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小泉 文明, 川村 武, 石森 章, 中村 護, 蝦名 弘子, 佐藤 玄徳
1987 年 84 巻 10 号 p.
2303-2306
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
コントロール16例, 胃潰瘍28例, 十二指腸潰瘍21例を対象として, 空腹時ならびに食事負荷後95分迄の血中膵ポリペプチド (PP) レベルを測定すると共にラジオアイソトープ法による胃排出能との関連につき検討を加えた. その結果血中PPは胃潰瘍, 十二指腸潰瘍とも空腹時ならびに食後5分後を除いて95分後まで, コントロールに比し有意の高値を示した. ラジオアイソトープの胃内半減期 (T1/2) と integrated PP response (IPPR) との間には3群とも有意の相関は認められず, したがつて, 食後のPP血中放出は胃排出能には影響されないものと考えられる.
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太田 慎一, 寺野 彰, 志賀 淳治, 平石 秀幸, 島田 忠人, 吉田 晴彦, 川邊 隆夫, 片本 哲郎, 杉本 恒明
1987 年 84 巻 10 号 p.
2307-2313
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
胃粘膜に於て16,16-dimethyl (dm) Prostaglandin (PG) E
2はエタノールによる障害に対して深部病変は防止するが, 表層粘液細胞の脱落は阻止し得ないとの報告がある. 我々は dmPGE
2と17s, 20-dimethyl-6-oxo PGE
1 methyl ester (PGE
1d) のエタノール及びHClによる障害に対する防御作用について組織学的に検討した. 24時間絶食後のラットの胃内に生食1ml, dmPGE
2 (0.01~100μg/kg), 又はPGE
1d (0.01~100μg/kg)を投与し, 30分後に屠殺し胃粘膜の病変を光顕並びに走査電顕にて検討した. いずれのPGもHCl及びエタノールによつて起こる胃粘液の深部病変は抑制したが, 表層粘液細胞の脱落は阻止しなかつた. 従つて dmPGE
2およびPGE
1d の抗潰瘍作用としてこれらの障害によつておこる胃粘液の深部病変に対する保護作用が重要と考えられた.
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池田 英雄
1987 年 84 巻 10 号 p.
2314-2322
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
炎症性腸疾患35例で血清 secretory IgA (S-IgA), 血清 dimeric IgA (D-IgA) の意義及び動態を検討した. 血清IgAは, クローン病群 (CD: 294.2±81.3mg/dl) では潰瘍性大腸炎群 (UC: 251.4± 73.1mg/dl) に比べ有意に高値であつた. 活動期CDでのS-IgA(30.3±9.5μg/ml)は正常群(NC: 12.6± 6.8μg/ml), UC(9.6±5.6μg/ml)に比べ有意に高値を示した. D-IgAはNC(16.4±4.1%)に比べCD, UCでは有意に高値を示し特に活動期CD (37.1±4.8%) では他に比し高値を示した. CDにおけるS-IgAはIgA, D-IgA, ESRと有意な相関を示したがUCでは相関を示さなかつた. 以上よりCDでのS-IgAは活動性の指標として有意義であり, UCでは活動性の指標とはならないと思われた. CDでのIgAの増加はこれらの機序から腸管局所で産生されたS-IgA, D-IgAの血中への back flow によるものと思われた.
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藤沢 卓爾, 小野 栄一郎, 木村 昭彦, 弓削 建
1987 年 84 巻 10 号 p.
2323-2330
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
小児期に発症した炎症性腸疾患 (IBD) 患児12例 (潰瘍性大腸炎8例, クローン病4例) について内分泌学的検討を行つた. その結果, 血中T
3低値3例, 高プロラクチン血症2例, TRHテストでTSHの基礎値は正常だがその後の反応が過剰, 遅延を示すもの3例, LH-RHテストで遅延反応3例, 身体的に二次成長を認めるも前思春期型の反応2例, HCGテストで低反応2例認めた. 以上の内分泌異常は主に低栄養, 吸収障害による二次的な反応と考えられた. 結論として小児IBDにおける重要な合併症である成長障害, 性発育遅延の主原因は低栄養と思われる. この意味でも小児IBDにおける低栄養の改善, 栄養管理は早期から積極的に行う必要がある.
