胆嚢pm癌11症例と微少ss癌 (浸潤面積0.5cm
2) 30症例の, 病理形態所見および生物学的態度を比較検討した. さらに, pm癌が早期癌として妥当か, 否かを再検討した. pm癌は, 微少ss癌に比し, 脈管侵襲 (9%対43%), リンパ節転移 (0%対9%) が低い傾向にあり, 5生率 (100%対73.3%) は有意に良好であつた. また, pm癌浸潤部は, 微少ss癌浸潤部に比し, 低分化型腺癌, 高異型度分化型腺癌の頻度が低い傾向にあつた. 従つて, pm癌を早期胆嚢癌とすることは妥当と考えられた. また, pm癌, 微少ss癌ともに, その浸潤部を特徴づける肉眼所見を必ずしも有しておらず, 両者を肉眼所見から推定することは困難であつた. このため, 正確な深達度診断には, 切除標本の全割切片による検索が必須と考えられた.
抄録全体を表示