日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
85 巻 , 4 号
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  • 鈴木 雅之, 末松 誠, 三浦 総一郎, 永田 博司, 森下 鉄夫, 織田 正也, 土屋 雅春
    1988 年 85 巻 4 号 p. 835-842
    発行日: 1988年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    血管運動性擾乱による微小循環障害に基づく急性胃潰瘍を作成し, 活性酸素産生源として重要である xanthine-xanthine oxidase 系と胃微小循環内好中球の動態を検討した. 一定のストレスとして反復電気刺激を胃小弯側小動脈に加えると胃粘膜血流量は著しく変動し, 刺激30分後, 好中球活性酸素産生能の亢進, 胃粘膜中 myeloperoxidase 活性, hypoxanthine の増加, xanthine oxidase 活性の亢進と共に潰瘍が形成された. superoxide dismutase, chlorpromazine, allopurinol はこれらの変化を抑制した. 以上より, 微小循環障害は局所の ischemia-reperfusion の繰り返しを惹起し, これを基盤とした急性胃粘膜病変形成を来たした. この際, 病変局所の xanthine oxidase と好中球に起因する活性酸素産生が重要であると考えられた.
  • 船越 顕博, 篠崎 博嗣, 中野 逸郎, 伊藤 鉄英
    1988 年 85 巻 4 号 p. 843-846
    発行日: 1988年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    半消化態低残渣性栄養剤 (Clinimeal) を健常人に三重管を用い十二指腸内投与し, 膵外分泌反応, 胆嚢収縮, 各種膵-消化管ホルモン分泌動態について検討した. Clinimeal 注入直後より血糖, インスリン, Cholecystokinin (CCK) の有意上昇を認め, 注入終了後には基礎値に戻つた. Pancreatic polypeptide (PP) も注入により有意上昇し, 終了後も上昇が持続した. 一方, ガストリンは変動を示さなかつた. Clinimeal 注入により膵外分泌 (液量, アミラーゼ, 重炭酸) の亢進, 胆嚢収縮を認め, 血漿CCK濃度と平行して変動した. 以上の結果より, Clinimeal 経十二指腸投与直後の血漿CCKの生理的上昇による膵外分泌反応, 胆嚢収縮, さらに投与終了後の血漿PP高値持続によるこれらの反応の抑制という生体の一連の消化機構の発動が伺われた.
  • 小森 宗治
    1988 年 85 巻 4 号 p. 847-854
    発行日: 1988年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    人の正常大腸粘膜および大腸癌や潰瘍性大腸炎 (UC) の各粘膜組織内 ribonuclease (poly Case, poly Uase) 活性を合成基質 poly C, poly Uを用いて測定した. 正常大腸粘膜では, 直腸で poly Case が結腸群に比し高活性値を示す傾向にあつた. 癌およびUCの炎症組織で poly Case 活性は低値を示し, さらにUC組織では炎症が強くなるに従つてその活性値は低下していた. これは癌組織では非特異的な合成の減弱が, 炎症組織では合成の低下, RNA代謝の亢進, poly Case 含有細胞の減少等の要因が考えられた. Poly Uase 活性は, 三者に差はなかつた. 以上のような poly Case 活性の変動は, 癌あるいは炎症の組織内で核酸代謝異常が存在することを強く示唆するものであつた. また臨床病理学的には炎症の組織化学的指標の一つになり得るのではないかと考えられた.
  • 山下 裕一, 磯本 浩晴, 掛川 暉夫
    1988 年 85 巻 4 号 p. 855-862
    発行日: 1988年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    ブタ回腸粘膜内のニューロテンシン (NT) の抽出効果を8種類の抽出法について, 3種類の異なつた抗体を用いたラジオイムノアッセイ法を使用し検討した.intactNT の抽出には, 回腸粘膜をホモジナイズ後に煮沸する抽出法群が, 煮沸後にホモジナイズする抽出法群より高い値を示した. N端様免疫活性物質の抽出には, 抽出群による差異は認めなかつた.
    intactNT は, 2.0M酢酸で抽出する方法が最も高値 (平均79.1pmol/g) を示し, 蒸留水で抽出する方法が最も低値 (平均65pmol/g) を示した. N端様免疫活性物質については逆の結果が得られた. そして, 合成NT1-13とNT1-8を用いた回収試験でも同様の結果であつた. 一方, C端様免疫活性物質は, 今回の検討では, その存在を確認できなかつた.
