日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
73 巻 , 12 号
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  • 白地 孝
    1976 年 73 巻 12 号 p. 1479-1494
    発行日: 1976年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    閉塞性黄疸時のビリルビンの腎よりの排泄機序, 閉塞性黄疸時の腎障害, 尿排泄障害時における血中ビリルビン値の変化, ビリルビンによる腎障害などについて, 臨床的, 実験的に検討し, つぎの様な結果を得た.
    1) 尿中へのビリルビンの排泄量は, 血清総ビリルビン値および直接型ビリルビン値と正の相関々係を示し, また血清アルブミン予備結合能と負の相関々係を示すことから, ビリルビンの尿中への排泄には, アルブミンと結合していない遊離の直接型ビリルビンが尿中に排泄される可能性が強いことが示された.
    2) 片側尿管の結紮その他によつて尿排泄障害をおこし, あるいは腎障害を有する例では, 尿中排泄ビリルビン量が減少し, 血清ビリルビン値がより高値を示すことから, 血清ビリルビンの値は, 腎機能と密に関係していることも明らかになつた.
    3) 黄疸発現よりの期間が長くなるにつれ, 腎障害が増強し, 尿中へのビリルビンの排泄量が減少した.
  • 山初 順一
    1976 年 73 巻 12 号 p. 1495-1508
    発行日: 1976年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    前編において胃癌切除後の予後を左右する諸因子を臨床的並に病理組織学的事項との関連のもとに種々なる角度から検討したが, 本編においては, 切除胃癌の脈管侵襲の態様について臨床的並に病理組織学的に検討すると共に, これらと遠隔成績との関連性についても検討した. 即ち, リンパ管侵襲は男に多く, 加齢と共に増加の傾向を示し, 腫瘍が小さくとも脈管侵襲は起り得るもので, その予後は著しく不良であつた. 更に浸潤度, 深達度共にその程度に従つて侵襲は高度となり, とくに胃壁各層におけるsmが, 転移, 浸潤の場として重要視された.
  • 鈴木 敏行
    1976 年 73 巻 12 号 p. 1509-1518
    発行日: 1976年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    慢性膵炎の膵内分泌機能障害の実態をあきらかにするため, 慢性膵炎33例, 一次性糖尿病10例, 健常人8例を対象として, 30g. arginine 経静脈負荷時の血中 immunoreactive glucagon および insulin 反応による膵α, β細胞機能と膵外分泌機能との関連を検討した. 慢性膵炎のα, β細胞機能は膵外分泌機能障害の悪化に伴い低下を示した. 耐糖能低下が同程度である膵性糖尿病と一次性糖尿病の膵内分泌機能障害を比較すると, 前者はα, β細胞共に分泌低下, 後者はα細胞の分泌亢進およびβ細胞の分泌低下がみられ, 両者はあきらかに異なつた. 慢性膵炎では, 膵外分泌部の病変の進展に伴つてα, β細胞共に障害され, その結果, glucagon および insulin の分泌が共に低下すると考えられた.
  • 小西 孝司
    1976 年 73 巻 12 号 p. 1519-1526
    発行日: 1976年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    著者は既に膵石形成機序には膵管の狭窄と膵液の欝滞が重要な因子であることを報告した. 今回は膵液組成の変化より検討するため不完全膵管結紮犬を用い pancreozymin-secretin 刺激で得られた純粋膵液の液量, 重炭酸塩濃度, アミラーゼ, 電解質の測定を行つた. 不完全膵管結紮群では対照群に比し液量は著明に減少したが最高重炭塩濃度及びアミラーゼ分泌量には差が見られなかつた. 電解質ではK濃度は差を示さず, Na濃度は結紮群に低下が見られ, Cl濃度は結紮群に上昇傾向が見られた. 特にCa濃度は対照群に比し全分画で著明に上昇した. この膵液Ca濃度の上昇が膵管細枝内の mucous plug にカルシウムの沈着を促進し, 結石形成するものと推察された.
