日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
79 巻 , 12 号
選択された号の論文の18件中1~18を表示しています
  • 荒川 哲男, 中村 肇, 蝶野 慎治, 山田 博明, 佐藤 博之, 小野 時雄, 小林 絢三
    1982 年 79 巻 12 号 p. 2195-2198
    発行日: 1982/12/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    ラットの飢餓潰瘍は前胃には発生するが,腺胃には発生し難い.そこで,腺胃に飢餓病変の発生し難い理由を明らかにするために,飢餓ラットの腺胃粘膜prostaglandins (PGs)およびhexosamineの動態につき検討を加えた.その結果,5日絶食ラットでは,1日絶食ラットに比し,PGE2,thromboxane A2 (TXA2), PGF2αは増加を示したが,prostacyclin (PGI2)量は変化しなかつた.hexosamine は日絶食ラットで増加した.また,いずれのラットにも,腺胃に肉眼病変は認められなかつた.これらの結果より,飢餓ラットの腺胃では,内因性PGE2の動員および粘膜内hexosamineの増加が,潰瘍の発生を防ぐひとっの要因になっていると考えられた.
  • 江崎 友通, 小西 陽一, 中谷 勝紀, 宮城 信行, 高橋 精一, 江見 葉子, 白鳥 常男
    1982 年 79 巻 12 号 p. 2199-2206
    発行日: 1982/12/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    AFP産生ヒト胃癌のヌードマウスへの移植継代に成功し,その特性について検討して以下の結果を得た.
    1)20代目までの皮下での生着率は100%であり,移植腫瘍の重量倍加時間は5.6日から11.2日で,平均は8.4日であつた.2)皮下移植腫瘍から作成した細胞浮遊液による腹腔内移植では7例中3例に癌性腹膜炎がみられ,他の2例には肝臓等腹腔内臓器に生着し,それら腫瘍の生着した5例中3例には肺転移も生じた.皮下腫瘍では浸潤転移など悪性増殖能は発現しなかつたが,腹腔内移植では以上の如き悪性増殖能が発現した.3)マウス血清AFP値は皮下移植および腹腔内移植ともに移植後継時的に上昇し,皮下移植腫瘍の大きさと血清AFP値の間に有意の相関が認められた.4)移植に用いた胃癌の組織型は低分化腺癌であり,20代の継代において組織型の変化は基本的には認められなかつた.又腹腔内移植における転移巣も低分化腺癌であつた.5)酵素抗体法により原発腫瘍および継代腫瘍とも細胞質内にAFPの局在を認めた.
  • 中目 千之, 赤井 裕輝, 本郷 道夫, 今井 信行, 豊田 隆謙, 後藤 由夫, 奥口 文宣, 小松 寛治
    1982 年 79 巻 12 号 p. 2207-2215
    発行日: 1982/12/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    糖尿病患者,健常者を対象に,消化管運動障害とmotilinとの関連を研究する目的で,下部食道括約筋圧(LESP),胃排出能,小腸通過時間,血漿motilin濃度を測定した.糖尿病患者全例に高motilin血症が認められた.自律神経障害を有する糖尿病患者にみられるtetragastrinに対するLESPの低反応はmotilinによつて説明することは出来なかつた.胃排出能は空腹時motilin濃度と強く相関し,合併症を有しない糖尿病患者,糖尿病性下痢にみられた胃排出能の亢進は高motilin血症のためと考えられた.一方,小腸通過時間と血漿motilin濃度との間には相関は認められず,内因性motilinが小腸通過を制御する可能性は少ないものとおもわれた.
  • 中村 敬夫
    1982 年 79 巻 12 号 p. 2216-2226
    発行日: 1982/12/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    胃腸管非ポジキンリンパ腫133例(胃83例,小腸39例,大腸11例)を,臨床病理学的並びに免疫組織学的に検討した.死亡例の多くは術後1年以内に見られ,5生率は胃45.6%,小腸33.6%,大腸65.6%であつた.予後因子として,病巣個数,増殖様式による組織型,深達度,リンパ節侵襲並びに腫瘍周辺部の非腫瘍性リンパ球反応が重要であつた.免疫組織学的検討を行なった50例中15例に,腫瘍細胞内免疫グロブリンを認め,うち4例に多クローソ性パターンがみられた.胃腸管悪性リンパ腫は,その7割が結節又は結節暗示性の増殖を示し,びまん型増殖例でも免疫グロブリンを認めたこと,また予後の面からも,B細胞由来が圧倒的に多いと思われた.
