RebamipideとEcabet sodiumの
13C-尿素呼気試験(UBT)に与える影響を検討した.無投薬では,赤外分光計により測定したUBT値は,平均4.4カ月の経過で有意な変化は認めなかった.器質的疾患を有さない
Helicobacterer pylori(
H.pylori)陽性患者21名に,RebamipideとEcabet sodiumの無作為割付を行い,28日間投与した,UBTは,投与前,投与14日目,28日目,投与中止14日目に施行した.RebamipideはUBT値に影響をおよぼさなかったが,Ecabet sodiumは,14日目でUBT値が有意に低下した(p=0.0113).また,Ecabet sodiumを投与した11例中1例に偽陰性を生じた.この影響は薬剤投与中止2週後には消失した.さらに,
H.pylori陽性ボランティアに対するクロスオーバー法による検討でも,Ecabet sodiumはRebamipideと異なり,UBT値を有意に低下させた(p=0.0058).以上より,Ecabet sodiumはUBTの正確性に影響を及ぼし,偽陰性を避けるためにUBT施行前には休薬期間を要することが明らかとなった.
抄録全体を表示