日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
112 巻, 1 号
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特別寄稿―第100回総会会長講演―
  • 坂本 長逸
    2015 年 112 巻 1 号 p. 1-9
    発行日: 2015/01/05
    公開日: 2015/01/05
    ジャーナル フリー
    第100回日本消化器病学会総会が2014年4月23日から26日の日程で盛会裏に終了した.3日半にわたる会期の入場者は6675名で,過去最高の入場者数となった.本稿では第100回日本消化器病学会総会の記念事業,とりわけ記念式典,記念講演,特別企画パネルディスカッションを中心に振り返り,日本の消化器病学のあゆみパネルや歴代会長パネル作成などを紹介するとともに,初代会長長與稱吉に加えて,戦前に開催された日本消化器病学会総会で合計20回にわたる会長を務めた平山金蔵,南大曹についても紹介する.最後に私の研究についても少し紹介した.
総説
  • 山下 太郎, 金子 周一
    2015 年 112 巻 1 号 p. 10-17
    発行日: 2015/01/05
    公開日: 2015/01/05
    ジャーナル フリー
    肝細胞癌は世界で年間約70万人が罹患する第3の癌死亡原因であり,現在本邦では年間約3万人が死亡する.多くはウイルス性慢性肝炎,肝硬変を背景に発症するが,近年明らかな肝炎ウイルス感染をともなわない非B非C型肝細胞癌の増加が報告されている.発癌メカニズムとしてはウイルス遺伝子や蛋白に加え,繰り返す壊死,炎症,再生を背景にさまざまな異常が細胞に蓄積し,前癌病変から高分化型肝癌,進行肝癌へ進行すると考えられる.分子生物学的アプローチの進歩により肝細胞癌で認められる遺伝子変異,遺伝子/蛋白発現パターン,悪性形質や微小環境変化の多様性が明らかとされ,再発形式や薬剤感受性との関連について現在解析が進められている.
今月のテーマ:肝癌治療の最前線
  • 池田 健次
    2015 年 112 巻 1 号 p. 18-23
    発行日: 2015/01/05
    公開日: 2015/01/05
    ジャーナル フリー
    2013年よりバイポーララジオ波凝固療法が使用可能となり,腫瘍に触れないで複数の電極針を結節周囲に配置して焼灼するno touch ablation手技を通して,大型焼灼域作製・肝癌播種・再発率低減などを目指す工夫が可能となった.中期進行肝癌に対しては,マイクロバルーンカテーテルによるバルーン閉塞下肝動脈化学塞栓療法が行われるようになり,2014年からはビーズ製剤が登場し,TACE治療の選択ツールが増加した.抗癌剤選択に加えて,個々の腫瘍に対してこれらの治療手技をどのように使い分けるかが大きな課題である.進行肝癌に対する持続動注化学療法や分子標的薬に関しては,最近は目新しい話題は見られないが,門脈浸潤例や合併症による治療困難症例に対する放射線治療(粒子線・定位放射線)の有用性に期待がもたれる.
  • 青木 優, 高山 忠利
    2015 年 112 巻 1 号 p. 24-31
    発行日: 2015/01/05
    公開日: 2015/01/05
    ジャーナル フリー
    本稿ではまず肝細胞癌の外科治療の現況について,肝切除の適応,術式決定,および肝切除の出血コントロールと肝離断法について述べた.さらに最近のトピックスとなっている術中超音波とエラストグラフィの肝臓外科領域への応用,ラジオ波焼灼療法(RFA)との治療成績の比較,および腹腔鏡下肝切除,再発肝癌に対する治療および再発抑制について,最新の知見を踏まえて概説した.肝切除は安全な手術となった現在,oncological outcomeの向上に向けてさらなる進歩が期待される.
  • 菅原 寧彦, 田村 純人, 國土 典宏
    2015 年 112 巻 1 号 p. 32-36
    発行日: 2015/01/05
    公開日: 2015/01/05
    ジャーナル フリー
    肝移植は肝障害度Cでミラノ基準内の65歳以下の肝細胞癌症例に対して推奨されている.生体肝移植ではミラノ基準を拡大する条件でも適応とすることがある.1989年から2005年の本邦での生体肝移植653例の成績は,5年生存率でミラノ基準合致症例78%,逸脱症例60%であった.
座談会
症例報告
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