するあやふやな定義,疾患概念,治療法を明確にし,統一された基準を作成し広く普及させることを目標とした.
本稿においては,作成の背景と経過,疫学,診断基準,重症度判定基準と搬送基準,治療方針と治療方法などについて概説した.
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