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西崎 朗, 坂本 長逸, 誉田 芳孝, 中野 修, 長尾 宗彦, 的崎 尚, 馬場 茂明
1989 年 86 巻 11 号 p.
2517-2522
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
モルモット単離胃底腺を作成し, palmitate, 12-O-tetradecanoyl phorbol-13-acetate (TPA), dibutylyl cyclic AMP (dbcAMP) の胃粘膜 phosphatidylcholine (PC) 合成への効果を検討した. Palmitate, TPAは用量及び時間依存性に〔
3H〕choline のPCへのとりこみを刺激した. あらかじめ〔
3H〕choline で単離胃底腺を標識しておいても, palmitate 10
-3M, TPA1.6×10
-6MはPC合成を経時的に有意に増加し, 一方で phosphocholine を有意に減少し, CDP-choline を有意に増加した. 従つて palmitate, TPAはPC合成律速酵素であるCTP: phosphocholine cytidylyltransferase (CTF) の活性化を介してPC合成を刺激すると思われた. 一方 dbcAMP には, PC合成刺激作用を認めなかつた.
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アラニン負荷試験による評価
宮城 直泰
1989 年 86 巻 11 号 p.
2523-2531
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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肝大量切除後の残存肝の糖新生予備能の推移を雑種成犬を用いてアラニン負荷試験 (A. T. T) により検討した. 44%並びに70%肝切除後1週におけるATT後30分の血糖上昇はそれぞれ切除前の58%と24%にあたり, 残存肝容量にほぼ一致した. 70%肝切除1, 2, 3, 4週後のATT後30分の血糖上昇は, それぞれ切除前の24, 22, 53, 80%であり, 4週後で初めて切除前に近い回復を示した. 同様にインスリン反応も低下したが, 基本的には肝再生各時期の血糖上昇度に依存し, グリカゴン反応は術後1週目に著明に亢進した. 本法は障害肝並びに肝切除後残存肝の糖新生予備能の評価, 及び膵ホルモン応答を調べる上で有用である.
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石上 佳孝, 三善 英知, 益沢 学, 加藤 道夫, 寺田 昭, 奥山 卓正, 田村 和也, 畠中 陳夫, 森田 純央, 船橋 修之, 林 ...
1989 年 86 巻 11 号 p.
2532-2539
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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2波長分光原理を生体に応用し, 肝機能測定用色素であるインドシアニン•グリーン (ICG) を非侵襲的に正確に測定出来るフィンガー•ピース法を開発し, その臨床への応用を検討した. 血中のICG濃度は ICG bolus injection 後20秒から40秒後に急激に立ち上がつた後急速に減少し始めるが, 注入後60秒から70秒後には再循環によると思われる濃度変化を認めた. ICG注入後5分から15分後まで毎秒1点, 計600点の測定データーから最小自乗法を用いて求めた血中消失率 (XK ICG) と従来法による血中消失率 (K ICG), 本法による血中停滞率 (XR15) と従来法による血中停滞率 (R15) との間には有意の正の相関関係が認められ, 本法は肝機能疾患検査法として有用と考えられた.
以上の様に, フィンガー•ピース法は従来測定が困難だつた注入直後から15分にわたる連続的な血中ICG濃度を正確に反映するため, 従来のICG検査法に代わり得る有用な検査法と考えられた.
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アルカリ溶出法によるDNA一本鎖切断検出
宮崎 耕治, 呂 明徳, 堤 宣翁, 永渕 一光, 中野 修治, 中山 文夫
1989 年 86 巻 11 号 p.
2540-2544
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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胆道癌の発癌物質を短期に検出するために, 培養胆道上皮細胞を用いて, 切断されたDNA鎖のアルカリ及び中性溶出法を試みた. 胆道上皮細胞は in vitro で活発に増殖するため, そのDNAを〔
14C〕thymidine で前標識し, これを標的とした発癌物質によるDNA鎖切断を放射活性として測定することが可能であつた. aflatoxin B
1 (AFB
1), 20-methylcholanthrene (MCA) 及び dimethylnitrosamine (DMN) のウシ胆管上皮細胞に対するDNA損傷性について, 本法によりDNA一本鎖切断を惹起することが認められた. 培養胆道上皮細胞/アルカリ溶出法は, 鋭敏かつ臓器特異性を保持した胆道発癌物質の検出法と考えられる.
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青木 俊親
1989 年 86 巻 11 号 p.
2545-2555
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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ハムスター胆嚢の収縮•拡張における形態学的変化を検討した. 1) 粘膜ヒダは, 収縮時に丈が高くなり, 拡張時に消失した. 2) 粘膜上皮細胞は, 収縮•拡張により細胞の高さと幅が変化した. 3) 粘膜上皮直下の毛細血管は小孔を有し, 特に, 上皮側の内皮細胞には多数の小孔を認めた. 血管の立体構築形態は粘膜ヒダの変化に対応して変化した. 4) リンパ管は, 胆嚢の収縮•拡張によりリンパ管腔の形態の変化が認められ, 胆嚢壁の運動が, リンバ流に対してポンプ的作用を持つことが示唆された. 5) 筋層の平滑筋細胞は多くの細胞間接着装置を有していたが, 神経筋接合部は少なかつた. 収縮に関して体液性因子, 神経因子の複雑な関与が考えられた.
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寺島 裕夫, 跡見 裕, 黒田 慧, 森岡 恭彦, 池北 雅彦, 青木 一正, 鎌田 雅史, 木付 和幸, 守屋 寛
1989 年 86 巻 11 号 p.