  • 松本 恒司, 正宗 研, 布出 泰紀, 正木 啓子, 大柴 三郎, 岡田 勝彦, 桜本 邦男, 岡島 邦雄
    1982 年 79 巻 12 号 p. 2227-2233
    発行日: 1982/12/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    胃切除例に対し,腸管内膵酵素を増加させる目的でpancreozyminや消化酵素剤を投与し,それにより胃切除後の消化吸収障害が改善されるか否かをBT-PABA試験や吸収試験によつて検討した.すなわち,試験食併用BT-PABA試験に対するpancreozymin 1μ/kg静注や,消化剤同時投与の影響をみると共に,消化剤投与による糞便脂肪や窒素量の変動を観察した.この結果,pancreozyminにより尿中PABA排泄率が増加する症例が多く,また,消化剤投与によりPABA排泄率が増加した症例の多くで糞便中脂肪,窒素量は減少した.このことから,胃切除後消化吸収障害には腸管内酵素の不足が強く関与し,消化酵素剤が補充療法として有用であることを明らかにした.
  • 布施 好信, 土橋 康成, 児玉 正, 瀧野 辰郎
    1982 年 79 巻 12 号 p. 2234-2242
    発行日: 1982/12/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    cysteamineが潰瘍形成時に防御因子の1つである十二指腸粘液にどのような影響を及ぼすかを検討した.cysteamine投与後,潰瘍性病変の出現に先立つて3時間目からBrunner氏腺, Lieberkühn氏腺のPAS陽性粘液が減少し,びらん,潰瘍がみられた6,12時間後には腺管の拡張を伴つてPAS染色性は著明に低下した.しかし24,48時間後には,潰瘍が発生していても上記のPAS陽性粘液の量には回復傾向がみられた.また迷走神経切除術施行ラットにcysteamineを投与したところ,ほぼ同様の Brunner氏腺のPAS陽性粘液量の減少がみられたが,Lieberkühn氏腺の変化は軽度で,潰瘍性病変の発生はみられなかつた.なおPAS陽性粘液の量についてはコンピューター画像解析装置を用いて定量的に解析した.
  • 中嶋 文行
    1982 年 79 巻 12 号 p. 2243-2251
    発行日: 1982/12/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    ラット肝の部分切除後に起る肝再生時の膵ランゲルハンス島の変化を電子顕微鏡を用いて経日的に観察した.
    肝再生の経過と共に膵ランゲルハンス島のB細胞は糸粒体の球形化や数の増加,粗面小胞体の発達,Golgi complexの拡大,芯を有しない顆穎粒限界膜の増加など細胞機能の充進の変化が観察された.A細胞の観察にてもGolgi complexの拡大,分泌顆粒の増加などの変化を認めた.これら変化は肝切除後2日目,3日目がピークであり,肝切除後5日目ないし7日目には正常となつた.肝切除後7日間は肝細胞数の増加する期間と一致する事より,膵ホルモンと肝細胞数の増加との間に関連があるものと推測された.
  • 溝口 靖紘, 沢井 寛子, 筒井 ひろ子, 新井 孝之, 池本 吉博, 阪上 吉秀, 東森 俊博, 門奈 丈之, 山本 祐夫, 森沢 成司
    1982 年 79 巻 12 号 p. 2252-2256
    発行日: 1982/12/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    結核死菌感作モルモットのリンパ節細胞をin vitroで精製ツベルクリン(PPD)を用いて刺激すると,リンパ球幼若化反応が誘導され,そのリンパ球培養上清には催胆汁うつ滞因子(CF)およびマクロファージ活性化因子(MAF)などのリンホカインが検出される.このリンパ球幼若化反応とリンホカイン産生の関係を明らかにするため,PPDでリンパ球を刺激する際に,bromodeoxyuridine (BrDU)を添加して幼若化細胞にとりこませ,ついで,可視光線を照射してBrDUをとりこんだ細胞の障害を誘導し,リンパ球幼若化反応とリンホカイン産生への影響を検討した.その結果,BrDU処理後可視光線を照射することによつて,リンパ球幼若化反応は著明に抑制されたが,CFやMAF産生はこのような処理の影響をうけず,むしろ,リンホカインの産生が増強されることが明らかになつた.以上の結果から,CFなどのリンホカインの産生は必ずしもリンパ球幼若化反応を前提としない可能性が示唆された.
