日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
75 巻 , 9 号
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  • 飯田 太, 丸山 雄造
    1978 年 75 巻 9 号 p. 1303-1311
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    腸上皮化生を有する胃癌38例, 胃十二指腸潰瘍15例から採取した幽門腺粘膜を検索対象とし, 光顕的にはH-E染色による形態観察の他にPAS, AB染色を行い, 電顕的にはウラン•鉛二重染色による超微形態観察の他に, PA-TCH-SP法を行つて細胞内粘液物質および glycocalyx の検索を行つた. 腸上皮化生巣は最初から腸上皮の条件を完備した吸収細胞が出現する完全型腸上皮化生と, 最初は杯細胞の他に腸上皮と胃被蓋上皮の両方の性格を有する吸収細胞が出現する不完全型腸上皮化生とに分けられる. 不完全型腸上皮化生の一部は完全型腸上皮化生に移行することがある.
  • 高橋 忠雄
    1978 年 75 巻 9 号 p. 1312-1321
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    胃潰瘍10例, 十二指腸潰瘍12例を対象として, その切除標本の胃十二指腸粘膜におけるガストリン細胞(G細胞) の分布の状況を蛍光抗体法染色によつて定量的に検討して以下の成績を得た. 両群ともに単位粘膜表面積あたりのG細胞数は幽門洞で最も大きく, 移行帯と十二指腸起始部ではそれより明らかな低値を示し, 幽門洞では小弯側よりも大弯側に高値を示した. また幽門洞はいずれの細区域においても胃潰瘍群よりも十二指腸潰瘍群で高値を示した. これらの原因として粘膜固有層の厚さの差異と腸上皮化生の程度が関与するものと考えた. 移行帯を含む幽門洞全域の全G細胞数は胃潰瘍群 (0.872±0.207 SEM)×107個, 十二指腸潰瘍群(1.806±0.347)×107個で, 後者が有意の高値を示し, これらの全G細胞数は年齢および腸上皮化生の程度と有意の逆相関を示した.
  • 多羅尾 和郎, 山崎 隆一郎, 福島 孝吉
    1978 年 75 巻 9 号 p. 1322-1330
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    腸閉塞, 又は結腸癌切除後の小腸•横行結腸吻合術例9例と健常例3例について, 空腸液中の細菌及び urobilinogen の有無と尿の urobilinogen 反応及び尿中 urobilinogen 1日排泄量との関係を検索した. 同じ小腸•横行結腸吻合例でも空腸上部に bilirubin 還元能を有する腸内細菌が多数検出された例では5例中4例で尿中 urobilinogen 1日排泄量が正常例に比して著増しており. その全例の空腸液中に多量の urobilinogen が存在した. この中2例はAB-PC投与にて尿中 urobilinogen 1日排泄量は正常となつた. 又, 空腸よりの検出菌は人の無菌胆汁より urobilinogen を産生した. 一方, 空腸上部に細菌を認めなかつた4例では尿中 urobilinogen 1日排泄量は正常であつた.
  • 吉川 敏一, 竹村 周平, 横江 信義, 加藤 治樹, 池崎 稔, 堀田 忠弘, 松村 直幸, 細川 計明, 増田 正典, 近藤 元治
    1978 年 75 巻 9 号 p. 1331-1339
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    犬に endotoxin (bacterial lipopolysaccharide) を投与して, 実験的 DIC (disseminated intravascular coagulation) を作製し, その際の消化管出血壊死病変に対する粘膜局所線溶と lysosome の役割について考察を加えた. 局所線溶と lysosome 酵素の指標とした β-glucuronidase, acid phosphatase 活性は, 経時的に平行した動態を示し, 局所の線溶活性の亢進は, lysosome 酵素の1つとしての plasminogen activator によると考えられた. t-AMCHA, Trasylol の腸管内投与により出血壊死が阻止されたが, これは膵液を中心としたproteolytic enzyme の影響をこれらの薬剤がとり除いたというよりも, lysosome からの lysosomal enzyme の放出防止効果と, 放出された plasminogen activator などによる線溶亢進機序の block 効果であろうと考えられる.
  • 水田 實, 岡 富子, 神代 昭
    1978 年 75 巻 9 号 p. 1340-1350
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    果糖 (d-fructose) 投与によるATP欠乏ラット肝について肝の排泄機能を調べ, 外因性ATPのこれに対する影響を調べた. 外因性ATP (腹腔, 経口投与) は肝ATPを増加せしめた. 果糖腹腔内投与は肝ATPを著減せしめ, 外因性ATPはこの減少を防止した. 果糖投与は胆汁量, 胆汁内色素排泄の減少をもたらした. このさい, 外因性ATPはBSP排泄減少を防止したが, ICG排泄減少には明らかな防止作用がえられなかつた. 以上の成績からATPは肝の排泄機構に必須のものであり, かつ, 腹腔内投与には劣るが, 経口投与されたATPも肝に集積され, 胆汁内への色素排泄機序に関与することを結論した.
  • 野々村 昭孝, 新谷 寿久, 太田 五六
    1978 年 75 巻 9 号 p. 1351-1357
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    慢性活動性肝炎 (CAH), 健常者の非働化血清と健常者の nonimmune non E-RFCを用いて, 培養肝細胞 (Coon 細胞) に対するADCCを測定し, 以下の結果を得た.
    1) 健常者 non E-RFCの Coon 細胞に対する細胞障害性は, Coon 細胞を血清処理しない場合や健常者血清で処理した場合に比べて, CAH血清で処理した場合に有意な細胞障害性の増加がみられた.
