日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
77 巻 , 6 号
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  • 井戸 健一, 酒井 秀朗, 堀口 正彦, 古杉 譲, 野上 和加博, 田中 昌宏, 吉田 行雄, 関 秀一, 山中 桓夫, 木村 健
    1980 年 77 巻 6 号 p. 871-877
    発行日: 1980/06/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    肝硬変50例の門脈圧を直接測定し,食道静脈瘤の内視鏡所見(門脈圧充進症研究会)と対比した.食道静脈瘤を伴う39例の門脈圧は静脈瘤を伴なわない11例の門脈圧より有意に高く(p<0.005),門脈圧が高くなると食道静脈瘤の占居部位は長くなり,形態の変化は強くなる傾向がみられた.しかし門脈圧と色調の間には一定の傾向が認められなかつた.門脈圧325mm H2O以上,内視鏡的にStage III以上の7症例のうち5例(71.4%)に出血が認められ,従来重要視されている静脈瘤の内視鏡所見に加えて,門脈圧を測定することは静脈瘤出血の予測,予防手術の適応決定等にさらに正確で有用な情報をもたらすものと確信された.
  • 森瀬 公友, 加藤 義昭, 石井 正大
    1980 年 77 巻 6 号 p. 878-884
    発行日: 1980/06/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    過去4年6カ月間に経験した418例の上部消化管出血中,出血胃潰瘍は168例(40.2%)であつた.この中,内科的治療で回復した128例を対象として,出血胃潰瘍の治癒率,長期経過観察における再発,再出血の問題につき検討した.出血胃潰瘍の3カ月以内の治癒率は76.6%であり,内科的治療における一般の潰瘍の治癒率と差はなかつた.1年以上4年間経過観察を行つた86例では,19例23回の再発を認め,うち10例が再出血を起こした.潰瘍再発数に対する出血率は,43.5%と高率であつた.また,4年間経過観察した10例では,6例が再発し5例が再出血を起こした.出血胃潰瘍の経過観察は,厳重かつ長期間行う必要がある.
  • 京 明雄, 岡本 英三, 桑田 圭司, 菅原 一郎, 豊坂 昭弘, 飛田 忠之, 鈴木 栄太郎, 植木 重文, 朱 明義, 田中 信孝, 余 ...
    1980 年 77 巻 6 号 p. 885-893
    発行日: 1980/06/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    我々が過去6年間に経験した十二指腸潰瘍手術症例は121例である.手術々式は広範囲胃切除術(広範胃切)29例,選択的迷走神経切離術+ドレナージ手術(SV+P. P)57例,選択的近位迷走神経切離術±ドレナージ手術(SPV±P.P.)27例,選択的迷走神経切離術十幽門洞切除術(SV+ant.)6例,その他2例である.手術々式の選択はテトラガストリンおよび肉汁負荷後の酸分泌反応および血中ガストリン反応に基づいた独自の術式選択規準により行なつた.
    これらの症例に対し術後アンケート調査を行なつた.回答率は96%である.術後の愁訴,社会復帰はSPV+P. P., SV+P. P.,広範胃切の順に良好であつた.再発例は近位迷走神経切離術後3年目に胃潰瘍を発症した1例のみである.
    術後の減酸率はSV+P. P.69%, SPV±P. P.55%, SV+ant.87%,広範胃切75%で,SPV±P. P.で低値であるが,術後の基礎分泌,最高酸分泌はそれぞれ1~2mEq/hr,6~7mEq/hrと術式による差はない.しかし,術後の血中ガストリン反応はSPV±P. P.後は著明に増強しており,本術式の採用にはこの点に留意すべきであると考えられた.
