日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
103 巻 , 10 号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
総説
  • 大槻 眞
    2006 年 103 巻 10 号 p. 1103-1112
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/05
    ジャーナル フリー
    慢性膵炎患者が医療機関を受診する最も頻度が高い原因は腹痛であるが,腹痛を慢性膵炎の合併症とするには問題がある.慢性膵炎の合併症は機能的合併症だけではなく,器質的合併症があり,さらに膵内に生ずる合併症と膵の周辺臓器に及ぶ合併症などがある.膵内の主な器質的合併症としては,膵石灰化(膵石),膵仮性嚢胞,膵癌があり,膵外合併症としては,膵性胸·腹水や胆道·消化管狭窄,消化管出血,膵以外の悪性腫瘍などがある.機能的合併症としては,消化不良と糖尿病がある.アルコール性慢性膵炎では非アルコール性慢性膵炎に比べ,膵石灰化,膵仮性嚢胞,糖尿病などの合併症の発症頻度が高い.慢性膵炎患者における膵癌発症率は一般人口の2倍から26倍までの報告がある.慢性膵炎の成因に関係なく罹病期間が長くなると膵癌が発症するが,膵癌が発症するまでには30∼40年慢性炎症が続く必要がある.慢性膵炎の進展を阻止するには禁酒を守らせるなどの患者教育が重要である.
今月のテーマ:胆道疾患診療のトピックス
  • 吉田 雅博, 高田 忠敬, 川原田 嘉文, 二村 雄次, 平田 公一, 真弓 俊彦, 広田 昌彦, 三浦 文彦, 木村 康利
    2006 年 103 巻 10 号 p. 1113-1118
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/05
    ジャーナル フリー
    平成17年9月に日本腹部救急医学会,日本肝胆膵外科学会,日本胆道学会,厚生労働科学研究班(高田班)合同で,「科学的根拠に基づく急性胆管炎,胆嚢炎の診療ガイドライン」1)が出版された.
    作成の過程で,世界的にも急性胆道炎の診療ガイドラインは存在しないこと,診断基準や重症度判定基準が設定されていないこと,レベルの高いエビデンスが乏しいことが明らかになった.このような背景を受け,胆道感染症に関するあやふやな定義,疾患概念,治療法を明確にし,統一された基準を作成し広く普及させることを目標とした.
    本稿においては,作成の背景と経過,疫学,診断基準,重症度判定基準と搬送基準,治療方針と治療方法などについて概説した.
  • 田妻 進
    2006 年 103 巻 10 号 p. 1119-1126
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/05
    ジャーナル フリー
    硬化性変化を呈する胆管病変としては炎症性変化と腫瘍性変化がある.前者には原因不明の肝内胆汁うっ滞を来たす難治性の慢性肝疾患である原発性硬化性胆管炎(primary sclerosing cholangitis, PSC)と,感染や自己免疫性疾患などにともなう2次性病変がある.PSCは炎症性腸疾患を合併する頻度が高く,その診断には特徴的な胆道画像を確認することが重要であるが,2次性硬化性胆管炎や胆管癌との鑑別は容易ではない.また,PSCの経過中に胆管癌を合併する場合もある.本稿ではPSCの臨床像についてわが国の現状をまじえて解説するとともに,硬化性胆管炎診療に関する最近の話題を述べる.
症例報告
feedback
Top