検診受診者891名について, 性, 年齢, 現在および過去の喫煙, 現在の飲酒のそれぞれが血清PG I値, II値およびPGI/II比に対して与える影響を, Mann-Whitney
U test, 単回帰および重回帰分析を用いて検討した. また喫煙および飲酒の程度(量および期間)と血清PG値との相関分析も行った. 男性は女性よりも血清PG I値は高値だったが, 重回帰分析の結果, 男女間に有意差はなかった. 加齢とともに血清PG II値は有意に増加し, PGI/II比は有意に減少した. 現在および過去の喫煙, 現在の飲酒により, 血清PG I値は増加したが, 重回帰分析の結果それらの影響は有意ではなかった. したがって, 血清PG法を胃癌のスクリーニングに用いる場合のカットオフ値の設定に際し, 年齢は考慮する必要があるが, 性・喫煙習慣・飲酒習慣などについてはその必要性は少ないと思われた.
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