    以上より, 回腸粘膜内のNTには分子多様性があり, 抽出に当つてはNTの分子型に適した抽出操作を行う必要があると考えられた.
  • 澤 美彦, 岡上 武, 金岡 彦治, 加知 一友, 太田 義治, 森本 道雄, 香川 恵造, 結城 武彦, 瀧野 辰郎, 阿部 芳道, 太田 ...
    1988 年 85 巻 4 号 p. 863-870
    発行日: 1988年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    アルコール性肝障害 (ALD) の門脈圧上昇の成因を明らかにするために, 8症例のALDについて肝細胞腫大, 中心静脈周囲の線維化を中心に検討した. 同一のALD患者で禁酒直後と肝機能障害改善期に肝組織診を施行し, 肝細胞面積と中心静脈周囲の線維化について定量的解析と共に肝内門脈圧測定を行い, 両者の変化を比較検討した. 肝細胞腫大は門脈域に比べ中心静脈域の肝細胞に有意に強かつた. 線維化の軽度なALDでは, 禁酒による肝細胞腫大の改善に伴い肝内門脈圧の低下を認めたが, 線維化の進んだALDでは肝細胞腫大の改善を認めても肝内門脈圧は著変を示さなかつた. 以上より, 線維化の進んでいないALDでは肝細胞腫大が門脈圧上昇の主因となるものと考えた.
  • 荒瀬 康司, 熊田 博光, 池田 健次, 中村 郁夫, 茶山 一彰, 斉藤 聡, 郡司 俊秋, 村島 直哉, 竹内 和男, 中島 正男, 吉 ...
    1988 年 85 巻 4 号 p. 871-875
    発行日: 1988年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    GPTが高値で変動するe抗体持続陽性慢性肝炎で1年以上の間隔をあけて2回以上肝生検を施行しえた15例の組織学的予後を検討した. 15例のGPTの50KU以上の部分の積算値を重量法により測定し, 基準GPT (=50KU) 積算値の倍数 (M) で表示し, これに肝生検間の観察期間 (月) を掛けたZ値と組織学的予後との関係について retrospective に比較検討した. 15例中, 組織学的に改善例6例, 不変例4例, 悪化例5例であり, 改善例のZ値は-54.3±50.8, 不変例のZ値は-15.6±27.6, 悪化例のZ値は92.8±58.1であり, 改善例, 不変例のZ値と悪化例のZ値との間には有意差が認められた (p<0.05). e抗体持続陽性慢性肝炎でもGPTが高値を継続する症例ではZ値が高値を示し, 組織学的に悪化する可能性があるため, 何等かの治療によりGPTの低下に努める必要があると考えられた.
  • 今井 康晴
    1988 年 85 巻 4 号 p. 876-885
    発行日: 1988年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    B型慢性肝炎51例, 無症候性HBs抗原 carrier 33例のIgM HBc抗体を経時的に測定した結果, 各々66.5% (789検体中525検体), 3.1% (98検体中3検体) に検出された. IgM HBc抗体の cut-off index は組織学的活動性の高い症例で高値を示し, そのような症例では肝内HBc抗原が細胞質と細胞膜に局在する傾向を認めた. 急性増悪時IgM HBc抗体の peak がsGPTの peak に遅れる型が40%, sGPTの前後に出現する型が12%, 両者同時型が13%であつた. IgM HBc抗体持続陽性の慢性肝炎例は陰性化例に比し肝硬変へ進展した例が多く, 組織学的予後は不良であつた. IgM HBc抗体はB型慢性肝炎の活動性, 肝内HBVの増殖態度と密接に関連し, 予後の推定にも有用と考えられた.
  • 高清水 一善, 山中 昭良, 武永 強, 山田 昌弘, 佐々部 正孝, 田村 裕子, 山本 信彦, 黒沢 弘之進, 藤本 秀明, 大草 敏史 ...
