日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
77 巻, 10 号
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  • R. A. GREGORY
    1980 年 77 巻 10 号 p. 1-23
    発行日: 1980/10/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
  • 第1報 胃粘膜・筋層におけるcyclic AMP, cyclic GMPの微量定量について
    高倉 淳
    1980 年 77 巻 10 号 p. 1539-1546
    発行日: 1980/10/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    胃における細胞生理,機能に果すcyclic nucleotidesの役割に注目し,Lowryの微量酵素定量法を応用して,正常ラット胃の前胃,胃体部,幽門部の粘膜層および筋層内cAMP, cGMPレベルを検討した.すなわち,実体顕微鏡下で各部位の粘膜および筋層より0.5mgの試料を採取,succinyl化後,radioimmunoassayにてcAMP, cGMPの定量を行つた.本法における回収率はcAMP 88.9±1.2%,cGMP 88.6±0.8%であつた.その結果,1) 粘膜層では幽門部cAMP, cGMPは各々4.80±0.41pmol/mg d.w,0.27±0.02pmol/mgd. w.で前胃,胃体部に比較し有意の高値であつた(p<0.01),2) 壁細胞の分布する胃体部粘膜層cAMPは3.15±0.27で他部位に比較し低値であつた.3) 前胃筋層のcAMPは5.63±0.41で胃体部に比較し有意に高く(p<0.01),cGMPは0.21±0.01で有意に低値であつた(p<0.05).
  • 塚本 純久, 中沢 三郎, 瀬川 昂生, 内藤 靖夫, 川口 新平, 富永 潤, 中條 千幸, 安座 間聡, 杉山 秀樹, 清水 豊, 岡田 ...
    1980 年 77 巻 10 号 p. 1547-1554
    発行日: 1980/10/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    テトラガストリン刺激による胃液検査を6ヵ月以上の間隔で施行した胃潰瘍18例,十二指腸潰瘍22例,胃・十二指腸併存潰瘍11例の酸およびペプシン分泌能の経過について検討し以下の結果を得た.(1) 胃潰瘍の非再発群に比して,再発群では酸・ペプシン共に低値であつた.(2) 十二指腸潰瘍では再発群と非再発群との間には,酸・ペプシンに差を認めず,その経過中,高値を持続していた.(3) 胃・十二指腸併存潰瘍の難治・再発群は酸・ペプシン共に高値であり,それが経過中持続していた.しかし,非再発群の酸は初回検査時高値であつたが,経過観察後には正常値へと減少し,ペプシンは初回検査時から高値ではなく,経過中変動を認めなかつた.
  • 山本 富一, 立石 博之, 西村 幸隆, 渡辺 幹雄, 右京 成夫, 三宅 健夫, 内野 治人, 松本 由郎, 石井 恵三, 高橋 清之
    1980 年 77 巻 10 号 p. 1555-1561
    発行日: 1980/10/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    1968年から1977年に手術された872例の胃切除例を対象に,リンパ節のサルコイド反応例を検討した.(1) サルコイド反応の頻度は872例中8例(0.92%),内胃癌は807例中7例(0.82%)であつた.(2) サルコイド反応を伴つた胃癌例の臨床検査及び臨床病理学的検討結果からは,これら症例間に一定の傾向を認めなかつた.(3) サルコイド反応を呈した胃癌症例の術後経過では,5例は3年2ヵ月から10年9ヵ月(平均6年2ヵ月)を経た現在再発の徴候は全く認めず,他の2例も事故死1例,心不全1例で再発による死亡例は認めなかつた.
