日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
111 巻, 10 号
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総説
  • 三輪 洋人
    2014 年 111 巻 10 号 p. 1911-1922
    発行日: 2014/10/05
    公開日: 2014/10/05
    ジャーナル フリー
    食道知覚は食道への刺激が侵害受容体および一次・二次知覚神経を介して中枢へと伝達されて生じる.これが病的に過敏となった食道知覚過敏は,非びらん性胃食道逆流症や機能性食道疾患における症状発生に大きな役割を果たしているが,その発生には粘膜の炎症やストレスが関与している.また,これまで胸やけ症状は傷害された食道粘膜内に胃酸がしみ込んで生じるという「しみこみ説」で説明されていたが,最近では酸が物理的にではなく食道上皮からの炎症性メディエーターの放出を介して症状をおこす可能性が論じられている.一方,明らかな逆流性食道炎があっても症状を示さない患者群の存在が注目されている.このように食道知覚・知覚過敏に関する研究は急速に進展している.
今月のテーマ:食道運動機能から見た食道疾患
  • 眞部 紀明, 春間 賢
    2014 年 111 巻 10 号 p. 1923-1932
    発行日: 2014/10/05
    公開日: 2014/10/05
    ジャーナル フリー
    胃食道逆流症(GERD)の病態において食道運動機能は防御因子の1つとして重要な役割を担っている.特に下部食道括約部(LES)圧の低下,胃食道逆流をともなった一過性LES弛緩の出現率,ineffective esophageal motilityの出現頻度は重要である.近年開発されたhigh-resolution manometryとcombined impedance-manometryは,これまで評価できなかった運動機能の解析を可能にしており,今後,同手法を用いてGERDの病態がさらに解き明かされていくものと思われる.
  • 栗林 志行, 保坂 浩子, 川田 晃世, 中山 哲雄, 野中 真知, 石原 眞悟, 迫 陽一, 富澤 琢, 安岡 秀敏, 水出 雅文, 下山 ...
    2014 年 111 巻 10 号 p. 1933-1939
    発行日: 2014/10/05
    公開日: 2014/10/05
    ジャーナル フリー
    近年,食道内圧検査においてhigh resolution manometry(HRM)が開発され,従来の検査法に比べてより詳細に食道運動を評価することができるようになった.さらに,HRMを用いた新たな食道運動障害の分類であるシカゴ分類が提唱され,必ずしも食道内圧に精通していなくても食道運動を評価できるようになっている.さらに,HRMを用いるとさまざまな食道運動を評価することができるため,より詳細な病態生理の解明に役立つことが期待されている.ただし,HRMを行う際には注意すべき点もあり,それらの問題点を十分に理解していないと誤った診断をしてしまう可能性があるので注意が必要である.
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