日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
113 巻 , 6 号
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特別寄稿
総説
  • 三輪 洋人
    2016 年 113 巻 6 号 p. 919-926
    発行日: 2016/06/05
    公開日: 2016/06/05
    ジャーナル フリー
    機能性ディスペプシア(FD)は,最近まで慢性胃炎という保険病名で治療されてきた.2013年3月にアコチアミドが承認され,FDという保険病名が誕生し,また2014年4月に日本消化器病学会のFD診療ガイドラインが発刊された.これらを契機にFD診療が大きく変わることが期待されたが,300床規模の一般病院での調査では,FD患者はガイドライン発刊後でも相変わらず慢性胃炎や逆流性食道炎の診断名で治療されており,実際にFDという病名が使用されていたのは数%と極めて少なかった.FDという病名が普及し,ガイドラインが利用されることによりさらに科学的にディスペプシアを診断・治療することが期待され,この病名のさらなる普及が望まれる.
今月のテーマ:ガイドライン後の機能性ディスペプシア診療を考える
  • 二神 生爾, 山脇 博士, 橋本 知実, 岩切 勝彦
    2016 年 113 巻 6 号 p. 927-935
    発行日: 2016/06/05
    公開日: 2016/06/05
    ジャーナル フリー
    機能性ディスペプシア(Functional Dyspepsia;FD)患者に対する治療薬acotiamideの登場により,FD診療の環境が整ってきた.H. pylori関連性FDの概念も注目され,心窩部痛症候群患者の病態として,膵機能異常が併存している可能性がある.また,FDの責任臓器として十二指腸粘膜が注目されており,炎症細胞の浸潤と粘膜透過性の亢進などの病態が注目されている.また,胃-十二指腸運動を制御するgut hormone分泌の起点としても重要である.機能性消化管障害において重要な役割を果たしている,脳腸相関についても解明が進んでいる.
  • 鈴木 秀和
    2016 年 113 巻 6 号 p. 936-946
    発行日: 2016/06/05
    公開日: 2016/06/05
    ジャーナル フリー
    機能性ディスペプシア(FD)では,器質的疾患がないにもかかわらず,食後の胃もたれ,早期飽満感,心窩部痛,心窩部灼熱感などの胃・十二指腸症状を呈する疾患で,食後の胃もたれや早期飽満感を呈する食後愁訴症候群と,心窩部痛や心窩部灼熱感を呈する心窩部痛症候群の2つに亜分類される.最近,H. pylori陽性で除菌により症状が改善する場合,H. pylori関連ディスペプシアとする疾患概念が構築された.FD治療は,説明・保証,生活指導を行った上で,酸分泌抑制薬,消化管運動機能改善薬,漢方薬などの薬物治療が施されるが,いまだ十分な治療体系が確立されたとはいえず,今後のさらなる研究開発が重要である.
  • 金子 宏, 福井 義一
    2016 年 113 巻 6 号 p. 947-958
    発行日: 2016/06/05
    公開日: 2016/06/05
    ジャーナル フリー
    ガイドラインでは,治療抵抗性機能性ディスペプシア(FD)で心理社会的因子の関与が強い場合に,心療内科的治療(自律訓練法,認知行動療法,催眠療法など)が専門治療に位置づけられた.長期的な効果が期待できるのが催眠療法であり,うつ病への保険適用もあり聞き慣れた心理療法が認知行動療法といえる.両者の過敏性腸症候群への有効性のエビデンスは多いが,FDでは乏しい.自律訓練法は心療内科ではリラックス法として広く普及しているが,FDへの有効性は未知数である.エビデンスの蓄積と実践可能な体制づくりが期待される.被虐待歴などのトラウマがFDに関連することがあるが,ガイドライン改訂の際には有効なトラウマ治療の記載が適切であろう.
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