日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
70 巻, 1 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 市田 文弘
    1973 年 70 巻 1 号 p. 1-2
    発行日: 1973年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
  • 山鳥 忠郎
    1973 年 70 巻 1 号 p. 3-19
    発行日: 1973年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    正常58例, 急性膵炎4例, 慢性膵炎27例, 膵癌6例, その他の疾患88例について血清 total trypsin inhibitor (以後TTI), stable trypsin inhibitor (以後STI), trypsin binding protein (以後TBP) を検討し, 膵疾患におけるこれらの臨床的意義を検討した. TTIは, 膵よりの trypsin 逸脱現象にのみ起因するものでなく, 組織破壊, 炎症機転により上昇する. TTIは急性膵炎で発病後速やかに著明な高値をとり, 病態の回復と共に徐々に低下する. 慢性膵炎ではほぼ正常値にあるが, 外分泌機能の強度に低下した症例で低値の傾向がみられる. また, 慢性膵炎の増悪, 緩解期に平行しTTIは変動した. TBPは急性膵炎全例で症状の強さに比例し, 低値を示した. しかし, 慢性膵炎および膵以外の疾患では低値を示したものはなく, 膵における急性炎症性変化に対し特異的に低値をとつた.
  • 辺見 武彦, 宮本 峻光, 武部 勝海, 森山 忠良, 武藤 良弘, 赤司 光弘, 土屋 凉一
    1973 年 70 巻 1 号 p. 20-35
    発行日: 1973年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    慢性膵炎に於ける膵管造影の診断的意義を解明する目的で新鮮剖検膵を用いて検討を行なつた. 慢性膵炎に於いては膵管上皮の増殖や扁平上皮化生等が高率に出現した. 造影上, 主膵管壁の不整硬化や拡張, 狭窄, 数珠状変化を来たす症例の膵管上皮は上皮の増殖や化生を認める場合が多く, 造影像と膵管上皮の変化が密接に関係している事がわかつた. 慢性膵炎では主膵管の壁不整硬化像は88%と高率に認め, 壁不整硬化を伴う拡張, 狭窄等も高率に出現した. 一次分枝に於いても分枝数の減少や, 小嚢胞状拡張, 数珠状拡張等の種々の型の拡張は慢性膵炎に高率に出現した.
  • 伊集 守政, 柴田 淳一, 斉藤 孝成, 名取 孝, 恵下 綾子
    1973 年 70 巻 1 号 p. 36-41
    発行日: 1973年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
  • 肝表面像による検討
    糸島 達也, 島田 宜浩, 太田 亘, 井上 武紀, 福原 純一, 窪田 政寛
    1973 年 70 巻 1 号 p. 42-49
    発行日: 1973年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    肝疾患の予後について, 5年生存率, 10年生存率および死因について検討した. 対象とした症例は腹腔鏡と肝生検を併用し診断確定後長期間の予後が追求できた症例である. 疾患の分類には我々の報告した腹腔鏡分類の3桁台を用いた. その結果腹腔鏡分類100番台と200番台 (急性肝炎, 慢性肝炎) では10年でも生存率は95.9%で, 肝硬変による死亡例はわずか1例であつた. 300番台 (前硬変) では5年生存率は極めて高く, 10年後に70.0%になり死因の大部分は肝疾患であつた. 400および500番台 (肝硬変) では5年生存率はおのおの72.3%および53.3%, 10年生存率37.9%, 24.0%であり, その大部分の死因は肝疾患であつた.
  • 中野 哲, 竹田 武夫, 堀口 祐爾, 鈴木 敏行
    1973 年 70 巻 1 号 p. 50-58
    発行日: 1973年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    尿中に排泄される amylase を単位/時間で表現し, これを5~7日間連続測定することが, 膵障害のscreening test として極めて有用な方法であることを, 950名の健常者, 消化器病患者で, 検討した結果から報告する.
    hyperamylasuria は膵疾患及び膵障害合併疾患患者に多くみられるが, 慢性膵炎や膵癌でも40%前後は尿 amylase の上昇がみられない. この hyperamylasuria を呈する群より normoamylasuria 群の方がP.S. 試験成績の異常が高い. 尿 amylase の異常高値は dynamic な病変を表現し, P.S. 試験は static な病変を表わすと思われ, 尿 amylase の連続測定は, 軽度膵障害の発見のための極めて重要な検査法と思われる.
feedback
Top