日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
96 巻 , 8 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 下瀬川 徹, 豊田 隆謙
    1999 年 96 巻 8 号 p. 923-932
    発行日: 1999/08/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    1980年FurchgottとZawadziが,アセチルコリンの血管弛緩作用は内皮から分泌される未知の物質によることを偶然発見し,内皮由来血管拡張因子(EDRF)と命名してから既に20年近くが経とうとしている.1987年,EDRFの本体が一酸化窒素(NO)であることが確定されたが,我々の身体の中で“気体”が細胞間の重要な伝達物質,あるいは保護作用や障害作用を有する分子として働くという新しい概念は,当初,なかなか理解しにくいものだった.過去12年間のこの分野の研究は目覚ましく,現在では,生体機能および病態を考える上で,その普遍性のゆえに,NOの役割について言及することはむしろ不可欠のこととなっているように思われる.本稿では,NOの一般的な解説と,NOが膵の外・内分泌機能に及ぼす作用を簡単に述べ,膵疾患として膵炎,膵癌とインスリン依存型糖尿病を取り上げ,NOの病態における役割について概説する.
  • 菊地 徹, 加藤 勝章, 大原 秀一, 関根 仁, 有川 正志, 鈴木 達彦, 今野 豊, 野口 謙治, 齊藤 道也, 齋藤 行世, 下瀬川 ...
    1999 年 96 巻 8 号 p. 933-940
    発行日: 1999/08/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    Helicobacter pylori感染胃粘膜における炎症細胞浸潤動態とケモカインの発現の関連を検討した.H.pylori陽性慢性胃炎症例の前庭部粘膜標本では,IL-8タンパク量とMPO活性,RANTESのタンパク量とその標的細胞であるメモリーTリンパ球数と好酸球数は,H.pylori陰性で組織学的にも胃炎を認めない健常例に比べて有意に高値となった.除菌後,好中球浸潤は速やかに消退し,IL-8タンパク量とMPO活性は健常例と同程度にまで減少した.一方,除菌後も単核球浸潤は残存し,RANTESの発現とメモリーTリンパ球数,好酸球数も同様に健常例に比べて有意に高値となった.以上より,H.pylori感染胃粘膜の除菌前後の炎症細胞浸潤動態とケモカインの発現は密接に関連していることが示された.
  • 太田 宏信, 黒田 兼, 真船 善朗, 吉田 俊明, 上村 朝輝, 相場 哲朗, 石原 法子
    1999 年 96 巻 8 号 p. 941-946
    発行日: 1999/08/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    AFP産生胃癌の肝転移巣の血管造影像および治療成績について検討した.対象は当院で経験したAFP産生胃癌肝転移症例6例で,6例中3例の肝転移巣は血管造影上微細な血管が放射状に増生し,円形に一様に染まる花火のような特徴的な像を呈した.この花火状濃染像を示した3例に対し肝動脈塞栓術(TAE)を施行したが2例で短期間ながら抗腫瘍効果がみられた.
  • 米田 諭, 吉川 正英, 小林 洋三, 山根 佳子, 中谷 敏也, 岩澤 秀, 西村 公男, 渡邉 巌, 阪口 晃行, 児島 佑, 中野 博 ...
    1999 年 96 巻 8 号 p. 947-952
    発行日: 1999/08/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    症例は71歳,男性.心窩部不快感および食欲不振が持続するため入院となった.上部消化管内視鏡検査にて,Borrman 3型胃癌を認めた.経過中,血小板低下,溶血性貧血,腎機能障害,意識障害,発熱が出現し,血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)と診断した.血漿交換を施行し,これらの症状が改善した後,胃全摘術を施行した.悪性腫瘍症例に血小板低下をみた際には,DICの鑑別疾患としてTTPも念頭に置く必要があると考えられた.
  • 難波 美津雄, 佐久間 威之, 依田 紀仁, 松本 光正, 山口 紀子, 金子 広美, 佐々木 欣郎, 砂川 正勝, 西川 真史, 平林 か ...