  • 三輪 洋子, 長谷川 かをり, 谷口 友章, 田辺 誠, 李 文暎, 野口 友義, 佐々木 宏晃, 長廻 紘, 藤盛 孝博
    1980 年 77 巻 10 号 p. 1562-1565
    発行日: 1980/10/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    peroxidase-antiperoxidase法(PAP法)によつて大腸組織内のCEAを検討した.CEAは大腸癌13例及び高度の異型を呈する腺腫6例の全てに認められた.正常大腸4例,大腸癌症例の正常大腸粘膜7例,及び潰瘍性大腸炎12例にはCEAを認めなかつたが,腫瘍性異型を呈した潰瘍性大腸炎の1例において異型上皮及びその近傍の粘膜にCEAを認めた.本報告でも抗CEA血清の特異性に問題を残しているが,一種の染色法として癌及び癌化の指標として利用しうると考えられた.
  • 多羅尾 和郎, 山崎 隆一郎, 戸田 有亮, 伊藤 章, 小田切 繁樹, 福島 孝吉
    1980 年 77 巻 10 号 p. 1566-1574
    発行日: 1980/10/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    肝硬変患者の糞便内細菌叢を健常者のそれと比較し,更に,その抗生剤及び1actulose投与による変動を検索した.結果:(1) 肝硬変患者では,健常者に比して,糞便中の嫌気性菌数が著増し,その主な菌種はBacteroidesである.(2) 抗生剤投与による肝硬変者糞便中細菌数の変動は,Fradiomycin (Neomycin)投与では好気性菌のみが減少し,Paromomycin投与では好・嫌気性菌の両方が著明に減少し,Minocycline投与では,両方が軽度に減少した.(3) Lactulose投与では好気性・嫌気性菌共に総菌数が減少し,著減する菌種は嫌気性Bacteroidesであつた.(4) 以上より,肝性脳症の治療には,抗生剤ではParomomycimが最良であるが,単独では不充分でありLactuloseの併用が必要である.
  • アルコール多食歴を有する肝疾患と高CEA値の関係について
    山口 希, 木本 邦彦, 町野 満夫, 竹内 覚, 魚住 玄通, 田中 義憲, 青池 晟, 川井 啓市
    1980 年 77 巻 10 号 p. 1575-1580
    発行日: 1980/10/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    諸肝疾患103例の血中CEA値を測定した.アルコール多飲歴(150ml/日以上の摂取を習慣とする)を有する肝疾患群29例とアルコール多飲歴のない肝疾患群74例の血清CEA値をFrance CISのCEA測定キットを用いて測定した.CEA陽性率(20ng/ml以上)は前者で45%であつたのに対して,後者群では低く15%であつた.アルコール多飲歴のある肝疾患群では有意に高率であることが判明した.このことからアルコール多飲による肝細胞障害にもとずくCEAの肝での代謝の低下の可能性が推測される.アルコール多飲歴のある肝疾患群では3倍もCEA陽性率が高くなるのは,経年的に摂取されたアルコールで障害を受けた肝細胞の機能部分が,CEA代射に関係する肝細胞の機能部分と重なるためとも考えられ,その障害の程度に個人差が強く関与しているものと思われる.
  • 鈴木 光二, 岩間 章介, 鈴木 直人, 武者 広隆, 小藤田 和郎, 奥田 邦雄
    1980 年 77 巻 10 号 p. 1581-1588
    発行日: 1980/10/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    大腸菌に対する抗体(大腸菌抗体)を急性肝炎,慢性肝炎,肝硬変症(代償性)患者の血清について赤血球凝集反応を用いて検索したところ,肝硬変症では他疾患と比べて有意に高い出現率を示した.大腸菌抗体陽性の肝硬変症では陰性例に比べて血清γグロブリン値,IgA値は高値を示し,IgGも高い傾向であつた.肝硬変症で,ICG 15分血中停滞率と血清γグロブリン,19G, IgA値が良く相関した.大腸菌抗体は腸管由来の抗原に対する抗体であることを考慮すると,上記の結果は肝硬変症では腸管由来の抗原に対する抗体の産生が促進し,それが高グロブリン血症の成因の1つになつていることを示唆している.肝硬変症では肝内血流異常の為に腸管由来の抗原物質の処理不活化が低下していると考えられる.