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佐藤 達之, 高升 正彦, 丸山 恭平, 布施 好信, 児玉 正, 瀧野 辰郎
1987 年 84 巻 10 号 p.
2331-2336
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
色素注入法および臓器反射スペクトル解析法を用いて, 正常ラットならびト cysteamine 投与後の十二指腸起始部の血液量および Brunner 腺部を中心とした血管構築像を検討した. 正常ラット十二指腸起始部は胃幽門輪部, および十二指腸肛門側の2群の血管網により潅流されており, cysteamine 投与による十二指腸潰瘍の発生部位は両者の中間部であつた. また, 正常 Brunner 腺部は個々の腺房を取り囲む, 非常に豊富かつ密な蜂巣状の細血管網により潅流されていた. 一方, cysteamine 投与3および6時間後に十二指腸起始部の血液量は有意に減少した. しかし, この時期の血管構築像には器質的な変化は認められず, 血液量の変化は機能的なものと考えられた. Cysteamine 投与24時間後に潰瘍の発生が確認された群では潰瘍辺縁部の血液量は増加していた. また, 血管構築上, 同部の血管は Brunner 腺部を含め拡張していた.
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大草 敏史, 山田 昌弘, 武永 強, 北瓜 知恵子, 山本 信彦, 佐々部 正孝, 高清水 一善, 田村 裕子, 坂本 恵理, 黒沢 弘之 ...
1987 年 84 巻 10 号 p.
2337-2346
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
高分子デキストラン硫酸 (DSS, 分子量54000) 経口投与によるハムスターの実験的潰瘍性大腸炎において, 主に嫌気性菌に対し抗菌作用を有する metronidazole (MNZ) の投与が, 同病変発生に対し, 予防的治療効果を有するか否かについて検討した. DSS水溶液投与のみのハムスターの1%DSS投与群 (10匹), および5%DSS投与群 (12匹) では, 全例にヒト潰瘍性大腸炎類似病変の発生を認めた. これに対し, DSS水溶液に加え, MNZを3日前より前投与した1%DSS+MNZ投与群 (10匹) では10匹中5匹 (50%), 5%DSS+MNZ投与群 (7匹) では7匹中4匹 (57%) が, 正常大腸粘膜像を示し, 便性状にも異常を呈さなかつた. 同時に腸内菌叢の変化を両群で比較したところ, DSS投与群では, Bacteroidaceae が有意に増加していたが, DSS+MNZ投与群では逆に減少していた. 他の菌群では両群間に有意な変化は見られなかつた. 以上より, MNZが Bacteroidaceae の増殖を抑制し, 潰瘍性大腸炎類似病変発症に対し, 予防的治療効果を発揮するのではないかと推察された.
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99m Tc MDP骨シンチグラフィーの検討を中心に
瀬在 秀一, 石沢 優, 吉野 克正, 松浦 誠一, 清水 敏朗, 森田 敏和, 平野 正憲, 岩瀬 透, 右田 徹, 松崎 広子, 鈴木 ...
1987 年 84 巻 10 号 p.
2347-2352
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
肝硬変の骨病変を検討するために, 悪性腫瘍および腎障害のない肝硬変症例21例 (内訳男14例, 女7例, 年齢31~80歳, 平均55.7歳, 病因: 原発性胆汁性肝硬変1, アルコール性9, B型肝炎ビールス性2, 原因不明9例) に99m Tc Methylene Diphosphonate (MDP) 骨シンチグラフィーを施行した.
