日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
113 巻 , 9 号
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総説
  • 江畑 智希, 水野 隆史, 梛野 正人
    2016 年 113 巻 9 号 p. 1525-1532
    発行日: 2016/09/05
    公開日: 2016/09/05
    ジャーナル フリー

    肝門部胆管癌は「肝門部での胆管閉塞」という特徴を呈する胆管癌である.肝内・肝外胆管の境界は臨床例では不明瞭なことがあるため,肝門部胆管癌には肝外胆管癌と肝門部胆管に浸潤した肝内胆管癌を含む可能性がある.特に,肝内胆管癌(腫瘤形成型)が肝門部胆管に浸潤した事例の扱い方には議論がある.胆道癌取扱い規約はかかる病変を肝門部胆管癌に含めるべきと考え,新たに肝門部領域胆管癌を提唱した.一方,肝癌取扱い規約では,明らかな肝腫瘤をともなうものはすべて肝内胆管癌とし,肝門部胆管癌とは独立した疾患であるという立場である.両者は視点の差により対立しているため,一部の病変は二重の病期分類が可能である.

今月のテーマ:肝内胆管癌と肝門部胆管癌の差異を明らかにする
  • 真口 宏介, 潟沼 朗生, 高橋 邦幸
    2016 年 113 巻 9 号 p. 1533-1540
    発行日: 2016/09/05
    公開日: 2016/09/05
    ジャーナル フリー

    鑑別が問題となるのは肝門に浸潤した肝内胆管癌と肝門部胆管癌であり,両者の比較では性別,症状などに差がみられるほか,肝内胆管癌ではリンパ節転移が多く,胆管内腫瘍栓を形成する例があるなど,臨床病理学的に差がある可能性がある.しかし,肝内胆管癌の診断に重視していた肝内腫瘤が肝実質かグリソン内かの判定が難しい例,病理学的にも区別困難な例が存在する.規約改訂により肝門部領域胆管が定義され,肝内腫瘤の有無にかかわらず肝門部領域胆管癌として広く扱うことになった.診断は容易となるが,2つの疾患の集合である可能性を考慮した症例集積は必要である.術前胆道ドレナージについては,両者とも残存予定肝へのENBDが第一選択に位置する.

  • 遠藤 格, 松山 隆生, 森 隆太郎
    2016 年 113 巻 9 号 p. 1541-1549
    発行日: 2016/09/05
    公開日: 2016/09/05
    ジャーナル フリー

    肝内胆管癌は,肝内小型胆管から発生するいわゆる末梢型肝内胆管癌と,肝内大型胆管から発生してしばしば胆管周囲浸潤によって肝門部に浸潤する肝門浸潤型肝内胆管癌に分けられる.肝門部胆管癌は肝外胆管から発生した腫瘍であるがときに肝実質浸潤をきたすため,鑑別に苦慮することも多い.肝門部胆管癌と肝門浸潤型肝内胆管癌および末梢型肝内胆管癌には,臨床病理学的にも生物学的悪性度にも差異を認め,予後規定因子も異なる.将来,いくつかの遺伝子の変異パターンによって胆管癌の新たなsubtypeに再分類されると思われる.

  • 青木 琢, 窪田 敬一
    2016 年 113 巻 9 号 p. 1550-1556
    発行日: 2016/09/05
    公開日: 2016/09/05
    ジャーナル フリー

    胆道癌取扱い規約第6版に肝門部領域胆管癌の概念が導入されたため,原発性肝癌取扱い規約第6版が規定する肝内胆管癌との間に差異が生じている.両規約の境界に相当する,肝門付近に主座を置く胆管癌において,両者の鑑別は画像上容易ではなく,行われる術式も同じである.そのため,両者を区別する必要はないとの立場と,従来通り可能な限り区別すべきとの立場の両者が存在するのが現状である.一方,最近肝内胆管癌の側からは,発生母地となる胆管枝やリスクファクターの有無による発癌形式,進展形式の違いに関する遺伝子レベルの検討が進んでおり,将来的には肝外胆管・肝内胆管とは異なる新たな胆管癌の区分が見出される可能性がある.

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