  • 田中 昌宏, 井戸 健一, 酒井 秀朗, 野上 和加博, 古杉 譲, 堀口 正彦, 吉田 行雄, 関 秀一, 山中 桓夫, 木村 健
    1980 年 77 巻 6 号 p. 894-897
    発行日: 1980/06/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    潰瘍性大腸炎23名の発症素因を調べる目的で,HLA抗原を検索し,潰瘍性大腸炎とHLA抗原との関連性,更には,男女別発症年齢別に分けて,それぞれの関連性について検討を行なつた.潰瘍性大腸炎では,A10, B5, CW3の増加とBW15の減少(各々,修正危険率は,0.55未満,0.11未満,0.22未満,0.11未満)とがみられた.特にCW3の増加は有意であり,生体の免疫に関与しているといわれる免疫応答遺伝子と連鎖している可能性が示唆された.又,30歳未満の若年発症群にB5の出現頻度が非常に高く,若年者の発症には,遺伝的要素が強く関与している可能性が示唆された.
  • 北洞 哲治
    1980 年 77 巻 6 号 p. 898-907
    発行日: 1980/06/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    腸管におけるリゾチームの意義を解明する目的にて潰瘍性大腸炎の大腸粘膜局所リゾチームの検索をした.方法としてエタノール固定による酵素抗体法を用いることにより,リゾチームの抗原性も保持され,病理組織学的対比可能な面よりすぐれた結果を得ることが出来た.
    潰瘍性大腸炎活動期では正常大腸粘膜にみられない大腸陰窩リゾチーム含有細胞の出現が認められ,血清リゾチーム活性も有意の上昇を示した.潰瘍性大腸炎血清リゾチーム活性上昇機序として白血球代謝亢進と大腸陰窩リゾチーム含有細胞出現が関与しているものと考えられた.病理組織学的変化ではgoblet cell depletionが重要と考えられ,陰窩細胞の機能的変化によるリゾチーム含有細胞の出現が示唆された.
  • 原田 俊則, 渡辺 精四郎, 西岡 幹夫, 西村 秀男, 竹本 忠良
    1980 年 77 巻 6 号 p. 908-915
    発行日: 1980/06/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    Porphyria cutanea tarda 7例の肝病変について検討した.症例は33~77歳の男性で,全例にアルコール歴があつた.肝機能検査では6例に軽度の血清トランスアミナーゼ値の上昇を,5例にICG(またはBSP)の軽度~中等度の停滞を認めた.組織学的検索では肝細胞壊死(6例),門脈域の炎症細胞浸潤(6例),限界板の破壊(6例),脂肪変性(2例),線維化(5例)が種々の程度に認められ,肝硬変は1例に認められた.また,肝細胞内への鉄およびリポフスチンの沈着が全例に認められた.とくに注目すべき所見は肝細胞内の針状封入体で,これは程度に差はあるが全例に認められた.著者らはこの針状封入体を本疾患に特異的なもので,診断的価値が高いものと考える.
  • 渡辺 哲, 森実 敏夫, 中村 達也, 熊谷 直樹, 稲垣 恭孝, 宗像 良雄, 土本 寛二, 織田 正也, 土屋 雅春
    1980 年 77 巻 6 号 p. 916-926
    発行日: 1980/06/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
  • 吉次 通泰, 岩瀬 透, 佐々 隆之
    1980 年 77 巻 6 号 p. 927-934
    発行日: 1980/06/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    男性肥満者50例につき摂取カロリーの制限による減量前・後の血清GOT・GPT活性値,血清脂質値および耐糖能検査成績を比較し,以下の結論を得た.(1)血清トランスアミナーゼ活性値の異常を示す頻度は,肥満度で5%以内の減量により減量前はGOTで52.9%, GPTで64.7%であつたのが減量後は両酵素ともその頻度は11.8%となり,5%以上の減量で両酵素活性値とも全例正常化した.(2)高中性脂肪血症の頻度は5%以上の減量により減量前の54.6%から減量後の9.0%へと,高コレステロール血症の頻度は10%以上の減量により64.7%から5.9%へと有意に低下した.(3)耐糖能異常については,肥満度で20%の減量を認めてもその改善率はなお約40%に過ぎなかつた.