その結果, 骨の異常集積像は高頻度 (47.6%21例中10例) に出現した. この異常集積像は, より女性に多く, また肝不全の重症例により多く見られた. さらに, 集積像の数も肝不全度に比例して増加する傾向にあつた. 血中Ca, PおよびPTHは正常域であつた. Vitamin D3分画はすべて低下していたが, 特に1α25(OH)
2D
3はシンチ陽性例でより低下傾向にあつた. 井上らのMD (Microdensitometry) 法とシンチの結果とは, 相関性を認めなかつた. MD法の結果の骨変化パターンは, 軟化症と粗鬆症との中間型を呈する症例が多かつた.
なお, 1例の剖検骨組織像で, hot spot 部位は粗鬆症であつた.
以上の結果より, 肝硬変の骨変化は注目すべき合併症であり, 99m Tc MDP骨シンチグラフィーはその診断に有用であるとの結論を得た.
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仲島 信也, 黒木 哲夫, 倉井 修, 西口 修平, 斉藤 忍, 塩見 進, 針原 重義, 小林 絢三, 山本 祐夫
1987 年 84 巻 10 号 p.
2353-2360
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
IFN投与B型慢性肝炎患者10例について,
125I-標識IFN-αを用いて患者末梢血単核細胞のIFNレセプターの動態について検討した. 1) IFN 4週間連日投与6例(初期投与量6×10
6IU/日) では, 投与期間中, 標識IFNの結合量は減少し, 投与前の約50%でほぼ一定であつた. 投与終了後1週では結合量の回復は不充分で (85%), 2週以後に投与前のレベルに復した. 2) 2週毎の間歇投与4例では, 投与期間中, 標識IFNの結合量は投与前の約45%であつた. 投与1クール終了後1週目の結合量は投与前の92%, 2週目101%, 2クール終了後1週目85%, 2週目95%であつた. 以上IFNレセプターは投与法により異なつた動態を示した.
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胆管崩壊の電顕的検討
竹澤 二郎, 山田 昇司
1987 年 84 巻 10 号 p.
2361-2369
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
原発性胆汁性肝硬変 (PBC) における胆管崩壊の過程を明らかにする目的で, PBC11例につき慢性非化膿性破壊性胆管炎 (CNSDC) を含めた胆管病変を透過電顕下に観察し, 慢性肝炎7例の胆管に見られた変化とも比較検討した. 基底膜の破綻, 胆管上皮細胞の間質内への脱落はPBC群の大型の小葉間胆管にのみ観察された. リンパ球の胆管上皮内侵入はPBCでは21胆管中9 (43%), 慢性肝炎群では17胆管中2 (12%) とPBC群で高頻度に観察され, またリンパ球に接した上皮細胞の変性所見もPBC群に目立つた. 以上の成績よりPBCにおいては基底膜の破綻と胆管上皮細胞の間質内への脱落所見が特徴であり, 本疾患の胆管障害にリンパ球による直接の細胞障害性の関与が示唆された.
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黄疸の推移と胆嚢内腔の変化について
羽鳥 知樹, 石井 耕司, 相川 勝則, 住野 泰清
1987 年 84 巻 10 号 p.
2370-2376
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
急性ウイルス性肝炎34例 (発黄例30例, 非発黄例4例) のUS胆嚢像を経時的に観察し (総計242回), 以下の結果を得た. 発黄例のうち胆嚢壁の肥厚 (>4mm) を70.0%に認め (A群), 残り30.0%では認めなかつた(B群). 入院時の胆嚢壁の厚さと内腔径との間には有意な負の相関を認めた. A群ではB群に比べ, 血清TBAが有意に高く, 血清ALBが有意に低かつた. A群の血清T-bil値と胆嚢内腔径は逆相関の傾向で推移し, 黄疸が遷延する例では胆嚢内腔径の拡張が遅延した. また, T-bil の peak 前の内腔消失が peak 後拡張したため, US像からの peak の時期を推定することが可能と思われた. 以上, USは急性肝炎の予後を知る上で有用である.
