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加藤 明之, 中村 裕之, 中村 秀喜, 野原 聖一, 大村 健二, 宗本 義則, 小田 誠
1992 年 89 巻 2 号 p.
469-476
発行日: 1992年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
振動ストレスによつて生じる急性胃病変の発生機序を解明するため, ラットにおいて振動による胃病変の発生と胃粘膜血流量および血中諸指標の応答を拘束水浸によるものと比較した. 振動と拘束水浸は, 同程度の胃病変をもたらしたが, 胃粘膜血流量については, 振動は増加を, 拘束水浸は減少をもたらした. 迷走神経切離は拘束水浸による胃粘膜血流量低下と胃病変発生を抑制したが, 逆に振動による胃粘膜血流量の低下を助長させ, 胃病変発生を抑えることはできなかつた. 以上の結果より, 振動ストレスによる胃病変発生の主なる成因は, 物理的ストレスとして中枢を介さず, 胃に対する直接的作用であることが示唆された.
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I. 組織構築と形態学的定量分析
及川 隆司
1992 年 89 巻 2 号 p.
477-485
発行日: 1992年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
大腸癌併存例を含む潰瘍性大腸炎切除症例6例の全割標本を作製し, 核腺管係数 (ING) の測定および癌と dysplasia の空間的配置を検討した. 深達度sm以上に浸潤した大腸癌, 腺腫, 正常大腸粘膜を対照として用いて dysplasia と比較検討した. INGは, severe dysplasia, moderate dysplasia ではsm以上に浸潤した大腸癌と同じく, 腺腫より有意に高かつた(P<0.01). また, severe dysplasia は潰瘍性大腸炎症例のsm以上に浸潤している癌と同じであり, moderate dysplasia より有意に高かつた(P<0.01). severe dysplasia はINGの計測で, 粘膜内癌であるとみなされ, sm以上に浸潤した癌の周囲に高率にみられ, 浸潤癌と空間的に繋がりがみられた. moderate dysplasia の細胞異型度は severe dysplasia と腺腫との中間であつた.
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峯森 清春, 中條 忍, 馬場 忠雄, 細田 四郎
1992 年 89 巻 2 号 p.
486-492
発行日: 1992年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
慢性関節リウマチの治療薬である経口金製剤 auranofin (以下AF) を含む電解質溶液でラット空腸を潅流し, 水及び電解質のネットの輸送量と空腸粘膜のNa
+, K
+-ATPase 活性, c-AMP及びc-GMP濃度について検討した. また小腸単離細胞を用いてfura-2-acetoxyl-methyl ester (fura-2/AM) による細胞内Ca
++濃度の変動をも検討した. AFは水及び電解質輸送を有意に減少させたが, その機序として潅流早期には細胞内Ca
++濃度の上昇, 潅流後期にはNa
+, K
+-ATPase 活性低下及びc-AMP濃度上昇が関与していた. したがつてAFによる下痢発現には, 細胞膜ならびに細胞内メディエーターが, 時期を異にして関与していることが明らかになつた.
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田中 一成, 村田 賀子, 柳井 秀雄, 沖田 極
1992 年 89 巻 2 号 p.
493-497
発行日: 1992年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
生検あるいは polypectomy により得られた各種大腸病変86症例のパラフィン切片におけるproliferating cell nuclear antigen (PCNA/cyclin) 陽性細胞の分布を免疫組織化学的に検討した. 正常粘膜においては, 陽性細胞はおおむね増殖帯に一致して分布し, 過形成でもほぼ同様であつた. これに対して, 腫瘍性病変では, 陽性細胞の分布が表層部に向かつて拡大する傾向がみられた. さらに, 良性病変に比べて, 境界病変•腺癌では, より浅層への拡大や表層部への露出もみられる傾向が認められた(χ
2: P<0.01). 以上の結果, PCNA染色法は増殖細胞に特異的であり, 大腸の腫瘍性病変における良•悪性判別のための簡便な補助手段として有用である可能性が示唆された.
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Single Photon Emission CTによる検討
東 正祥, 柏木 徹, 大畑 裕之, 内藤 雅文, 奥野 敦史, 金 邦源, 松田 裕之, 藤田 峻作, 満谷 夏樹, 小泉 岳夫
1992 年 89 巻 2 号 p.
498-502
発行日: 1992年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
肝硬変36例を対象に内視鏡的食道静脈瘤硬化療法 (EIS) 前後における門脈血行動態の変化とEIS後の食道静脈瘤の再発との関連を in vivo 赤血球標識による腹部の血液プール Single Photon Emission CT (SPECT) を用いて検討した. EIS施行前に coronary vein (CV) が認められた34例中EIS後にCVの消失や減少が観察されたのはそれぞれ9例 (26.5%), 15例 (44.1%) であつた. 食道静脈瘤の再発はCVの消失, 減少例でそれぞれ9例中1例 (11.1%), 15例中6例 (40%) に対し, 不変例では10例中9例 (90%) であり, 減少例の方が有意に再発が少なかつた (P<0.05). 従つて, EIS前後における血液プールSPECTによる門脈循環動態の観察はEISの効果判定や予後推定に有用と考えられた.
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齋藤 勝彦, 河野 尚子, 中沼 安二
1992 年 89 巻 2 号 p.