  • 宮崎 隆司, 恩田 昌邦
    1980 年 77 巻 6 号 p. 935-948
    発行日: 1980/06/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    各種胆道疾患と自律神経要素,つまり交感神経と副交感神経および消化管ホルモンとの関連と疾患時の胆道組織内CA含有量を明確にする目的で,新鮮剖検材料50例,胆石症80例,胆嚢ジスキネジー5例,胃切後胆石症11例,胆嚢癌5例を用いて,切除胆嚢より小片を採取し,Falck-HillarpのCAの蛍光組織化学的同定法と,AChE染色を施行し以下の結果を得た.1)胆嚢には豊富な交感神経と副交感神経とが関与し,主として三つのplexusより形成されていた.2)胆嚢平滑筋層にCCK-PZ like cellsと思われる黄色細胞が観察された.3)胆石症群でAd-fibresはその増生は観察されず,組織学的に急性胆嚢炎群で漿膜下層にmastcellsの増殖が,慢性胆嚢炎例で粘膜層内にのみserotonin containing cellsが証明された.4)胃切後胆石症群および胆嚢ジスキネジー群では,胆嚢各層にAd-fibresの増生が,Ch-fibresはその減少が観察され,胆石症群との相違が観察された.5)胆嚢癌群では,Ad-fibresは癌組織内には認められず,少し離れた平滑筋層および漿膜下層に中等度の増生を認めた.一方,Ch-fibresは癌病巣内およびその周辺の組織内に異常に太くなり観察された.6)新鮮剖検材料群の胆嚢でのCAの測定では,大部分がNAであつた.胆嚢でのNA含有量は頚部に最も多く,以下,体部,底部の順であつた.胆道各疾患時のNA含有量の測定で,そのmeanvalueの相違が観察され,蛍光法での検索と一致した.
  • 山内 孝, 船越 顕博, 木村 寿成, 若杉 英之, 早川 滉, 井林 博
    1980 年 77 巻 6 号 p. 949-953
    発行日: 1980/06/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    PSテストにより得られた十二指腸液中CEAを,Dinabot RIA kit two step法をこて測定した.十二指腸液各分画におけるCEA濃度は膵癌では慢性膵炎,対象群に比し高値傾向にあり,特にSecretin注射後40分のS3分画では,膵癌平均(M±SE)36.3±12.5,慢性膵炎23.0±8.6,対象群16.3±6.4ng/mlと膵癌では慢性膵炎,対象群に比し有意の増加(p<0.001)を認めた.以上の所見から十二指腸液S3分画のCEA測定が臨床的に膵癌の補助的診断として有用と考える.また膵組織中CEA濃度も膵癌では他の二群に比して有意の高値を示し,膵癌細胞でのCEA産生充進が示唆された.
  • 小関 栴, 能登 陞, 松野 正紀, 狩野 研次郎
    1980 年 77 巻 6 号 p. 954-962
    発行日: 1980/06/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    慢性膵炎の手術標本59例の形態学的変化を組織計測的に検索し,成因,膵内外分泌機能などの臨床所見との関連性を検討した.膵実質の残存率は,胆道原性膵炎では平均79%であり,他の成因によるものに比べて明らかに高かつた.また,実質残存率はPS-テストにおけるmax HCO3-濃度,HCO3-総排出量およびアミラーゼ排出量と極めて高い相関を示した.ラ島に関しては,慢性膵炎例は対照群に比べて,その数および膵におけるラ島全体の容積比は減少しており,また膵線維化が高度になるほど両者は減じていた.しかし,ラ島容積の減少は必ずしも耐糖能障害の程度とは並行せず,ラ島の質的変化が示唆された.
  • 西尾 碩人, 高井 哲, 武藤 泰敏, 高橋 善弥太
    1980 年 77 巻 6 号 p. 963-968
    発行日: 1980/06/05
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
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