日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
104 巻 , 7 号
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総説
  • 平田 一郎
    2007 年 104 巻 7 号 p. 987-993
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/07/05
    ジャーナル フリー
    大腸癌診療のトピックスとして,特に大腸癌スクリーニングとサーベイランスについて著者らの検討も含めて総説的に述べた.現在,大腸癌スクリーニングは便中Hbを検査対象としたFOBTが一般的であるが,腸内細菌による変性を受けやすく偽陰性化がおこりやすい.また,このために感度を上げると偽陽性が増え特異度に問題が生じる.スクリーニングの精度向上のために,Hb以外の便中マーカー(Tf, Lf, α2マクログロブリン,COX-2, DAF,癌関連遺伝子など)が検討されている.また,MD-CTによるcolonographyも侵襲度が少なく,FOBTより精度が高く大腸以外の臓器も含めた癌スクリーニングができるため,その利用が期待されている.大腸腫瘍内視鏡治療後のサーベイランスに関しては,米国では2006年にmeta-analysisによって検討された大腸ポリペクトミー後のサーベイランス改訂指針が出されている.本邦でも,大腸癌治療ガイドラインの中で大腸癌内視鏡治療後のサーベイランスに関する指針が示されているが経験的事実によるもので前向き試験によるものが望まれる.
  • 奥村 利勝
    2007 年 104 巻 7 号 p. 994-1001
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/07/05
    ジャーナル フリー
    消化器生理機能調節に関与する中枢神経系の役割を最近の自験の知見を基に概説した.アポリポプロテインA-IV(アポA-IV)による脳を介した胃酸分泌·胃排出の抑制は,脂肪食摂取時の胃機能抑制にアポA-IVがエンテロガストロンとして中枢神経系を介しダイナミックに関与する可能性を示唆する.Pancreatic polypeptide(PP)による膵外分泌抑制作用は脳相刺激で分泌刺激された膵液が過分泌しないように膵臓から産生されるPPが脳に作用して膵臓を防御する機能を示唆する.オレキシンによる胃酸分泌亢進作用は,併せ持つ摂食促進作用を考慮すると,パブロフが提唱した脳相刺激分泌の脳内トリガー分子である可能性を示唆する.
今月のテーマ:大腸癌における最新の知見
  • 山岸 秀嗣, 福井 広一, 藤盛 孝博
    2007 年 104 巻 7 号 p. 1002-1007
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/07/05
    ジャーナル フリー
    内視鏡学の進歩により大腸癌の診断および内視鏡的治療は進歩したが,同時に,大腸pSM(pathological findings SM)癌の取扱いに関するコンセンサスの確立が必要となった.一方,進歩した内視鏡学を用いてもいまだ潰瘍性大腸炎に発生する大腸癌(colitic cancer)の診断は苦慮する状況である.大腸pSM癌の取扱いについては,癌浸潤距離測定と簇出の診断が治療方針の決定に重要であり,coliticcancerの診断については,内視鏡診断学の確立と同時に遺伝子学的なマーカーの確立が必要である.
  • 工藤 進英, 水野 研一
    2007 年 104 巻 7 号 p. 1008-1017
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/07/05
    ジャーナル フリー
    大腸癌の重要性が増している昨今において,正確な診断と治療法選択の重要性も増してきている.内視鏡観察法として拡大内視鏡観察によるpit pattern分類により腫瘍·非腫瘍鑑別のみならず,その深達度まで診断が可能となってきた.また新たな内視鏡観察法として近年注目されているnarrow band imaging(NBI)systemによる大腸腫瘍の観察所見や組織像に近い画像が得られる超拡大内視鏡所見などを駆使することにより,更に正確な診断が可能となることが期待される.
  • 河村 裕, 小西 文雄
    2007 年 104 巻 7 号 p. 1018-1024
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/07/05
    ジャーナル フリー
    大腸癌の外科的治療および化学療法に関するトピックスを概説した.外科的治療法としては,腹腔鏡手術が次第に普及しつつある.大腸癌症例を対象とした無作為化試験の成績がいくつか報告され,腹腔鏡手術と開腹手術の成績は,ほぼ同等のようである.今後,さらに腹腔鏡手術数が増加すると考えられる.直腸癌に対しては,術前放射線化学療法により,局所制御率が向上することが知られている.治療効果と有害事象とのバランスを考えて適応を決定することが重要と考えられる.化学療法に関しては,従来のフッ化ピリミジン系薬剤に加えて新薬が登場し,現在では静脈ポートを留置した外来での化学療法(FOLFOX,FOLFIRI)が主流となりつつある.さらにキメラ抗体を用いた治療も開始され,治療成績の向上が期待される.
座談会:大腸癌における最新の知見
原著
症例報告
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