    1988 年 85 巻 4 号 p. 886-894
    発行日: 1988年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    肝細胞癌に対する経皮的エタノール注入療法の基礎的検討として家兎正常肝に無水エタノールを1ml注入し, 壊死作用とその後の経過を検討した. 肉眼的観察では注入直後では直径約1cmの範囲にわずかな白色調の変化をみたのみだが, 5日後では凝固壊死による白色の部分が最大径約4cmと増大していた. 病理組織学的には注入直後に類洞の拡張, 5日後では血栓の器質化, 辺縁3層構造 (壊死組織, 肉芽組織, 健常様肝組織), 28日後では辺縁の線維化などが認められた. エタノール局所注入には浸透による直接作用および血栓作成に基づく循環障害による強い壊死効果があることが判明し, 家兎正常肝では3ヵ月で壊死部はほぼ吸収され小瘢痕組織となつた.
  • 岡橋 誠
    1988 年 85 巻 4 号 p. 895-903
    発行日: 1988年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    ラットに17α-ethinyl estradiol (EE) を5mg/kg•BW 5日間投与し, 外胆瘻ラットにおける胆汁中コレステロールおよび胆汁酸の排泄, 胆汁酸プールサイズ, また肝灌流実験における〔3H〕コレステロール標識LDLの胆汁中への排泄を測定し, EEの胆石形成促進作用との関連を検討した. EE投与によりコール酸のプールサイズおよび胆汁中排泄が著明に低下した. この成績はEEの内因性コレステロール合成抑制作用に基づく結果であると考えられた. またLDL-遊離コレステロールの胆汁中排泄についてみると, EE投与によりコレステロールとしての排泄量は変化しなかつたにもかかわらず, 胆汁酸としての異化排泄量は低下していた. EEのこれらの作用により胆汁中コレステロールの相対的濃度の増加が惹起され胆石生成が促進される可能性が示唆された.
  • 米田 政志, 玉沢 直樹, 牧野 勲, 武部 和夫
    1988 年 85 巻 4 号 p. 904-909
    発行日: 1988年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    3-keto-5β-Δ4-dehydrogenase を用いた酵素法による血中3-keto 胆汁酸の簡易測定法を開発した. 本法は反応特異性, 再現性, 測定感度, 正確度がいずれも満足すべきものであり, さらにガスクロマト分析値とも良く近似し, 血中3-keto 胆汁酸濃度の測定に有用であることを確認した.
    本法を用いて3,7,12-triketo 胆汁酸であるデヒドロコール酸1gを正常人と肝硬変症に経静脈投与し, その血中動態を比較検討した. 正常人では投与1分後364.6μMの高値から速やかに血中より消失し, 20分後37.1μM, 30分後14.6μMとなるが, 肝硬変症では, 正常人に比べてクリアランスは有意に低下しているのを認めた.
  • 平根 敏光, 赤保内 良和, 細川 寿和, 森 正光, 谷内 昭
    1988 年 85 巻 4 号 p. 910-917
    発行日: 1988年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    われわれは, 内視鏡的膵管内膵液採取法を用いて急性膵炎および慢性膵炎患者の純膵液を採取し, その膵液中の免疫グロブリンを測定した. その方法として, 既報のRIA法および新しく開発したPINS plate を用いるEIA法にて各クラス免疫グロブリンを測定した. 両測定法は有意な相関関係を示した. 慢性膵炎患者の膵液中における主体をなす免疫グロブリンはIgAであり, その分子性状は, およそ半分は polymer 型IgAであつた. これは, 局所産生性を強く示唆するものと考えられた. 一方, 急性膵炎患者の膵液中における主体は, IgGであり, 又IgAにおいては monomer 型IgAが優位となつており, これらの所見より血清からの漏出が考えられた.
  • 谷 聡, 大槻 眞, 岡林 克典, 中村 隆彦, 藤井 正俊, 藤澤 貴史, 岡 徹, 馬場 茂明
    1988 年 85 巻 4 号 p. 918-923
    発行日: 1988年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    ラットに種々の濃度のセルレイン (Cn) 0.1~100μg/kg体重を単回あるいは反復皮下注射して膵液及び膵蛋白分泌量を測定した. Cn 0.1μg/kg投与群では膵外分泌反応はCn投与直後に極く軽度の増加が認められるだけであつたが, Cn 1.25~10μg/kg投与群ではCn投与直後に前値の8~24倍と著明に増加し以後漸減する1峰性の反応をみた. 一方, Cn 20~100μg/kg投与群ではCn投与直後の軽度の増加反応に加え, 60~80分後にも4~16倍の再増加反応を示す2峰性の反応様式が認められた. 第1の反応はCn 1.25μg/kgで最大反応を示しそれ以上の濃度では減少し, 第2の反応はCn 20μg/kgで最大となり更に高濃度では減少した. 次にCn 20μg/kgを60分後反復皮下注射すると第2の増加反応は有意に抑制された. 本研究の結果, Cnの皮下注射による膵外分泌反応はCnの濃度により異なる反応様式 (1峰性, 2峰性) を呈することが示された.