  • 清島 満, 青木 泰然, 吉田 洋, 山田 昌夫, 安藤 喬, 武藤 泰敏, 高橋 善弥太
    1982 年 79 巻 12 号 p. 2257-2266
    発行日: 1982/12/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    胆汁うつ滞症において出現する異常リポ蛋白lipoprotein-X(LP-X)をzonal ultracentrifugationを用いて2つの亜分画(LP-X1,LP-X2)に分けその動態と性状を検討した.肝外胆汁うつ滞症において,胆汁うつ滞の増強とともにLP-X1/LP-X2比は上昇し,一方ドレナージによる胆汁うつ滞の軽減とともにその比は減少した.また肝内胆汁うつ滞症においては,LP-X2がLP-X1に比べ著明に増加していた.LP-X1およびLP-X2の脂質組成は両者間に有意の差は認められなかつた.しかし,アポ蛋白組成ではLP-X2には肝細胞由来と考えられるApo Eが多く含まれていた.以上のことより,LP-X1は胆汁の血中への直接的な逆流により形成され,LP-X2の生成には肝細胞が密接に関与しているものと考えられる.
  • 柿本 隆生
    1982 年 79 巻 12 号 p. 2267-2276
    発行日: 1982/12/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    水素クリアランス法を用いて種々の条件下のラット肝の局所血流を測定して,次の結果を得た.(1)正常ラット肝の異なる部位の局所血流量(H. B. F)に差はなかつた.(2)約35%の血圧降下で H. B.Fは肝門部で約30%,肝辺縁部で約37%減少した.(3)肝動脈結紮でH. B. Fは約22%減少した.(4)背臥位から垂直位への体位変換でH. B. Fは約21%減少し,再び背臥位に戻すと約18%回復した.(5)Glucagon・Insulinの門脈内注入でH. B. Fは約21%増加した.(6)Glucagon・Insulin腹腔内投与時の部分切除肝の再生率は対照より大であつたがH. B. Fとは相関しなかつた.(7)四塩化炭素傷害肝のH. B. Fは対照より約22%増加した.p-Hydroxyphenyl salicylamideの併用によりH. B. Fは対照より約53%増加し,また肝傷害は軽微であつた.
  • 品川 孝, 大藤 正雄, 木村 邦夫, 常富 重幸, 守田 政彦, 税所 宏光, 土屋 幸浩, 奥田 邦雄, 五月女 直樹, 唐沢 英偉, ...
    1982 年 79 巻 12 号 p. 2277-2284
    発行日: 1982/12/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    肝細胞癌の早期診断を目的として,超音波リニア電子スキャンを導入以後臨床的に診断された最大径5cm以下の小肝細胞癌51例(うち切除26例,剖検4例)の臨床像を検討した.臨床症状は62.7%が無症状であり,有症状例では腹部膨満感,全身倦怠感が主な症状であつた.AFP正常例(20ng/ml以下)は25.5%であり,200ng/ml以上の明らかな上昇は33.3%に過ぎなかつた.HBs抗原陽性は20%と一般の肝細胞癌例より低値であつた.GOT/GPT比やALPは診断上有用ではなかつた.画像診断法では超音波が92.2%と最も優れた腫瘍検出率を示した.非切除例における1年生存率は75%であつた.超音波とAFPを併用して慢性肝疾患患者を対象にスクリーニングすることにより小肝細胞癌の診断が可能である.
  • 根井 仁一
    1982 年 79 巻 12 号 p. 2285-2291
    発行日: 1982/12/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    アルコール性肝障害患者30例の禁酒後の肝分泌性蛋白の変動を経時的に検討した. Prealbuminは禁酒直後では非アルコール性肝疾患に較べ,ICG最大除去能の軽度障害群で高値を示し,禁酒後には下降するものが多くみられた.一方transferrinは非アルコール性慢性肝疾患に比して低値を示し,禁酒後は上昇例が多かつた.AFPは禁酒直後に高値を示すものはなく,禁酒後にも明らかな上昇を示す例はほとんどなかつた.以上のごとく血清蛋白の種類によつて禁酒後の態度は異なり, prealbuminの変化も飲酒に関連する変化と考えられたが,肝微小管の障害による肝よりの分泌の抑制は transferrinに最も反映されていると考えられ,AFPの変化も分泌抑制の解除による可能性が考えられた.
