欧米ではBarrett腺癌の増加が著しく,本邦でも報告例が増加している.
Barrett食道癌の発生母地であるBarrett食道はSEBEを含めても集検例の6.1%,医療施設の受診例では20.1%であった.
欧米では,Barrett食道からの腺癌の発生は0.5%,食道癌全体の半数をしめているが,本邦ではまだ少なく,われわれの施設で食道癌全体の0.9%を占めるに過ぎず,1973年から2005年までの報告例は431例であった.Barrett腺癌についてその診断面では,拡大内視鏡やNBI,治療面ではEMR, ESDが進歩·普及しつつある.
Barrett食道の発生,定義,Barrett腺癌の発生,サーベイランス,精密診断,治療法など,まだまだ数多くの問題点が残されている.
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