従来, 困難とされていた Billroth II 法切除胃例の内視鏡的膵•胆管造影を20例に試み, 15例の退影に成功した. 側視式十二指腸ファイバースコープ (JFtype B) では, 5例中3例の退影に成功し, 膵管像は3例, 胆管像は1例に得られた. 直視式上部消化管ファイバースコーブ (GIF typeD, D
2) では, 14例中12例の退影に成功し, 膵管像は10例, 胆管像は7例に得られ, 5例では膵, 胆管ともに退影された. 手技的には, 1) 胃空腸吻合部より輸入脚への挿入, 2) トライツを越えること, 3) 肛側からの cannulation の3点が困難で, これらの手技の問題点について述べた. 本法は, 今後, 器械の改良, 手技の熟達などにより, 比較的容易に実施されるようになり, 胃切除後症候群, 輸入脚症候群などへの内視鏡的アプローチも可能になるものと思われる.
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