十二指腸炎を臨床的には臨床症状, X線診断, 内視鏡診断, 生検組織診断に生検標本の拡大観察による微細粘膜像および微細血管像の検討, 更に酵素学的検索を加味し, 総合的な見地からその本態にアプローチを試みた.
また基礎的には雑種成犬に化学的十二指腸炎を惹起せしめ同様の検討を行なつた.
i) 十二指腸炎の生検組織診断を細胞の種類, 程度から我々の基準を作成した.
ii) 十二指腸炎の内視鏡的分類として, びらん型, 過形成型, 萎縮型に分類した.
iii) 十二指腸粘膜のAl-p活性は炎症性変化の経時的変遷とともにその局在性にも変化を及ぼす.
iv) 一般に十二指腸粘膜のAl-p活性値は, 萎縮型では低値を示し, 過形成型では正常に近い値を示した.
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