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飯田 智哉, 金戸 宏行, 石上 敬介, 内藤 崇史, 中垣 卓, 佐藤 修司, 清水 晴夫, 佐々木 賢一, 小西 康宏, 今 信一郎
2014 年 111 巻 12 号 p.
2286-2294
発行日: 2014/12/05
公開日: 2014/12/05
ジャーナル
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症例は59歳,男性.十二指腸下行脚膵臓側に膵臓への浸潤を疑う5 cm超の1型隆起性病変を認め,十二指腸原発GISTの疑いで,膵頭十二指腸切除術を施行した.病理学的には中分化の管状腺癌と紡錘形細胞の増生を認め,免疫染色ではAE1/3, CK7が管状腺癌で陽性,紡錘形細胞で陰性,vimentinが管状腺癌で陰性,紡錘形細胞で陽性で,十二指腸原発癌肉腫と診断した.集学的治療を行い,術後23カ月の生存を得た.
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井上 匡央, 奥村 文浩, 水島 隆史, 西江 裕忠, 岩崎 弘靖, 安部 快紀, 尾関 貴紀, 加地 謙太, 福定 繁紀, 佐野 仁
2014 年 111 巻 12 号 p.
2295-2302
発行日: 2014/12/05
公開日: 2014/12/05
ジャーナル
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腹腔内に限局する悪性リンパ腫を合併した,S状結腸癌と肝細胞癌の2症例を経験した.CTでの吸収値の違いやPET-CTでの集積程度の違いから重複癌も疑われたが確定診断には難渋し,EUS-FNAが診断・治療方針の決定に有用であった.腹腔内限局の悪性リンパ腫と腹部原発悪性腫瘍の重複癌では,鑑別やステージングはしばしば困難で治療方針を誤る危険性があり,その診断には注意が必要と考えられた.
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福田 聡司, 宮岡 洋一, 塚野 航介, 上野 さや香, 泉 大輔, 山之内 智志, 矢﨑 友隆, 園山 隆之, 伊藤 聡子, 藤代 浩史, ...
2014 年 111 巻 12 号 p.
2303-2310
発行日: 2014/12/05
公開日: 2014/12/05
ジャーナル
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症例は53歳女性で腹満感,便秘を主訴に受診した.下腹部に圧痛のない腫瘤を触知した.各種画像検査ではS状結腸間膜と上腸間膜領域に広がる境界不明瞭な領域を認め,腫瘍との鑑別が困難であった.開腹生検で硬化性腸間膜炎と確定診断でき,ステロイド治療で寛解を得た.硬化性腸間膜炎は診断に苦慮することが多く,治療法も確立されていない.本症例は,病理学的な検討に基づいた診断治療が有用であったと考え,報告する.
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藤田 俊浩, 那須 雄一郎, 濱元 ひとみ, 宮田 生弥子, 大重 彰彦, 重信 秀峰, 上村 修司, 沼田 政嗣, 青﨑 眞一郎, 井戸 ...
2014 年 111 巻 12 号 p.
2311-2318
発行日: 2014/12/05
公開日: 2014/12/05
ジャーナル
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症例は89歳男性.糖尿病の血糖コントロールが不良となったため,全身精査目的にて紹介入院となった.精査の結果,十二指腸原発扁平上皮癌を認め,TS-1による化学療法を開始した.2コース終了後には十二指腸腫瘍は消失し,生検でも腫瘍成分は検出されなかった.治療開始19カ月後も,原発巣の再発を認めなかった.切除不能な十二指腸原発扁平上皮癌に対し,TS-1を含む化学療法が有効である可能性が示唆された.
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足立 政治, 奥野 充, 堀部 陽平, 大野 智彦, 後藤 尚絵, 中村 憲昭, 岩間 みどり, 山内 治, 齋藤 公志郎
2014 年 111 巻 12 号 p.
2319-2325
発行日: 2014/12/05
公開日: 2014/12/05
ジャーナル
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70歳代男性.心筋梗塞後致死性不整脈のため心肺停止となるも,集学的治療により救命された.第45病日より嘔吐症状が出現し,その後小腸イレウスと診断された.小腸内視鏡では回盲部より約60 cm口側回腸にpinhole様の狭窄を認めた.バルーン拡張術を行うも改善が得られず第139病日に開腹術施行.回腸に2カ所の狭窄を生じており回腸部分切除術を施行した.心肺停止中の腸管虚血により小腸狭窄をきたしたと考えられた.
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重福 隆太, 高橋 秀明, 津田 享志, 池田 裕喜, 松永 光太郎, 松本 伸行, 奥瀬 千晃, 朴 成和, 伊東 文生, 鈴木 通博
2014 年 111 巻 12 号 p.
2326-2336
発行日: 2014/12/05
公開日: 2014/12/05
ジャーナル
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近年,Oxaliplatinを含む化学療法後に門脈圧亢進症をきたす症例が報告されているが,本邦で食道胃静脈瘤破裂まで至った症例の報告はいまだない.今回,われわれは大腸癌に対する全身化学療法中に破裂しバルーン閉塞下逆行性経静脈的塞栓術を施行した胃静脈瘤破裂例と,内視鏡的静脈瘤結紮術・硬化療法を施行した食道静脈瘤破裂例を経験した.Oxaliplatinの副作用として,食道胃静脈瘤の形成には十分に留意する必要がある.
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福場 遼平, 瓦谷 英人, 久保 卓也, 賀屋 大介, 相原 洋祐, 森岡 千恵, 野口 隆一, 美登路 昭, 吉治 仁志, 福井 博
2014 年 111 巻 12 号 p.
2337-2345
発行日: 2014/12/05
公開日: 2014/12/05
ジャーナル
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症例は70歳代女性.C型慢性肝炎に対しIFN治療を48週間行った.治療終了時より発熱,腹部膨満感が出現した.検査にて滲出性腹水および腹膜肥厚を認めた.結核性腹膜炎が疑われたが,腹水中の抗酸菌培養は陰性で,確定診断のため腹腔鏡下腹膜生検術を施行した.腹膜は白色粟粒大の小隆起が広がり,病理組織にて肉芽腫を認め,結核性腹膜炎と診断した.IFN治療に際し,まれではあるが結核の発症・再燃を考慮する必要がある.
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藤吉 俊尚, 肱岡 範, 今岡 大, 原 和生, 水野 伸匡, 田中 努, 田近 正洋, 清水 泰博, 丹羽 康正, 山雄 健次
2014 年 111 巻 12 号 p.
2346-2354
発行日: 2014/12/05
公開日: 2014/12/05
ジャーナル
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症例は40歳代の男性.20歳から印刷業に12年間従事し,塩素系有機溶剤に曝露していた.肝機能障害で前医を受診し,肝門部胆管癌と診断され陽子線治療を施行したが,約3年後にリンパ節再発を疑われて当科紹介され,EUS-FNAで診断し化学療法を開始したが,2年でリンパ節が再増大し,外科的リンパ節摘出を施行した.その後1年8カ月再発していない.印刷業従事者が発病し,労災と認定された職業性胆管癌を報告する.
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