-
国吉 宣俊
1991 年 88 巻 9 号 p.
2085-2093
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
ラット胃灌流系に迷走神経支配を組み合わせた in vitro の実験系を用い, 胃内pHの変化におけるガストリン, ソマトスタチン分泌について検討した. 迷走神経刺激によるガストリン分泌には胃内腔の中性からアルカリ化が, ソマトスタチン分泌には胃内腔の酸性化が必要であり, またガストリン分泌は, non-nicotinic な節前線維によつて調節された non-cholinergic neuron より調節を受けている可能性が推察された. またソマトスタチン分泌は, nictinic な節前線維によつて調節される cholinergic inhibitory neuron と non-cholinergic excitatory neuron により調節されている可能性が示唆された.
抄録全体を表示
-
二木 修司, 中村 圭也, 六反 一仁, 斉藤 利彦, 青池 晟, 川井 啓市
1991 年 88 巻 9 号 p.
2094-2100
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
モルモット胃単離壁細胞を用いエタノールの酸分泌機構に及ぼす影響を検討した. ヒスタミン刺激によるcAMP上昇反応は, 0.1~3%エタノールで亢進したが, 酸分泌はすでに1%エタノールより低下し, ミクロソーム分画のH
+, K
+-ATPase 活性も3%エタノールより低下した. 一方, カルバコール刺激の酸分泌はヒスタミン刺激のそれに比べ, エタノールにより強く障害を受け, 0.1%エタノールより低下した. この低下はカルバコール刺激後のCa
2+応答の低下と相関した. 以上, エタノールによる酸分泌能の低下はヒスタミン刺激ではH
+, K
+-ATPase 活性を含めたcAMP以降の刺激伝達系の障害のみならず, カルバコール刺激では細胞内Ca
2+応答の低下が主因と考えられた.
抄録全体を表示
-
長廻 紘, 五十嵐 達紀, 大原 昇, 小幡 裕, 藤盛 孝博
1991 年 88 巻 9 号 p.
2101-2106
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
表面型早期癌, あるいは起源が表面型早期癌であることが明らかな19個のsm癌につき, 粘膜下層浸潤様式を検討した. 浸潤様式をA (1~数個の癌腺管が粘膜筋板に接して粘膜下層にある), B (一箇所で粘膜筋板が破られ, そこから粘膜下層へ深く, あるいは大量に癌がある). C (多くの部分で粘膜筋板が破られている), の3型に大別した. 表面型sm癌の中に隆起型早期癌では稀なB型が少なくなく, 小さいうちに広基性に変形することがある(表面型起源広基性早期癌), のがわかつた. また大きな表面型sm癌はいずれもA型で, 表面型癌にも発育に遅速があることが推測された.
抄録全体を表示
-
肝臓移植の適応を考慮して
柿添 三郎, 矢永 勝彦, 岸川 圭嗣, 池田 哲夫, 杉町 圭蔵, 大岩 久夫, 朔 元則, 戸田 武二
1991 年 88 巻 9 号 p.
2107-2112
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
地域国立基幹病院に入院した肝疾患患者に対し, 米国で用いられている肝移植適応基準を用い, 肝移植適応症例の頻度およびその予後を検討した. 1984年1月1日から1986年12月31日までに肝疾患にて入院した成人191人中非肝癌症例131人を上記適応基準を参考にして, I (適応対象群), II (不適応群) に分け, I群に対しA (非禁忌群), B (相対禁忌群), C (絶対禁忌群) と分類すると移植治療の対象となるA, B群は全体の17%を占めた.
1990年4月における予後を見ると, 各群の死亡例は, 各々I群(62%) {A(36%), B(86%), C(100%}, II群 (12%) で, その死因のうち肝不全が占める割合はI群の13例中10例に対しII群では8例中3例であつた.