  • 三木 一正, 鈴木 宏, 飯野 四郎, 丹羽 寛文, 織田 敏次
    1976 年 73 巻 12 号 p. 1527-1536
    発行日: 1976年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    胃癌の原発巣組織のアルカリフォスファターの (ALP) アイソエンザイムの酵素学的•免疫学的検討を行なつた. 23例の手術材料を用い, Morton の変法により胃癌組織のALPを抽出し試料とした. ALP活性は0.01~0.75K-A単位/μg蛋白であつた. 胃癌組織ALPは neuraminidase 処理後の5%ポリアクリルアミドゲルディスク電気泳動法により, 明瞭な3つの活性帯 (ALPa, ALPbおよびALPc) に分離され, ALPaは全例に, ALPbは8例 (35%), ALPcは9例 (39%) に認められた. また, それぞれの阻害剤に対する態度, 65°C耐熱性, 抗ヒト肝•胎盤•小腸ALP抗体に対する免疫学的反応をヒト肝•胎盤•小腸ALPと比較検討した. ALPaは電気的易動度以外の性質は肝ALPと同じであり, 胃癌細胞周辺の間質ALPに由来すると考えられ, 正常胃組織ALPと同様であつた. ALPbは胎盤ALPと同じ性質を有し, 胃癌細胞に由来すると考えられた. ALPcは小腸ALPと同じ性質を有し胃粘膜腸上皮化生ALPに由来すると考えられた.
  • 松尾 裕, 関 敦子
    1976 年 73 巻 12 号 p. 1537-1544
    発行日: 1976年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    1-phenyl-1-hydroxy-n-pentane (以下PHPと略) の十二指腸内注入による胆汁および膵液分泌亢進作用の機序を明らかにするため, ヒトについてPHPを経口投与および十二指腸内に注入し, 血中セクレチン量および血中ガストリン量をラジオイムノアッセイ法によつて測定し, 以下の如き成績を得た.
    1) PHP 600mgをヒトに経口投与した結果血中セクレチン量は全例上昇した.
    2) PHP 600mgをヒト十二指腸内に注入した結果血中セクレチン量は明らかに上昇した. その上昇程度は1/10N塩酸溶液を注入した場合と同程度か, それよりも優る成績であつた. 血中ガストリン値については特に変動を示さなかつた.
    以上の成績はPHPの膵液分泌作用が血中セクレチン分泌を介することを証明したものと考える.
  • 渡辺 英生, 木下 真人, 近藤 肇彦, Toshiaki KUSHIDA, 宮本 英之, 小西 正甫, 仁木 寛治, 加納 嘉明, 桑島 ...
    1976 年 73 巻 12 号 p. 1545-1552
    発行日: 1976年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    1) 正常22例および Zollinger-Ellison 症候群1例を含む各種胃•十二指腸疾患250例について, 空腹時血清ガストリン値を測定した.
    2) 正常群では空腹時血清ガストリン値は54±7pg/mlであつた. 正常群よりも有意に高値を示したのはZollinger-Ellison 症候群, 胃ポリープおよび萎縮性胃炎群であつた.
    3) 胃潰瘍, 胃癌ともに胃体部に発生した症例では空腹時血清ガストリン値は高値を示し, 胃角部, 幽門洞部と移行するにつれてガストリン値は低値を示した.
    4) 空腹時血清ガストリン値は胃分泌に対して弱い負の相関性があり, 低酸の場合にその傾向は強かつた.
  • 高後 裕, 新津 洋司郎, 渡辺 直樹, 大塚 忍, 小関 純一, 柴田 恵子, 漆崎 一朗
    1976 年 73 巻 12 号 p. 1553-1566
    発行日: 1976年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    血清 ferritin の微量定量法として2抗体法による radioimmunoassay 法および paper disc を用いた2-site immunoradiometric assay 法を確立し, 消化器疾患における臨床応用をはかり, 以下の結果を得た. (1) ferritin 表面の tyrosine 残基状態の検討の上で, 従来困難視されていた2抗体法を確立, 実用上十分な感度を得た. (2) 2-site immunoradiometric assay 法は, 感度•経済性および簡便性の上で, よりすぐれていた. (3) 血清 ferritin 値は正常男子平均95.7ng/ml女子平均42.8ng/mlで男女差を認め, 鉄欠乏性貧血では20ng/ml以下であつた. (4) 胃癌•大腸癌で低く, 肝癌•膵癌で高値を示した. 急性肝炎•急性膵炎でも高値を示したが, その他の非悪性腫瘍疾患は総じて正常範囲をとり, 悪性腫瘍における診断的意義が認められた.