  • 中澤 三郎, 山雄 健次, 山田 昌弘, 内藤 靖夫, 木本 英三, 乾 和郎, 林 芳樹, 加納 潤一, 三竹 正弘, 小塚 貞雄
    1988 年 85 巻 4 号 p. 924-932
    発行日: 1988年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    膵臓の mucinous cystic tumor 11例と mucous-producing tumor 18例の計29例を対象に, その腫瘍の主たる占居部位により主膵管型, 分枝型, 末梢型に分け, 肉眼所見, 男女比, 十二指腸乳頭所見, 膵管造影所見, 病理組織所見などを中心に比較検討した. 三者の病理組織所見はほぼ同一であり, また肉眼所見, その他の所見上の差異も基本的な相違点ではなく, 程度の差と考えられた. 以上の検討から, 三者は統一した疾患概念で捉えることが可能であり, その名称としては, 本腫瘍の機能的側面と形態的側面の双方を表現できる mucin-producing cystic tumor (MCT) of the pancreas なる名称が適当であると思われた.
  • 鄭 容錫, 田中 肇, 仲田 文造, 日裏 彰人, 西脇 英樹, 佐竹 克介, 梅山 馨
    1988 年 85 巻 4 号 p. 933-938
    発行日: 1988年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    人膵癌細胞を免疫原として作成した単クローン抗体Span-1抗体を用いて, sandwich RIA法を確立し, 併せて本法を用いて膵癌を含む消化器癌患者血中のSpan-1抗原を測定した. 健常人(n=82)の平均血中Span-1抗原値は68.7units/mlで全例400units/ml未満であり, 今回400units/ml以上を陽性とした. 疾患別陽性率は膵癌: 90%(n=79), 肝胆道癌: 59%(n=44), 胃癌: 14%(n=182), 大腸癌: 13%(n=50), 他臓器癌: 10% (n=30), 良性消化器疾患: 5% (n=86) であつた. また, 治療経過による血中Span-1抗原値の推移が確認された. 免疫交叉性はCA19-9と部分的にみられたが, Dupan-2, CA125とはほとんど認められなかつた. 以上, 血中Span-1抗原は sandwich RIAによる測定は, 膵癌を主とした消化器癌の診断, 治療経過のモニターとして有用であると考えられた.
  • 竹村 俊樹, 岩本 有代, 谷川 徹, 田井中 憲三, 森田 豊, 伊谷 賢次, 中埜 幸治, 吉川 敏一, 杉野 成, 近藤 元治
    1988 年 85 巻 4 号 p. 939-943
    発行日: 1988年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
  • 井上 義朗, 長崎 明男, 那須 宏, 島 仁, 五十嵐 潔, 大高 道郎, 荒川 弘道, 正宗 研, 上坂 佳敬, 吉江 雅信
    1988 年 85 巻 4 号 p. 944-947
    発行日: 1988年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
  • 樋口 和秀, 松本 誉之, 荒川 哲男, 北野 厚生, 名倉 宏, 小林 絢三
    1988 年 85 巻 4 号 p. 948
    発行日: 1988年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
  • 野上 誠, 星原 芳雄, 粒良 邦彦, 山本 敬, 田淵 正文, 宮本 昭正, 志賀 淳治
    1988 年 85 巻 4 号 p. 949
    発行日: 1988年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
  • 浅香 正博, 三谷 紗貴子, 吉田 純一, 斉藤 雅雄, 目黒 高志, 武田 宏司, 大滝 敏裕, 西川 秀司, 木村 宗士, 小山 稔, ...
    1988 年 85 巻 4 号 p. 950
    発行日: 1988年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
  • 藤井 康史, 児玉 治, 田中 恒夫, 市場 康之, 土肥 雪彦
    1988 年 85 巻 4 号 p. 951
    発行日: 1988年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
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