日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
117 巻, 12 号
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今月のテーマ(総論):Interventional EUS最近の進歩
  • 中井 陽介, 小池 和彦
    2020 年 117 巻 12 号 p. 1025-1032
    発行日: 2020/12/10
    公開日: 2020/12/10
    ジャーナル フリー

    Interventional EUSは,低侵襲な代替ドレナージ法として開発されたが,EUSガイド下胆道ドレナージは,ERCP困難例のみならず初回治療の報告も増えている.またlumen apposing metal stentの開発により,胃空腸吻合術など新しい手技も開発されつつある.近年はドレナージだけでなく,EUSガイド下薬物注入療法やラジオ波焼灼療法などの抗腫瘍療法や,静脈瘤治療など血管内インターベンションも報告されている.このように,interventional EUSは開発から30年に満たない手技であり,手技の一般化やエビデンスの構築など課題も残されているが,今後さらに適応・手技の拡大が期待される.

今月のテーマ(総説):Interventional EUS最近の進歩
  • 北野 雅之, 江守 智哉
    2020 年 117 巻 12 号 p. 1033-1044
    発行日: 2020/12/10
    公開日: 2020/12/10
    ジャーナル フリー

    近年,超音波内視鏡(EUS)下ドレナージ術によるさまざまな治療手技が報告されてきている.経乳頭的内視鏡的胆道ドレナージ術が困難な閉塞性黄疸症例に対する治療として,EUS下胆管ドレナージ術が行われている.胆囊ドレナージの標準治療は経皮経肝的胆囊ドレナージであるが,内瘻化が可能という点から患者の背景・状態によってはEUS下胆囊ドレナージ術が1つの選択肢となる.主膵管狭窄をともなう慢性膵炎や膵管空腸吻合部狭窄に対する経乳頭的内視鏡処置が困難な症例に対して,EUS下膵管ドレナージ術が代替治療となり得る.EUS下ドレナージ術は処置具の開発にともない,より安全・確実に施行可能となり,将来適応がさらに広がることが期待される.

  • 糸井 隆夫, 祖父尼 淳, 土屋 貴愛, 石井 健太郎, 永川 裕一
    2020 年 117 巻 12 号 p. 1045-1052
    発行日: 2020/12/10
    公開日: 2020/12/10
    ジャーナル フリー

    胃排出路閉塞(gastric outlet obstruction;GOO)は,良性疾患では胃十二指腸潰瘍や急性膵炎などで,悪性疾患では胃癌,十二指腸癌や膵胆道癌の進行にともない,しばしば認められる.現在,保険収載されているGOOに対する治療としては,外科的胃空腸バイパス術と内視鏡的胃十二指腸ステント留置術がある.近年,内視鏡技術が発展しており,胃空腸バイパス術としてこれまでに,NOTES(natural orifice translumenal endoscopic surgery)によるバイパス,磁石圧迫吻合術を用いたバイパス,および超音波内視鏡(EUS)下バイパスが試みられている.この内視鏡的バイパスの中では,EUS下胃空腸バイパス術が最も期待できるGOOに対する治療法である.

  • 入澤 篤志, 永島 一憲, 飯島 誠
    2020 年 117 巻 12 号 p. 1053-1061
    発行日: 2020/12/10
    公開日: 2020/12/10
    ジャーナル フリー

    近年のinterventional EUSの発展は目覚ましく,最近では孤立性胃静脈瘤や難治性消化管出血などの血管病変に対しても,EUSを用いた治療(EUS-guided vascular therapy;EUS-VT)が行われている.これまでの報告では,組織接着剤(cyanoacrylate),硬化剤,血管塞栓用コイルなどが注入・留置されており,良好な成績が示されている.そのほかには,門脈ステント留置,門脈静脈短絡路形成など,従来から経皮・経静脈的に施行されている手技についてもEUSが応用されてきている.EUS-VTは,EUSに求められる新たな役割として,今後の発展が期待できる治療法である.

  • 小倉 健, 樋口 和秀
    2020 年 117 巻 12 号 p. 1062-1072
    発行日: 2020/12/10
    公開日: 2020/12/10
    ジャーナル フリー

    超音波内視鏡(endoscopic ultrasound;EUS)は,今や胆膵疾患の診断のみならず治療を行う上で欠かせないモダリティである.特にEUS下胆道ドレナージ術に代表されるinterventional EUS(IV-EUS)は新たな治療法として注目されている.IV-EUSでは,臓器間に瘻孔が形成される.内視鏡的ネクロゼクトミーは,急性膵炎後合併症に対する瘻孔形成後治療として最も広く行われている手技であり,その他,胆管や膵管―消化管瘻孔形成後の治療も試みられている.本総説では,本手技に関する代表的な論文をreviewしながら,IV-EUSによる瘻孔形成後治療について概説する.

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