2556-2565
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
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ヒト膵臓性カリクレインの測定系確立のための基礎研究として, ヒト膵組織より, リン酸緩衝液抽出後, 一連の液体クロマトグラフィー操作を経て膵臓性カリクレインを精製した. 得られた標品はSDS-PAGE法で単一バンド, 分子量52000, HPLC法 (ゲル濾過) で単一ピーク, 分子量48000であつた. 自動分析装置によるN-末端アミノ酸配列の結果は, 遺伝子工学的分析によるヒト膵臓性カリクレインのそれと一致した. ヒト尿性カリクレインとは各種プロテアーゼ阻害剤に対する挙動が一致し, 免疫学的交差性も認められた. レクチンを用いた分析により, ヒト膵臓性, ヒト尿性, ヒト唾液性の各カリクレインには糖鎖構造の違いが認められ, 糖鎖構造の差異に起因するヒト組織性カリクレインの臓器特異性が存在することが確認された.
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多田 稔, 横須賀 収, 小俣 政男, 大藤 正雄, 磯野 可一
1989 年 86 巻 11 号 p.
2566-2571
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
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膵腫瘍19例につき, Ras 遺伝子の point mutation の有無を検索した. Ras 遺伝子 (H-, K-, N-ras) はコドン12, 13, 61の塩基の point mutation (1個の塩基変換) により発癌遺伝子としての能力を得ると考えられている. パラフィン切片組織より polymerase chain reaction (PCR) 法で3種類の Ras 遺伝子のコドン12, 13, 61の周囲のDNAを増幅し direct sequencing 法で塩基配列を決定する方法で point mutation の有無を解析した. 膵腫瘍19例のうち通常の膵管癌17例 (粘液産生膵癌2例を含む) では全例にK-rasコドン12に point mutation を検出した. なお島細胞腫2例はH-, K-, N-ras のいずれもコドン12, 13, 61に point mutation を認めなかつた.
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中村 理恵子, 宮坂 京子, 船越 顕博, 木谷 健一, 久山 泰, 五関 謹秀, 紀 健二, 都留 正展, 深沢 俊男
1989 年 86 巻 11 号 p.
2572-2578
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
ラットの遊離膵腺房を用いた bioassay 法により各種消化器疾患における空腹時血漿中CCK-8様活性を測定し, RIA法による測定値と比較した. CCK-8様活性は正常値0.40±0.06pM (M±SE) に対し肝硬変では0.92±0.14pMと有意に上昇していた. また, 原発性胆汁性肝硬変や閉塞性黄疸を伴う総胆管結石と胆道系悪性腫瘍においては1.88pMから25pM以上の著しい高値を呈した. これら高値を示した症例では bioassay 法によるCCK様活性とRIA法による測定値の間には明かな相関はみられなかつた. 胆汁排出障害時に認められるCCK-8様活性の上昇には, 血中に, bioassay に干渉し見かけ上CCK-8様活性を増加させる物質の存在が関与していると考えられた.
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菊池 弘美, 齋藤 博, 中島 均, 宇野 良治, 鈴木 和夫, 佐野 正明, 棟方 昭博, 吉田 豊
1989 年 86 巻 11 号 p.
2579-2582
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
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小井戸 一光, 岡田 邦明, 渡辺 雅男, 佐藤 隆啓, 夏井 清人, 大村 卓味, 宮川 宏之, 近間 敏治, 塚越 洋元, 八百坂 透, ...
1989 年 86 巻 11 号 p.
2583-2586
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
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佐藤 純一, 安藤 洋子, 久保 起与子, 広岡 昇, 北沢 栄次, 町井 彰, 村上 義次, 瀬尾 威久, 相楽 裕子, 新田 義朗
1989 年 86 巻 11 号 p.
2587-2591
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
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加納 隆, 高橋 健, 永木 正仁, 小島 孝雄, 森 厚, 大西 弘生, 木村 健, 武藤 泰敏
1989 年 86 巻 11 号 p.
2592-2596
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
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込山 賢次, 森本 晉, 里井 重仁, 小川 亮, 金崎 章, 坪井 良真, 宇井 忠公, 間瀬 豊, 田中 照二
1989 年 86 巻 11 号 p.
2597-2601
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
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後藤 充男, 小松 眞史, 八木澤 仁, 大山 幸子, 正宗 研
1989 年 86 巻 11 号 p.
2602-2605
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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石崎 陽一, 伊藤 徹, 柴山 和夫, 高見 実, 島田 和明, 野村 祐二, 下村 一之, 出月 康夫, 寺野 彰
1989 年 86 巻 11 号 p.
2606-2610
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
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河合 勉, 廣瀬 雄一, 相野田 隆雄, 宮崎 吉規, 山本 安幸, 池田 昌弘, 赤羽 賢浩, 藤野 雅之, 鈴木 宏, 松本 由朗, 須 ...
1989 年 86 巻 11 号 p.
2611-2616
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
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吉田 直哉, 上野 幸久, 住野 泰清, 若林 巳代次, 跡部 俊彦
1989 年 86 巻 11 号 p.
2617-2621
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
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曽我 憲二, 鶴谷 孝, 豊島 宗厚, 相川 啓子, 柴崎 浩一, 松木 久, 川合 千尋, 朝倉 均
1989 年 86 巻 11 号 p.
2622-2626
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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秋本 真寿美, 重本 六男, 川村 雅枝, 山懸 英晴, 栗原 毅, 高田 茂登子, 三輪 洋子, 赤上 晃, 勝 健一, 山内 大三, 前 ...
1989 年 86 巻 11 号 p.
2627
発行日: 1989年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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