Indocyanine green (ICG) 血中消失率 (K) のきわめて低値を示めす健康女性 (ICG異常症例) に遭遇し, その障害の原因を解明する目的で, 肝疾患を主とする症例ならびに健康対照者57例について, Kの測定にひきつづきICGの肝臓最大排泄能 (Tm) と比較的貯蔵能 (S) の測定を行ない, さらに,
198Au colloid及び
131I-rose bengalの血中消失率 (K
AU, K
RB) も一部症例で同時に測定した.同一条件下でえられたKとTm, S, K
AuならびにK
RBとの関係を検討し, KはTmよりもSと, K
AuよりもK
RBとより高い相関々係を示した.このことよりKは肝循環や胆道系通過の状態の影響もうけるが, それ以上に肝細胞自体の摂取と貯蔵の状態を表現するものと考えられた.ICG異常症例はSがきわめて低い特異な症例であつた.
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