慢性活動性肝炎 (CAH), 健常者の非働化血清と健常者の nonimmune non E-RFCを用いて, 培養肝細胞 (Coon 細胞) に対するADCCを測定し, 以下の結果を得た.
1) 健常者 non E-RFCの Coon 細胞に対する細胞障害性は, Coon 細胞を血清処理しない場合や健常者血清で処理した場合に比べて, CAH血清で処理した場合に有意な細胞障害性の増加がみられた.
2) 上記細胞障害性の増加は, aggregated IgG, antihuman IgG, antihuman IgG/Fc により有意に阻止された.
3) 予めCAH血清を Coon 細胞やラット肝細胞表面膜で吸収してからADCCを行うと, 有意な細胞障害性の増加はみられなくなつた.
4) CAH血清中に標的細胞表面膜に結合する IgG が高率 (70%) に検出されたが, 他のクラスのグロブリンは検出されなかつた.
5) 標的細胞表面膜に結合する IgG の pattern は血中のHBs抗原の有無により差をみとめず, またHBs抗原の有無と培養肝細胞障害性との間に, 何ら差をみとめなかつた.
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