  • 金山 隆一, 高田 昭, 高瀬 修二郎, 中谷 泰康, 根井 仁一
    1980 年 77 巻 10 号 p. 1589-1595
    発行日: 1980/10/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    アルコール(Al)代謝に及ぼす食餌脂肪の影響を検討した.ラットを総カロリーの36%がAl,36%が脂肪のI群,Alが36%で脂肪が15%のII群,Al非投与で脂肪が36%のIII群と15%のIV群に分け,4週間飼育後Alを0.2g/100g腹腔内へ投与し血中Al消失率をみると,I群の血中Al濃度の下降は速やかで,その半減期は他の3群よりも明らかに短縮していた.肝マイクロゾームの諸酵素活性はI群で有意の高値をみた.摘出潅流肝ではI群肝でのAl代謝量が他の群よりも有意に高く,4-methyl pyrazole処置後もI群肝のAl代謝量は他の群よりも高い傾向を認めた.
    以上から,高脂肪食投与はマイクロゾームを介してのAl酸化を亢進させることが推測された.
  • 宮腰 久嗣, 野田 八嗣, 田中 延善, 能登 裕, 加登 康洋, 早川 浩之, 小林 健一, 服部 信
    1980 年 77 巻 10 号 p. 1596-1603
    発行日: 1980/10/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    急性肝障害14例に100μgのグルカゴン負荷を施行し,血漿cAMPの反応が肝障害重症度をあらわす指標の1つとなりうるか否かヘパプラスチンテスト(Hpt)と比較検討した.急性肝障害例では血漿cAMP反応は低値を示したが,とくにHpt 40%未満の重症例4例で著明であつた.死亡例では血漿cAMPの初期反応の低下が著明であつた.負荷前IRG値は重症肝障害群で高く,またこのような例では血漿cAMPの反応は低下していた.以上の結果,血漿cAMP反応は急性肝障害の重症度,予後を判定するうえで有用と思われれた.血漿cAMP反応低下の理由として,肝障害でみられる高グルカゴン血症が一因をなしていると思われた.
  • 第2編 散発性A型肝炎の臨床病理学的研究
    川原 健治郎
    1980 年 77 巻 10 号 p. 1604-1614
    発行日: 1980/10/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    松本地方における成人の散発性急性A型肝炎24例についてその疫学的,臨床的事項をB型との比較により検討した.散発性急性ウイルス肝炎122例中A型は24例(19.7%)でその発生頻度は季節・年度により変動していた.anti-HAV保有率は30歳代を境に大きく相違し,A型肝炎の発症はanti-HAV保有者の少ない20歳代に多くみられ,家族内感染は1家系にみられた.A型の臨床的特徴は黄疸,発熱,悪心・嘔吐が高頻度であり,TTT,血清IgMはB型に比し有意に高値を示した.A型の臨床経過は一般にB型に比し改善が早く,組織学的にも重症例や慢性化例は認められなかつたが,A型のうちTTT, Al-Paseの著明な高値を示す例ではS-GPTの正常化が遅れる傾向がみられた.
  • 与芝 真, 堺 隆弘, 藤原 研司, 戸田 剛太郎, 岡 博, 織田 敏次
    1980 年 77 巻 10 号 p. 1615-1624
    発行日: 1980/10/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    エラスターゼの合成基質succinyl-L-alanyl-L-alanyl-L-alanine-p-nitroanlideを分解する酵素活性を,血清,胆汁などの生体試料を用いて検討し,エラスターゼともエラスターゼ-α2マクロブリンとも異る酵素[tri-alanyl peptidase (TAP)と仮称]を見出した.TAPは閉塞性黄疽において血中の活性が上昇するだけでなく,血清,胆汁に対するdetergent処理,プロテアーゼ消化など細胞膜可溶化の処理により,LAP, γGTPと共に低分子化し,血中,胆汁中で肝細胞膜由来の物質と密接に関連して存在する事が推定され,この二つの性質から臨床的には新しい「胆管酵素」と考えられた.また,本酵素は同時に刷子縁ペプチダーゼの一つである可能性が示唆された.