肝癌症例60例中肝細胞癌57例に対し別に検討したが, 死亡した46例中24例は癌死, また19例は基礎疾患である肝硬変による肝不全あるいは消化管出血が死因であつた.
本適応基準は, 非肝癌症例では本邦においても肝移植適応判定の参考となり得ると考えられ, 地域基幹病院におけるその適応症例数は17%であつた. 肝細胞癌の頻度が高い本邦では今後肝細胞癌に対する肝移植適応基準の作成が必要と考えられる.
抄録全体を表示
-
茶山 一彰, 斉藤 聡, 荒瀬 康司, 池田 健次, 熊田 博光, 酒井 洋子, 小林 万利子, 松本 豊海, Tsuto MORINAGA
1991 年 88 巻 9 号 p.
2113-2118
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
B型慢性肝炎症例612例中, C-100抗体陽性であつた24例の肝炎ウイルスマーカーと臨床的特徴につき検討した. e抗原陽性, 陰性別にみると, C-100抗体陽性例は, e抗原陽性例227例中2例 (0.9%) と少なく, これに対してe抗原陰性例385例中22例(5.7%)と, e抗原陰性例に有意に多く認められた(p<0.01). HCV RNA陽性例も, e抗原陰性例, DNA-polymerase 低値例に高率に認められた. また, e抗原からe抗体に seroconversion (SC) した症例では, SC後にHCV RNAが持続陽性となつた. 以上より, B型, C型肝炎ウイルスは同一個体に感染しうるが, SC後にC型肝炎ウイルスが優勢に増殖すると考えられた. これは, 合併例の治療上, 考慮すべき知見と思われた.
抄録全体を表示
-
早雲 孝信, 中島 正継, 安田 健治朗, 趙 栄済, 向井 秀一, 水間 美宏, 芦原 亨, 水野 成人, 平野 誠一, 池田 悦子
1991 年 88 巻 9 号 p.
2119-2126
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
急性胆嚢炎129例中, 71例に対して経皮経肝胆嚢ドレナージ(PTGBD)を行つた. また, 手術 high risk 症例24例に対して経皮的胆嚢内視鏡下の截石 (PTGBS-L) を行つた. PTGBD施行例では, 70例(99%) で炎症は鎮静化した. PTGBD群と非施行群で臨床所見, US所見についての比較を行い, 数量化理論II類を用いて胆嚢炎重症度の数量化を行つた. 胆嚢の不整壁肥厚, 高度腫大と腹膜刺激症状あるいは筋性防御が重要な所見であつた. さらに重症度スコアーによる検討では, 0.5以上が緊急PTGBDの適応と考えられ, 高齢者などの high risk 症例に対しては, 0以上をその適応とすべきであると思われた. なお, PTGBS-Lでは24例中16例の完全截石に成功した.
抄録全体を表示
-
線維化を中心に
須田 耕一
1991 年 88 巻 9 号 p.
2127-2131
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
急性 (出血性) 膵炎残存膵組織と慢性膵炎の線維化について, ヘモジデリン沈着や間質コラーゲンの態度より比較した. 急性膵炎9剖検例のうち, 残存膵組織の小葉間間質に線維化を7例に認め, その6例にヘモジデリン沈着を伴つていた. これに対し, 慢性膵炎のヘモジデリン沈着は12例中僅か2例で, それらはいずれも腫瘤形成型であつた. 間質コラゲーンの immunoreactivity をみると, 急性膵炎残存膵組織の線維化はいずれも Type IIIが陽性を示したが, Type Iは病悩期間の比較的長い4例に陽性で, 短い経過の3例では陰性であつた. これに対し, 慢性膵炎のそれは Type IとIIIがともに陽性を示した. 以上より, 急性 (出血性) 膵炎はヘモジデリン沈着よりみると慢性膵炎と異なると考えられたが, 間質コラーゲンではI型が病悩期間の短い例においてのみ慢性膵炎と異なるも長い経過例では同様に陽性を示した.