503-510
発行日: 1992年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
コラーゲン•ゲル上に微小なマウス胆嚢粘膜片 (microexplant) を移植し, 上皮細胞をゲル上に培養する培養法を確立した. 上皮細胞は microexplant を中心にゲル上を周囲に向かつて単層性に進展増殖し, 間質細胞は上皮下からゲル内に侵入, 増殖した. 上皮細胞は0.31±0.02mm/日の割合で進展し, 4週間以上の長期培養が可能であつた. 進展先端の辺縁部ではBrdU陽性S期細胞が密在し, 増殖が活発であつた. 細胞形態は辺縁部では扁平であつたが, 中心部では立方~低円柱状で, 極性の分化や粘液産生が見られ, in vivo の胆嚢上皮に類似した形態と機能が認められた. 本培養法は, 胆道系上皮の機能と形態を in vitro で研究する上で, 簡便で有用な培養法と考えられた.
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榎本 一裕, 舩冨 等, 小川 正純, 中野 幾太, 新川 淳一, 八田 善夫, 中村 健一
1992 年 89 巻 2 号 p.
511-516
発行日: 1992年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
ラット ethionine 急性膵炎の修復過程を
3H-proline を用いコラーゲン, 非コラーゲン蛋白代謝の面から検討した. コラーゲン代謝は急性膵炎早期から亢進し, その後の実質細胞再生のための基盤を形成する上で重要と考えられた. また, 回復期にも軽度亢進したが, これは最終的な障害膵の修復に際し, 過剰のコラーゲンを排除するための反応とも考えられた. 非コラーゲン蛋白合成は4日目より著明に亢進し, 12日目まで持続した. 初期の亢進は膵実質細胞の再生, その後は再生された細胞の成熟に関係していると考えられた. 以上より, 急性膵炎修復過程において, まず間葉系反応がみられ, 次いで, 実質細胞の再生が活発となり, 最終的には蛋白合成亢進により修復が完了すると考えられた.
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的崎 尚, 坂本 長逸, 西崎 朗, 誉田 芳孝, 中野 修, 松田 康平, 和田 謙, 鈴木 稔也, 内田 亨, 長尾 宗彦, 春日 雅人
1992 年 89 巻 2 号 p.
517-521
発行日: 1992年
公開日: 2007/12/26
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Cholecystokinin (CCK) による phosphatidylcholine (PC) 合成の抑制機序を明らかにする目的で, ラット膵腺房小葉を用いCDP-choline pathway に関与するPC合成酵素に対するCCKの効果を検討した. CCKはPC合成の律速酵素である cytidylyltransferase (CTF) の活性を cytosolic fraction と particulate fraction の両方において抑制した. 一方, CCKは choline kinase や phosphocholine-transferase の活性には影響を与えなかつた.〔
3H〕myristic acid を用いてPCを標識するとCCKはやはり〔
3H〕PCの合成を抑制したが, 同時に〔
3H〕diacylglycerol (DAG) のPCへの incorporation を抑制し,〔
3H〕DAGの蓄積が観察された. 以上によりCCKはCTF活性を直接制御することによりPC合成を抑制していることが示唆された. 又, CCKはPC合成を抑制を介してDAG蓄積を惹起する可能性が考えられた.
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本邦報告例の検討
越知 敬善, 鈴木 敏行, 吉岡 宣夫, 小川 裕, 稲垣 孝憲, 鈴木 貞輔
1992 年 89 巻 2 号 p.
522-527
発行日: 1992年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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山口 裕也, 有田 好之, 大久保 明, 徳松 誠, 藤沢 和明, 北原 靖久, 原 泰寛
1992 年 89 巻 2 号 p.
528-531
発行日: 1992年
公開日: 2007/12/26
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西野 執, 石原 学, 長山 淑子, 平野 盛久, 井村 和博, 数佐 哲, 横澤 禎二, 古谷 亮, 森 一博, 高橋 秀夫, 吉谷 和男 ...
1992 年 89 巻 2 号 p.
532-537
発行日: 1992年
公開日: 2007/12/26
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李 景子, 小野 耕一, 天野 俊郎, 鈴木 壱知, 山本 義信, 宮川 正秀, 奥山 泰史, 石綿 宏敏, 加納 誠, 椿 浩司, 石塚 ...
1992 年 89 巻 2 号 p.
538-541
発行日: 1992年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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大村 卓味, 村松 幸男, 森山 紀之, 高安 賢一, 高山 忠利, 長谷川 博, 坂元 亭宇, 広橋 説雄
1992 年 89 巻 2 号 p.
542-547
発行日: 1992年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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橋本 光司, 柏原 赳, 小谷 光, 藤森 永二郎, 大木 篤, 福田 熙, 川上 房男, 多胡 基, 奥野 巍一
1992 年 89 巻 2 号 p.
548-551
発行日: 1992年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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石井 完治, 織田 正也, 風本 真吾, 東 俊文, 金子 博, 横森 弘昭, 斎藤 英胤, 三浦 総一郎, 土屋 雅春
1992 年 89 巻 2 号 p.
552-557
発行日: 1992年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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渡辺 純夫, 広瀬 美代子, 宮崎 招久, 竹内 真, 大井手 弘純, 北村 庸雄, 山口 泰, 横井 幸男, 三輪 洋人, 浜田 勉, 北 ...
1992 年 89 巻 2 号 p.
558
発行日: 1992年
公開日: 2007/12/26
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船越 顕博, 河野 彬
1992 年 89 巻 2 号 p.
559
発行日: 1992年
公開日: 2007/12/26
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平野 鉄也, 真辺 忠夫, 戸部 隆吉
1992 年 89 巻 2 号 p.
560
発行日: 1992年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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