  • 伊倉 勝男
    1982 年 79 巻 12 号 p. 2292-2298
    発行日: 1982/12/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    ハムスターを3群に分け,I群には,ENNG paraffin pelletを,II群とIII群は対照群として前者にはparaffin pelletのみを胆嚢内に留置し,後者には手術操作のみを行つた.6ヵ月後,I群の55匹中21匹38%に胆嚢癌の発生がみられたが,II群の13匹とIII群の8匹には全くみられなかつた.発生した胆嚢癌は隆起型9匹では乳頭ないし乳頭管状腺癌,浸潤型7匹では管状腺癌ないし低分化型腺癌で,混合型5匹はそれらを合併していた.乳頭腫は隆起型のすべて,混合型の4匹にみられたが,浸潤型では全くみられなかつた.腸上皮化生は隆起型7匹に,混合型3匹にみられたが,浸潤型では1匹であつた.その程度は癌発生したものでは乳頭腫や過形成のみ発生したものより広範で,しかも,隆起型癌の周辺では一層広範であつた.
  • 馬場 信雄, 鈴木 敞, 戸部 隆吉
    1982 年 79 巻 12 号 p. 2299-2304
    発行日: 1982/12/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    ウィスター系雄性ラットを用いて,肝門部胆管切離法により閉塞性黄疸を作成した.術後10日の膵重量は閉塞性黄疸群で対照群に比べ約1.27倍に増大し,術後4週の膵重量は閉塞性黄疸群で対照群の約1.40倍に増大した.術後4週に測定した閉塞性黄疸群の全膵内Amylase量,全膵内Lipase量,全膵内蛋白量は,それぞれ,対照群の1.65倍,1.57倍,1.38倍に増加した.組織学には,閉塞性黄疸ラットにおいて膵の腺房細胞の肥大の傾向を認めた.
    以上のごとく,ラットにおいては閉塞性黄疸が膵に栄養効果をもたらすことを新らたに観察した.
  • 早川 富博, 宮治 真, 片桐 健二, 山田 英明, 岸本 高比古, 友松 武, 伊藤 誠, 武内 俊彦, 山本 俊幸, 前田 甲子郎
    1982 年 79 巻 12 号 p. 2305-2313
    発行日: 1982/12/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    高齢者の膵超音波像におけるechogenicityの増強の原因を明らかにするために,116例の超音波像のechogenicityを検討し,かつ20例の生前超音波像および18例の剖検膵水浸下超音波像のechogenicityと組織所見とを対比した.膵echogenicityが肝のそれにより高い例は65%にみられ,うち著明に高い例は24%であつた.組織所見との対比では,高echogenicity群における脂肪織置換の程度が,低echogenicity群より有意に高く,echogenicityと脂肪織置換との間に深い関連が認められた.一方echogenicityと線維化との間には一定の関連が認められなかつた.以上より,高齢者膵echogenicityの増強は組織における脂肪織置換の増加によるものと考えられた.
  • 下條 ゑみ, 八巻 敏雄
    1982 年 79 巻 12 号 p. 2314-2322
    発行日: 1982/12/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    代表的植物ホルモンであるIAAの動物細胞増殖における意義ならびにその臨床的意義につき検討した.
    L-P3細胞および3T3細胞を用いた培養実験ではこれらの細胞がIAAを産生すること,そのIAA濃度は単位細胞当りでは2日目に高値を示し,以後漸減するがそれ以後培養中の濃度は10-7Mとほぼ一定であり,この濃度のもとに増殖が進行し,それを超えると抑制的に作用する結果が得られた.
    正常人,消化器癌疾患患者および非癌例における血清および尿中のIAA量をみると,早期癌例では一般に高値を示し,末期癌では低値を示すことが多い.肝癌例では原発性肝癌が低値を示すのに対し転移性肝癌例では高値を示した(p<0.02).また癌組織およびその辺縁では遠隔非癌部位に比し高値がみられ,IAAと細胞増殖との関連を示唆する所見が得られた.⟨⟨⟨⟨
  • 辻 博, 赤木 公博, 村井 宏一郎, 尾前 照雄, 能塚 隆之, 別府 和茂
    1982 年 79 巻 12 号 p. 2323-2327
    発行日: 1982/12/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
  • 清水 淳, 白石 博久, 桜林 忍, 杉浦 玄, 滝沢 秀樹, 宮崎 浩一, 松本 恭弘, 西里 吉則, 斉藤 利彦, 綿鍋 維男, 増田 ...
    1982 年 79 巻 12 号 p. 2328-2332
    発行日: 1982/12/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
feedback
Top