    2) 上記細胞障害性の増加は, aggregated IgG, antihuman IgG, antihuman IgG/Fc により有意に阻止された.
    3) 予めCAH血清を Coon 細胞やラット肝細胞表面膜で吸収してからADCCを行うと, 有意な細胞障害性の増加はみられなくなつた.
    4) CAH血清中に標的細胞表面膜に結合する IgG が高率 (70%) に検出されたが, 他のクラスのグロブリンは検出されなかつた.
    5) 標的細胞表面膜に結合する IgG の pattern は血中のHBs抗原の有無により差をみとめず, またHBs抗原の有無と培養肝細胞障害性との間に, 何ら差をみとめなかつた.
  • 井上 庄二
    1978 年 75 巻 9 号 p. 1358-1369
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    Wister 系雄ラットに2時間の激しい回転運動負荷を試みた. 運動負荷直後に血清GOT, GPT, LDH, 血漿FFA値の有意な上昇と, 血清ALP, glucose, triglyceride 値の低下がみられた. 運動負荷後の肝組織学的変化として, 一部肝細胞の好酸性変性, 脂肪滴の出現, glycogen の著明な減少が認められた. 肝微細構造の変化では肝細胞の凝固壊死像が散見され, mitochondria の変化, SERの増加, glycogen 粒子の減少, 脂肪滴の増加が認められ, 肝細胞の変化の morphometric な解析では, mitochondria の数, SER, 脂肪滴の有意な増加を認めた.
    以上の所見より激しい運動負荷により, 肝には形態学的にも認められる変化がおこり, これが血液生化学的変化と密接に関連していることが推察された.
  • 中沢 三郎, 内藤 靖夫, 市川 正章, 梶川 学, 木本 英三, 佐野 博
    1978 年 75 巻 9 号 p. 1370-1376
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    切除例を中心に胆管癌24例について, 主病巣から連続し粘膜上皮層に限局したほぼ一層の癌を粘膜癌とし, その胆管縦軸方向への広がりを検討した. その結果, 主病巣から連続した上皮層外胆管壁内における同方向への癌の浸潤範囲に比してより広範な粘膜癌の広がりを伴う症例が5例21%と高頻度に認められ, 両者間の最大差は26.2mmであつた. また. これらの症例の中には主病巣の深達度が胆管壁障限局した比較的早期の癌も含まれていた.
    以上の知見は, 外科的切除に際しての断端粘膜内における腫瘍細胞の遺残さらに再発の問題とも関連し, 臨床的に重大な意義をもつものと考えられる.
  • 吉森 正喜, 中村 耕三, 尾崎 秀雄
    1978 年 75 巻 9 号 p. 1377-1385
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    膵悪性腫瘍80例の臨床診断成績, 予後, 死因について検討した. 80例の臨床診断の正診率は71.3%であつた. 誤診例には, 膵癌を含む重複癌, 検査施行不能例, 転移巣の目立つた例があつた. 膵癌を含む重複癌は80例中9例 (11.3%) であつた. 病気の期間 (初発から死亡までの期間) は, 39.4%が6カ月以内, 33.8%が6カ月~12カ月, 21.1%が12カ月~24カ月, 5.6%が24カ月以上であつた. 膵癌の死因としては, 呼吸器系合併症, 腫瘍死, 化膿性腹膜炎, 消化管出血, 肝の合併症が多かつた.
  • 梶川 学
    1978 年 75 巻 9 号 p. 1386-1398
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    2,2'-dihydroxy-di-N-propylnitrosamine (DHPN) 500mg/kg体重を週1回, 20週から30週にわたり golden hamster に皮下注射することにより52匹中49匹 (94%) に光顕的, 電顕的ともに, ヒト膵癌と類似した膵管上皮由来と考えられる腺癌の発生をみた. また膵癌の前癌性変化と考えられる膵管上皮の増生や腺腫性変化も全例に認あられた. 次いで膵管と癌腫との関連を明らかにする目的で, この実験膵癌を用い膵管造影法を試み閉塞, 狭窄, 圧排, ビマンと4型に大別される膵管像をえた. これら膵管像は組織学的に確かめられた膵管の変化をよく反映するものであり, DHPN実験膵癌が, 膵癌の形態学的アプローチを試みる上でも疾患モデルとして有用であることが確認された.
  • 遠藤 克博, 小泉 勝, 金沢 義彦, 金谷 峻汎
    1978 年 75 巻 9 号 p. 1399-1403
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    無麻酔膵瘻犬を用い, 0.1N塩酸50ml, バター2g/kg/水40ml, バター2g/kg/0.1N塩酸40mlのいずれかを5分間で, 十二指腸内へ注入し, 主膵管より膵液を10分毎に採取し, 同時に血中 immunoreactive secretin (IRS) 値を経時的に測定した. 塩酸及びバミターの塩酸溶液注入では3~5分後にIRSの有意の上昇, 膵液量の増加をみた. バター単独ではIRS値の上昇は認められなかつたが, 膵液量, 膵蛋白分泌量は増加の傾向を示した. 又, 塩酸とバターの塩酸溶液との比較では, 後者で膵蛋白分泌量に有意の増加がみられた. 以上の事より, 膵外分泌に対し内因性 secretin が関与している事, 及びバミター注腸の際, 膵外分泌に対し secretin 以外の刺激物質が存在する事が確認された.
  • 白木 東洋彦, 木下 俊昭, 川崎 栄明, 宮岡 孝幸, 谷沢 義弘, 鳥山 紀彦, 黒岩 延男, 久保田 修, 多田正 大, 赤坂 裕三
    1978 年 75 巻 9 号 p. 1404-1410
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
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