-
奥村 文浩, 妹尾 恭司, 吉田 道弘, 宮部 勝之, 内藤 格, 田中 創始, 林 香月, 安藤 朝章, 中沢 貴宏, 大原 弘隆, 濱口 ...
2009 年 106 巻 12 号 p.
1736-1743
発行日: 2009年
公開日: 2009/12/07
ジャーナル
フリー
症例は72歳,女性.近医でアミラーゼ高値を指摘された.上部消化管内視鏡検査では十二指腸下行脚に3型の腫瘍を認め,生検で腺癌と診断された.CT,MRIでは粘液癌が疑われ,亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行した.術中,腹膜播種を認めた.病理組織診断は,原発性十二指腸癌,粘液癌であり,副膵管内腫瘍栓をともなっていた.術後,化学療法を施行することにより2年8カ月生存した.
抄録全体を表示
-
仲村 将泉, 小橋川 嘉泉, 田村 次朗, 高木 亮, 大城 勝, 又吉 亮二, 平田 哲生, 金城 福則, 藤田 次郎
2009 年 106 巻 12 号 p.
1744-1750
発行日: 2009年
公開日: 2009/12/07
ジャーナル
フリー
症例は79歳女性.上行結腸癌,多発肝転移で切除不能と診断し,全身化学療法を開始した.mFOLFOX6を投与終了後2日目に意識障害を認めた.アンモニア121 μg/d
lと高値を認め,5-fluorouracilによる高アンモニア血症と診断した.肝性脳症改善アミノ酸注射液の点滴静注にて,意識は清明になった.5-fluorouracilによる高アンモニア血症の報告は少なく,重要な副反応として報告する.
抄録全体を表示
-
世古口 悟, 奥山 祐右, 榎 泰之, 川上 巧, 冨江 晃, 山田 展久, 寄木 浩行, 福居 顕文, 服部 武司, 鎌田 和浩, 戸祭 ...
2009 年 106 巻 12 号 p.
1751-1757
発行日: 2009年
公開日: 2009/12/07
ジャーナル
フリー
症例は64歳男性.排便時肛門部痛を主訴に受診し下部直腸に径6.3×4.5×5.8 cm大の腫瘤を認め,中リスクのGISTと診断した.患者は肛門温存を希望したためメシル酸イマチニブを400 mg/日で開始した.症状は軽快し腫瘍も縮小したため肛門温存縮小手術が可能となった.Neoadjuvant therapyが奏効すれば,根治性を保ちつつ肛門機能を温存できる可能性が示唆される.
抄録全体を表示
-
山田 晃弘, 酒匂 赤人, 西村 崇, 中島 亮, 尾上 淑子, 藤谷 啓一, 津田 尚法, 朝山 直樹, 矢田 智之, 白井 聖一, 赤澤 ...
2009 年 106 巻 12 号 p.
1758-1763
発行日: 2009年
公開日: 2009/12/07
ジャーナル
フリー
症例は45歳.男性.同性愛者.主訴は褐色尿と全身倦怠感.黄疸,肝機能障害を認め,B型急性肝炎およびHIV感染症と診断した.経過観察にて肝炎の重症化が危惧されたためエンテカビル(ETV)内服を開始した.B型急性肝炎は鎮静化したが,HIV-RNA量の低下を認め,ETVによる抗HIV活性の存在が示唆された.
抄録全体を表示
-
清水 香里, 中島 宗敏, 藤本 真澄, 鶴田 正太郎, 森田 茂樹, 古河 隆二, 森 雅一
2009 年 106 巻 12 号 p.
1764-1769
発行日: 2009年
公開日: 2009/12/07
ジャーナル
フリー
症例は73歳,男性.主訴は意識障害.血中アンモニア濃度が上昇(156 μg/d
l)していたが慢性肝疾患はなく,腹部造影CTにて下腸間膜静脈∼右内腸骨静脈に短絡路を認めた.同短絡路による脳症はまれであり,本例は右内腸骨静脈経由でバルーン下逆行性経静脈的塞栓術(B-RTO)を行った最初の症例であるが,治療から5年経過後も再発は認めていない.
抄録全体を表示
-
福田 慎一郎, 矢野 公士, 大畑 一幸, 野中 孝一, 立山 雅邦, 田浦 直太, 小森 敦正, 阿比留 正剛, 八橋 弘, 伊東 正博, ...
2009 年 106 巻 12 号 p.
1770-1777
発行日: 2009年
公開日: 2009/12/07
ジャーナル
フリー
症例は47歳,女性.HCV抗体,HBs抗原ともに陰性.人間ドックでAFP高値を認め,精査目的で紹介となった.腹部造影CT,上部消化管内視鏡,PET/CTで異常を認めなかった.腹部MRI上,下大静脈と肝S1に接して腫瘍性病変を認め,肝細胞癌,副腎腫瘍を疑い腫瘍摘出術を行った.病変は,肝臓と下大静脈右側面に接した腫瘍で,病理学的に肝被膜と腫瘍被膜との連続性はみられず,組織学的に副腎とも区別されたため,異所性肝細胞癌と診断した.腫瘍摘出後AFP,PIVKA-IIともに低下し,経過も良好である.
抄録全体を表示
-
大田 悠司, 笹田 雄三, 仲程 純, 松橋 亨, 小出 茂樹, 菊山 正隆
2009 年 106 巻 12 号 p.
1778-1782
発行日: 2009年
公開日: 2009/12/07
ジャーナル
フリー
34歳,女性.大酒家.主訴は,黄疸,全身倦怠感.白血球増多,プロトロンビン活性の低下を認めた.肝病理検査では肝小葉内に著明な多核白血球の浸潤,マロリー体がみられた.また,腎障害の合併もみられ,重症型アルコール性肝炎と診断した.白血球増多が持続したが,顆粒球除去療法により白血球は減少し,全身状態の改善がみられた.顆粒球除去療法を含めた集学的治療により救命しえた重症型アルコール性肝炎の1例を経験したので報告する.
抄録全体を表示
-
林 毅, 石渡 裕俊, 吉田 真誠, 庵原 秀之, 村松 博士, 加藤 淳二, 木村 康利, 長谷川 匡
2009 年 106 巻 12 号 p.
1783-1791
発行日: 2009年
公開日: 2009/12/07
ジャーナル
フリー
症例は31歳女性,心窩部痛で発症し膵炎にともなう仮性嚢胞と診断され加療を受けるが,症状の改善がないために当科へ紹介となった.当院で施行した画像検査では,嚢胞性病変は膵粘液性嚢胞腫瘍に特徴的な所見を有していたことから切除するに至った.病理組織診は膵粘液性嚢胞腺腫であった.嚢胞内に出血の痕跡が明らかとなり,短期間での形態変化は出血にともなう変化であると推測した.
抄録全体を表示