日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
98 巻 , 6 号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
  • 横井 太紀雄, 中村 常哉, 中村 栄男
    2001 年 98 巻 6 号 p. 615-623
    発行日: 2001/06/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    消化管リンパ腫の分類,知見はMALTリンパ腫の概念の登場によって大きく深化した.胃MALTリンパ腫の多くはH. pylori依存性に増殖しており,H. pyloriの除菌によって消退することが明らかとされてきた.一方,除菌に反応しない胃MALTリンパ腫の同定と取り扱いが急速に問題となりつつある.ごく最近,除菌無効例がt(11;18)染色体転座に基づくAPI2-MALT1キメラ遺伝子異常を有することが明らかとなった.同遺伝子異常は,今後,除菌反応性を予測する上での分子指標となる可能性が期待されている.これらMALTリンパ腫における知見の進歩は,消化管リンパ増殖性病変の本態を理解するうえで極めて重要である.
  • 中村 昌太郎, 飯田 三雄
    2001 年 98 巻 6 号 p. 624-635
    発行日: 2001/06/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    消化管悪性リンパ腫の臨床的特徴を概説した.胃リンパ腫の肉眼型は,低悪性度MALTリンパ腫では表層型(40%),高悪性度では腫瘤型(48%)が多い.小腸では潰瘍型,大腸では隆起型が多くみられる.文献報告のmeta-analysisの結果,低悪性度胃MALTリンパ腫に対するHelicobacter pylori除菌療法による完全寛解率は,I期では82%と高いが,II期(16%),高悪性度成分(19%),H. pylori陰性(6%)を呈する例では低かった.除菌による寛解後に7%に再燃が認められている.除菌無効例や高悪性度リンパ腫に対しては,化学療法や放射線療法などの胃温存治療が注目されている.小腸および大腸リンパ腫の治療は,手術と化学療法が多いが,低悪性度MALTリンパ腫の一部に対しては,H. pylori除菌療法や経口単剤化学療法などが試みられている.
  • 岩田 正己, 中野 浩, 松浦 良徳, 長坂 光夫, 三沢 美帆, 水田 佐知, 伊東 逸朗, 斎藤 知規, 伊藤 隆雄, 外間 政希, 神 ...
    2001 年 98 巻 6 号 p. 636-643
    発行日: 2001/06/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    lactuloseとrhamnoseを用いた腸管透過性試験は,経口投与された二種類の糖の尿中排泄率の比(L/R比:lactulose/rhamnose ratio)で表わされ,腸管透過性は腸管粘膜障害の程度を反映しているといわれている.対象としたクローン病患者の腸管透過性試験は総計92回,L/R比は平均0.079±0.081(平均±標準偏差)であった.健常対照群のL/R比は平均0.027±0.009であり,CD全体のL/R比は健常人のL/R比にくらべて有意に元進していた(p<0.05),クローン病患者39例の治療前後に腸管透過性試験を施行したところ治療前のL/R比は0.127±0.092であり,治療後は0.045±0.097と有意に低下した(p<0.05).寛解維持療法中でのL/R比は0.036±0.028で治療後と有意差を認めなかった.腸管透過性試験は完全成分栄養療法前後での治療効果判定に有用であると思われた.
  • 朝長 道生, 中村 研二, 木下 秀樹, 梶山 浩史, 磯本 一, 大曲 勝久, 水田 陽平, 村瀬 邦彦, 村田 育夫, 河野 茂
    2001 年 98 巻 6 号 p. 644-649
    発行日: 2001/06/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    症例は26歳,男性.主訴は6~8行/日の粘血便と5kg/2カ月の体重減少.1996年6月発症の全大腸炎型潰瘍性大腸炎として近医にて治療を開始された.1998年7月より当院外来へ通院となり,同年9月初回目入院となった.入院時TSH 0.00μIU/ml,free T3 8.3pg/ml,free T4 3.62ng/dl,TRAb 26.2%を認めGraves病の合併と診断した.PSL 50mg,AZP 100mg,5ASA2250mg/日より治療開始し,UCは寛解導入に成功し,甲状腺機能も正常となった.しかし,甲状腺ホルモンは徐々に再上昇したためAZPを中止し,MMI 30mg/日より開始しeuthyroidとなり現在維持療法中である.本邦において両疾患の合併報告は自験例を含め7例にすぎず極めてまれであり,治療および経過上興味ある症例と考えられた.