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特に肝機能悪化の問題について
池田 健次, 熊田 博光, 荒瀬 康司, 中村 郁夫, 茶山 一彰, 村島 直哉, 竹内 和男, 中島 正男, 吉場 朗, 煎本 正博
1987 年 84 巻 10 号 p.
2377-2385
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
肝動脈塞栓術を施行した肝細胞癌86例を, tegafur 600mg内服群 (A群) 27例, tegafur 400mg+uracil 合剤内服群 (B群) 25例, 内服無治療群 (C群) 34例の3群に分け検討した. 3カ月後および6カ月後の腫瘍壊死率は, C群が他の2群より不良であつた. 1年生存率は, A群およびB群がC群より良好であつたが, 腫瘍病期による層別化では各群に差がなかつた.一方, 6カ月以内に腹水, 脳症の発生する頻度は, C群5.9%に対し, A群33.3%, B群30.4%と高率 (p<0.05) で, また, 肝機能の悪化の頻度もA, B群で高かつた. 肝硬変合併肝細胞癌に対する内服抗癌剤は, 肝機能の増悪を念頭に置いて, 使用すべきである.
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竹森 康弘, 澤武 紀雄, 里村 吉威, 太田 英樹, 渡辺 弘之, 河上 浩康, 岡井 高, 高橋 豊, 磨伊 正義, 服部 信, 秋山 ...
1987 年 84 巻 10 号 p.
2386-2392
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
各種消化器系疾患 (悪性疾患455例, 良性疾患303例) の血清CA 125値を測定し, 臨床的意義を検討した. 膵癌(66%), 肝細胞癌(51%), 胆道癌(47%)の順で高い陽性率がみられた. CA 19-9, DU-PAN-2, CEA陰性の膵癌でCA 125陽性例がかなりみられた. 胃, 大腸癌での陽性例はほとんど stage IV以上または非切除例で, 特に腹膜転移群では他のマーカーに比して明らかに陽性率が高かつた. 一方, 良性疾患での偽陽性率は一般に低かつたが, 腹水を有する肝硬変, 劇症肝炎, 重症の膵炎では本抗原の上昇がみられ, その増減は腹水の消長に一致していた. 以上より, 血清CA 125は膵, 胆道癌の診断のみならず, 腹水や腹膜転移の有無を把握するのに有用と考えられた.
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田中 宏明, 飯田 三雄, 興椙 憲男, 鶴田 修, 藤島 正敏, 岩下 明徳, 古賀 安彦
1987 年 84 巻 10 号 p.
2393-2398
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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宇山 一朗, 飯田 修平, 関 惇, 戸嶋 暢之, 鳥浜 慶嗣
1987 年 84 巻 10 号 p.
2399-2402
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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明円 亮, 秋山 建児, 小笠原 正洋, 堀田 和敏, 建部 高明, 石井 兼央
1987 年 84 巻 10 号 p.
2403-2408
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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塩見 進, 針原 重義, 小畠 昭重, 申 東桓, 金 鎬俊, 西口 修平, 斉藤 忍, 関 守一, 溝口 靖紘, 黒木 哲夫, 小林 絢三
1987 年 84 巻 10 号 p.
2409-2412
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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春日井 邦夫, 早川 富博, 宮治 眞, 片桐 健二, 星野 信, 尾関 規重, 大西 勇人, 川村 益生, 竹島 彰彦, 塚田 勝比古, ...
1987 年 84 巻 10 号 p.
2413-2417
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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東 健, 真神 易, 柳沢 孝二, 川井 啓市
1987 年 84 巻 10 号 p.
2418
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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金沢 秀典, 多田 教彦, 松坂 聡, 宮田 邦久, 黒田 肇, 小林 正文
1987 年 84 巻 10 号 p.
2419
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー