日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
最新号
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今月のテーマ(総論):食道運動障害 最新の知見
  • 星川 吉正, 川見 典之, 岩切 勝彦
    2024 年 121 巻 2 号 p. 77-83
    発行日: 2024/02/10
    公開日: 2024/02/13
    ジャーナル 認証あり

    食道運動障害は,上部/下部食道括約筋の弛緩障害や体部蠕動障害によっておこり,嚥下障害や胸痛を引きおこす.診断に必須である高解像度食道内圧検査(high resolution manometry;HRM)は施行可能な施設が限られ,スクリーニングとして内視鏡や透視検査が重要である.食道運動障害が疑われる場合にはHRMを実施するが,食道アカラシア以外の内圧診断の臨床的意義は不明瞭であり,症状や透視などの検査所見を含めて総合的に判断する必要がある.アカラシアに対しては,内視鏡的/外科的筋層切開術,バルーン拡張術を考慮する.日本の一般診療における食道運動障害およびHRMの認知度は低く,本稿では食道運動障害の病態,診断,治療戦略について概説する.

今月のテーマ(総説):食道運動障害 最新の知見
  • 栗林 志行, 保坂 浩子, 浦岡 俊夫
    2024 年 121 巻 2 号 p. 84-95
    発行日: 2024/02/10
    公開日: 2024/02/13
    ジャーナル 認証あり

    High-resolution manometry(HRM)と食道運動障害を体系的にまとめたシカゴ分類が開発され,食道運動障害の診療は大きく変化している.食道運動障害の診療では器質的疾患の除外が重要であり,上部消化管内視鏡検査が行われているが,食道運動障害に特徴的な内視鏡所見も報告されている.食道造影検査では食道運動だけではなく,食道内のボーラスの動きも観察することができ,食道運動障害の拾い上げだけではなく,治療後の評価にも有用である.なお,食道の伸展性を評価する機器が開発され,食道の収縮だけではなく,伸展性が食道運動障害の病態に関与していることが報告されている.

  • 秋山 純一, 横井 千寿, 上村 直実
    2024 年 121 巻 2 号 p. 96-103
    発行日: 2024/02/10
    公開日: 2024/02/13
    ジャーナル 認証あり

    食道運動障害は,HRM所見によって,1)LES圧の上昇があるもの(アカラシアやEGJOO),2)食道体部にspasticityが認められるもの(DESやhypercontractile esophagus),3)食道体部の蠕動運動が弱いもの(absent contractilityやIEM)に大別し,治療方針を決定する.一般的な内科的治療として,1)2)は平滑筋弛緩薬(カルシウム拮抗薬,硝酸薬,ホスホジエステラーゼ5阻害薬など)や内視鏡的ボツリヌス毒素注入療法があるが,3)では現在有効な消化管運動機能改善薬はないため,GERDの併存の有無,臨床症状の種類によって治療方針を模索する.

  • 福島 尚子, 増田 隆洋, 矢野 文章
    2024 年 121 巻 2 号 p. 104-111
    発行日: 2024/02/10
    公開日: 2024/02/13
    ジャーナル 認証あり

    食道アカラシアは食道蠕動運動の障害により通過障害をきたす疾患であり,治療としては腹腔鏡下Heller-Dor法が長らく標準術式であった.近年,経口内視鏡的筋層切開術(peroral endoscopic myotomy;POEM)が本邦で開発され,普及してきている.しかし,治療法の選択にまだ一定の基準はない.また,その他の食道運動障害の代表的疾患としてesophagogastric junction outflow obstruction(EGJOO)とびまん性食道痙攣があるが,これらの症例に関しても治療法は確立されていない.ここでは,食道アカラシアを中心に食道運動障害の外科治療に関して述べる.

  • 井上 晴洋
    2024 年 121 巻 2 号 p. 112-116
    発行日: 2024/02/10
    公開日: 2024/02/13
    ジャーナル 認証あり

    胃食道逆流症治療の第一選択は薬物療法である.それが効を奏さない場合,外科手術が選択されてきた.ここに治療法選択のギャップがあり,それを埋めるべく多くの内視鏡治療が報告されてきた.われわれの取り組んでいる内視鏡的逆流防止術(endoscopic anti-reflux therapy;EARTh)として,ARMS(粘膜切除術),ARMA(粘膜焼灼術),ARM-P(粘膜形成術)がある.既にARMS/ARMAについては,3本のsystematic reviewにより安全かつ効果的治療法であると報告されている.大きな裂孔ヘルニアのない難治性胃食道逆流症に対しては,内視鏡治療が検討されるべきと考えている.

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