  • 第II篇 膵線維化進行と膵血流変動
    井上 一知, 河野 保, 嶋 廣一, 金 輝次, 鈴木 敵, 戸部 隆吉, 矢島 治明
    1980 年 77 巻 10 号 p. 1625-1634
    発行日: 1980/10/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    膵管結紮により膵外分泌機能が遮断され膵線維化が進行するにつれて,膵血行動態はいかに変貌するのかを検索するために,水素ガスクリアランス式組織血流計を用いて膵基礎血流量を,交叉熱電対式組織血流計を用いてVIP及びセクレチン刺激による膵血流反応をそれぞれ観察した.単位膵重量当りの膵基礎血流量は,高度線維化膵においてもなお正常膵と同じくらいに十分維持されていた.VIPは高度線維化膵においても比較的良好な血流増加反応を保つていたが,セクレチンは軽度線維化膵においてすでに血流増加反応をほとんど消失していた.線維化が高度に進行しても,十分な膵基礎血流量と,VIP等による良好な血流反応により,ラ氏島よりのホルモンが門脈血中へと流出していくと思われた.
  • 石川 治, 松井 征雄, 青木 行俊, 岩永 剛, 寺沢 敏夫, 和田 昭, 建石 竜平, 明度 均
    1980 年 77 巻 10 号 p. 1635-1645
    発行日: 1980/10/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    膵癌および慢性膵炎の切除材料を用いて,正常膵および慢性膵炎の膵管上皮細胞と種々の組織型の膵癌細胞の細胞内粘液物質を組織化学的に検索した.その結果,正常膵の膵管上皮細胞では中性糖蛋白が主要成分であり,慢性膵炎の膵管上皮細胞や乳頭腺癌細胞ではこれに加えてsialic acidに富む酸性糖蛋白も認められた.さらに管状腺癌,特に組織学的に低分化で,癌間質線維増生の強いものでは,上記二者以外に硫酸化糖蛋白や酸性ムコ多糖類も高度に認められた.酸性ムコ多糖類に関してはchondroitin sulfate A, Cを主体とするもので,これらが膵癌での硬線維形成(desmoplasia)を促進している可能性について考察した.
  • 寒沢 貢治, 能登 陞, 松野 正紀
    1980 年 77 巻 10 号 p. 1646-1654
    発行日: 1980/10/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    種々の慢性膵炎における微小膵管系の変化を立体構築学的立場から検索し,膵炎の各種病因による差異を明らかにした.実験的膵管内石膏溶液注入例における膵線維化高度な部位では,膵管の増生と不連続性が著明で,両端が線維内で盲端となつて消失するものなど複雑な多分岐を示すのが特徴的であつた.臨床例におけるアルコール性膵炎例と特発性膵炎例においても同様に膵管増生と拡張,狭窄などがみられ,石膏注入例ときわめて類似した構築像を示した.これに対し,膵管完全結紮例と膵癌の随伴性膵炎例では,連続性の良好な単調な膵管増生であり,前三者とは明らかな差異がみられた.
  • 山田 伸夫, 福井 光治郎, 石井 公道, 柴田 久雄, 岡部 治弥, 大宮 東生, 松信 晶, 西島 正博
    1980 年 77 巻 10 号 p. 1655-1660
    発行日: 1980/10/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
  • 池田 昌弘, 笹本 和啓, 丹羽 寛文, 岡 博, 織田 敏次, 万代 恭嗣, 和田 達雄
    1980 年 77 巻 10 号 p. 1661-1665
    発行日: 1980/10/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
  • 岡崎 伸生, 大倉 久直, 向島 達, 吉野 正曠, 吉田 孝宣, 長谷川 博, 北岡 久三, 広田 映五
    1980 年 77 巻 10 号 p. 1666
    発行日: 1980/10/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
  • 岩渕 省吾, 水口 明洋, 岡部 和彦
    1980 年 77 巻 10 号 p. 1667
    発行日: 1980/10/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
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