  • 多田 正大, 竹村 周平, 横江 信義, 仁木 弘典, 佐々木 善二, 山口 希, 木本 邦彦, 中島 正継, 宮岡 孝幸, 三崎 文夫, ...
    1976 年 73 巻 12 号 p. 1567-1574
    発行日: 1976年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    消化管粘膜のリンパ濾胞の増殖は, 殊に回腸終末部に好発がみられ, 臨床的•病理学的にも種々の検討がなされてきた. しかし大腸リンパ濾胞の意義については, 今日まで必ずしも明確ではない. 私達は内視鏡的色素撒布法と拡大大腸 fiberscope (Olympus CF-MB-M) を併用することによつて, 各種疾患患者105例の直腸リンパ濾胞の分布, 形態等について検討し, これらを0~III度に内視鏡分類すると共に, その臨床的意義について考察した.
    その結果, 直腸リンパ濾胞は健常人にも内視鏡的に多数観察され, 加齢と共に減少する傾向がみられたが, 必ずしも全身的, 局所的炎症に一致して著明に反応性に増減するとは言い難く, その病的意義づけは乏しいことがうかがえた.
  • 山口 希, 田中 多恵子, 林 恭平, 加藤 三郎, 多田 正大, 宮岡 孝幸, 川井 啓市
    1976 年 73 巻 12 号 p. 1575-1582
    発行日: 1976年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    活動性潰瘍性大腸炎患者15名の血清および唾液の免疫学的分析を行ない次のような結果を得た.
    1) 血清IgGおよびIgAの平均値は健康人対照に比較して著減していたがIgM値は正常域にあつた. 2) 補体成分C3値が正常域にあつたのに対し, C4は著増していた. 3) 同種血球凝集素価は低下していた. 4) 種々異常抗体が検出され, いづれも健康人対照に比較して高率であつた. リウマチ因子13%, 抗IgG抗体13%, 抗IgA抗体60%, 抗ミルク抗体33%, 抗大腸抗体33%の陽性率であつた. 5) 唾液免疫グロブリン値の測定では対照群と有意差は認めなかつた.
    本症に認められたミルクなどの食餌性蛋白に対する抗体の出現は局所免疫機構の破綻かあることを示しており本症発症の重要な鍵となつているものと思われる.
  • 川口 和夫, 田中 義憲, 近藤 台五郎
    1976 年 73 巻 12 号 p. 1583-1589
    発行日: 1976年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    メッケル憩室の術前診断は少なく, われわれの第1, 第3例を含めてわが国では僅かに4例にすぎない. われわれの第1例は輪状潰瘍を有する長さ11cmの憩室, 第2例は反復性の腹痛, 軟便を訴えた長さ7cmの憩室で, 第3例は黒色便を主訴とする長さ7cmの憩室である. メッケル憩室を確実に術前に診断するには経口小腸X線検査が最適の方法である. メッケル憩室の合併症に特有な症状は存在しないが, 非特異的な症状例えば腹痛, 腸出血, 腸通過障害などの反復性の出現が主たる特徴であり, メッケル憩室からの出血もまた maroon or currant-jelly stool となることが多い. 従つて, これらの特徴を有する症例では積極的にメッケル憩室を探すべきである.
  • 別府 眞琴, 堀川 慎一, 疋田 邦彦, 栗田 清, 平井 健清, 村井 紳浩, 谷口 積三, 吉本 信次郎, 土居 幸子, 上原 教良, ...
    1976 年 73 巻 12 号 p. 1590-1598
    発行日: 1976年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
  • 吉田 英紀, 植田 昌敏, 藤井 信, 赤松 興一, 綱島 武彦, 小林 道男, 植杉 成一郎, 武田 和久
    1976 年 73 巻 12 号 p. 1599-1605
    発行日: 1976年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
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