    1999 年 96 巻 8 号 p. 953-958
    発行日: 1999/08/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    症例は55歳,女性.平成7年7月頃より食欲不振,全身倦怠,貧血を認め精査にて胃癌の診断で胃全摘術を施行した.その際,Treitz靭帯直下の空腸に全周性の腫瘤を認め,空腸部分切除も施行した.胃癌は低分化腺癌,空腸は高分化腺癌であった.平成9年4月の定期検査にて横行結腸右側に2個のpolypを認めpolypectomyを施行した.各々,高分化,中分化腺癌を含む腺腫内癌でm癌であった.
  • 石川 伸久, 渕上 忠彦, 田畑 寿彦, 小林 広幸, 堺 勇二, 飯塚 佳彦, 佐藤 茂, 永江 隆, 菊池 陽介, 長村 俊志, 中島 ...
    1999 年 96 巻 8 号 p. 959-963
    発行日: 1999/08/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    症例は64歳男性.膀胱腫瘍の術前検査(無症状)として胃小腸X線検査を施行し,上部回腸に透亮像を認めた.ゾンデ法小腸X線検査では,病変はほぼ全周性に存在し管腔の狭小化を認めたが,硬化像はなく伸展性は比較的良好であり,隆起表面は平滑で明らかなびらんや潰瘍の形成は認めず柔らかい粘膜下病変が考えられた.確定診断に至らず膀胱全摘時に小腸部分切除術を施行.切除標本では,病変は大きさ5.5×3cm,柔らかい黄白色調の全周性隆起性病変で透明感を有していた.病理組織診断にて海綿状リンパ管腫と診断した.
  • 淺井 聖子, 山本 修, 深原 俊明, 工藤 敏文, 堀 光, 兼信 正明, 加藤 奨一, 鹿野 信吾, 上西 紀夫
    1999 年 96 巻 8 号 p. 964-968
    発行日: 1999/08/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    Chlamydia trachomatis (ChT)感染による腹痛例11例を保存的治療群と手術群に分け検討した.血清学的診断法にて感染の存否を判定し,激烈な右季肋部痛で発症した7例と,腹腔鏡下に肝右葉被膜と壁側腹膜の線維性の癒着(violin-string adhesion)を認めた2例をFitz-Hugh-Curtis症候群(FHCS)と診断した.近年のChT感染症の蔓延に伴い急増し,迅速適切な診断と治療を必要とする本疾患を若干の文献的考察を加え報告する.
  • 吉川 一紀, 津村 裕昭, 黒目 学, 迫本 実, 田中屋 真智子, 植松 周二, 高橋 浩一, 山本 剛壮, 三上 素子, 横崎 宏, 田 ...
    1999 年 96 巻 8 号 p. 969-972
    発行日: 1999/08/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    47歳男性が下血のため入院し,下部消化管内視鏡検査にてBauhin弁より口側6cmにある回腸憩室からの消化管出血と診断された.開腹による回盲部切除では同部位の憩室に魚骨の刺入がみられ,病理学的には刺創周囲に化膿性炎症と血管破綻像をともなう真性憩室であった.大変まれな魚骨による回腸末端の真性憩室からの消化管出血と診断され,若干の文献的考察を加えて報告する.
  • 安藤 達也, 山中 若樹, 田中 恒雄, 田中 渉, 安井 智明, 山中 潤一, 黒田 暢一, 岡田 敏弘, 洪 基浩, 岡本 英三, 杉原 ...
    1999 年 96 巻 8 号 p. 973-976
    発行日: 1999/08/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    71歳の男性で膵頭部癌の診断にて膵頭十二指腸切除術を施行したが,病理診断にて膵内分泌腫瘍と膵外分泌腫瘍の両成分の混在する膵併存腫瘍と診断された.組織学的にduct-islet cell carcinomaであり,ホルモン学的にはsomatostatin染色が陽性であった.当症例は免疫学的染色の発達にともない,症例数の増加が予測されるが,現在のところ,膵併存腫瘍全体で16例のみ報告される非常に珍しい疾患群である.
  • 上野 秀樹, 白鳥 敬子, 清水 京子, 林 直諒, 今泉 俊秀, 高崎 健, 小林 槇雄
    1999 年 96 巻 8 号 p. 977-979
    発行日: 1999/08/05
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
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