  • 小坂 正, 田中 淳二, 富田 寿彦, 松村 徹也, 大西 国夫, 福田 能啓, 田村 和民, 下山 孝
    2001 年 98 巻 6 号 p. 650-654
    発行日: 2001/06/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    症例は25歳の女性,クローン病.従来の栄養療法・薬物療法では改善傾向をみとめなかった直腸病変(下血,巨大なcavity)に対してメサラジン注腸を併用したところ,短期間に直腸病変の著明な改善をみた1例を報告した.
  • 山浦 高裕, 津金 永二, 坂口 みほ, 六波羅 明紀, 清澤 研道, 赤松 泰次
    2001 年 98 巻 6 号 p. 655-661
    発行日: 2001/06/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    症例は54歳女性.急性胃腸炎の診断で抗生剤と非ステロイド系消炎鎮痛剤(NSAIDs)の投与を受けたが,症状が持続するため当院に紹介入院となった.入院後水様性下痢が出現し,腹部単純写真にて巨大結腸を認めた.大腸内視鏡検査にて横行結腸からS状結腸に多発潰瘍を認めた.NSAIDsの中止と保存的治療にて改善した.NSAIDsによる巨大結腸をともなう多発性大腸潰瘍が考えられた.
  • 高橋 秀典, 東野 健, 岡田 一幸, 畑 泰司, 岩澤 卓, 衣田 誠克, 岡村 純, 門田 卓士
    2001 年 98 巻 6 号 p. 662-667
    発行日: 2001/06/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    症例は72歳男性.既往にC型慢性肝炎を認めた.肝外側区域の胆管拡張をともなうS3の腫瘍と左肝管の胆管内腫瘍を認めた.血管造影等の検査所見に加え,経静脈性造影USにて胆管内腫瘍の血流信号が描出されたため肝細胞癌の胆管内進展と術前に診断し得た.治療としては肝左葉切除・胆管内腫瘍栓摘出術を施行した.病理組織学的診断は中分化型肝細胞癌(vp0,vv0,b2)であった.本症例は胆管内腫瘍病変の質的診断に経静脈性造影USが非常に有用であった.
  • 田中 康平, 藤原 緑, 近藤 久也, 小西 一郎, 伊藤 祐啓
    2001 年 98 巻 6 号 p. 668-674
    発行日: 2001/06/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    患者は50歳,女性.心窩部痛のため,当院受診.腹部CT検査,上部内視鏡検査などにて,多発性肝転移巣をともなう,膵頭部原発小細胞癌と診断,肺小細胞癌に準じた化学療法を施行し,Stage IVにもかかわらずPRを得た.そこで現在までの報告例から化学療法の有効性について検討した.また本例では臨床経過の評価に血中neuron specific enoiase(NSE)濃度の測定が有効であった.
  • 大塚 征爾, 稲垣 恭孝, 塚田 信廣, 米井 嘉一, 前田 憲男, 中澤 敦, 鈴木 修, 桐生 恭好, 水野 嘉夫, 長村 義之
    2001 年 98 巻 6 号 p. 675-680
    発行日: 2001/06/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    症例は62歳男性,建築業.CTにて胸腹水貯留と胸腹膜,腸間膜の肥厚あり.胸水細胞診class V,胸水中ヒアルロン酸著明高値で悪性細胞はヒアルロニダーゼ消化試験陽性PAS染色陽性Vimentin染色陽性,EMA染色陽性で,超微形態的所見と併せ悪性胸腹膜中皮腫上皮型と診断した.血清CEA,CA19-9,CA125はいずれも基準値以下に対し血清CA15-3は高値を呈し病勢の進行と共に更に上昇した.悪性中皮腫での血清CA15-3についてはこれまで報告が無く興味ある症例と考えられた.
  • 2001 年 98 巻 6 号 p. 683a
    発行日: 2001年
    公開日: 2008/04/21
    ジャーナル フリー
    日消誌第98巻第2号掲載の研究会報告につきまして, 下記の通り校正上の誤りがありました. 訂正してお詫び申し上げます. (1)「肝機能検査法の選択基準(6版)」(2001:98:200-205)204頁 (誤)(誤) IV血液の凝固因子・線溶因子・阻止因子(修正案738字) (正)(正) IV血液の凝固因子・線溶因子・阻止因子
  • 2001 年 98 巻 6 号 p. 683b
    発行日: 2001年
    公開日: 2008/04/21
    ジャーナル フリー
    日消誌第98巻第2号掲載の研究会報告につきまして, 下記の通り校正上の誤りがありました. 訂正してお詫び申し上げます.(2)「肝疾患における肝炎ウイルスマーカーの選択基準(3版)」(2001:98:206-213)207頁Table1 (誤)(誤) HCV・RNA・HCVコア抗原 (正)(正) HCVRNA/HCVコア抗原
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