抄録全体を表示
-
各種画像診断法との比較において
向井 秀一, 中島 正継, 安田 健治朗, 趙 栄済, 水間 美宏, 早雲 孝信, 芦原 亨, 水野 成人, 平野 誠一, 池田 悦子, 田 ...
1991 年 88 巻 9 号 p.
2132-2142
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
膵癌切除例26例を対象にEUS, US, CT, Angio. の術前進展度診断能を検討した. その結果, 膵前方被膜浸潤の正診率はEUS77%, US50%, CT38%, Angio. 56% (膵頭部癌のみ), 十二指腸壁浸潤はEUS 81%, US44%, CT38%, Angio. 63%, 膵後面組織浸潤はEUS 77%, US 58%, CT 42%, Angio. 73%, リンパ節転移はEUS 65%, US 58%, CT 38%であり, EUSは膵前方被膜と十二指腸壁浸潤の診断に最も優れていた. また, 膵後面組織浸潤ではEUSと Angio. は同等の診断能を有し, リンパ節転移診断ではEUSとUSは同様な成績であつた. 従つて, これらを組み合わせることにより正診率の向上が期待されたが, いずれの画像診断法においても膵後面の神経組織浸潤の診断は困難であつた.
抄録全体を表示
-
沢田 敦, 黒川 正典, 近藤 真也, 福崎 隆明, 西川 正博, 黒田 耕平
1991 年 88 巻 9 号 p.
2143-2146
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
-
林 伸行, 小森 保生, 林 隆一, 遠藤 茂夫, 新美 忠勝, 森瀬 公友, 木村 昌之, 堀内 洋
1991 年 88 巻 9 号 p.
2147-2150
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
-
山本 宏, 山中 桓夫, 萬代 恵治, 吉田 行雄, 宮田 道夫
1991 年 88 巻 9 号 p.
2151-2155
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
-
堀田 総一, 小山 捷平, 斉藤 洋子, 福富 久之, 大菅 俊明, 折居 和雄, 岩崎 洋治, 伴 慎一, 斉藤 澄, 中村 恭一
1991 年 88 巻 9 号 p.
2156-2161
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
-
奥村 嘉章, 布施 建治, 宮川 明子, 清水 尚一, 小菅 一彦, 井上 久行, 馬場 忠雄, 細田 四郎, 久嶋 亮治, 服部 隆則
1991 年 88 巻 9 号 p.
2162-2165
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
-
和田 秀一, 松尾 恭介, 野沢 敬一, 矢崎 国彦, 鈴木 陽一, 西沢 啓治, 酒井 宏, 古田 精市
1991 年 88 巻 9 号 p.
2166-2170
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
-
小林 研介, 間中 久美, 海老原 洋子, 船津 陽子, 上野 真弓, 船津 和夫, 水野 嘉夫, 竹内 充, 芹澤 宏, 三浦 総一郎, ...
1991 年 88 巻 9 号 p.
2171-2176
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
-
末綱 純一, 藤岡 利生, 藤山 寛三, 本田 昇司, 那須 勝
1991 年 88 巻 9 号 p.
2177-2180
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
-
田村 裕子, 細井 広子, 山中 昭良, 高清水 一善, 佐々部 正孝, 山本 信彦, 大草 敏史, 大久保 靖, 三島 好雄
1991 年 88 巻 9 号 p.
2181-2184
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
-
梶浦 謙, 大草 敏史, 佐々部 正孝, 遠藤 滋, 斉藤 雄介, 佐崎 なほ子, 床井 伸介, 細井 広子, 田村 裕子, 中村 理恵子, ...
1991 年 88 巻 9 号 p.
2185
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
-
斉藤 英明, 西村 英夫, 谷 光憲, 加藤 隆文, 木村 淳, 馬場 勝義, 中村 公英, 秋山 建児, 牧野 勲
1991 年 88 巻 9 号 p.
2186
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー