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六反 一仁
1995 年 92 巻 1 号 p.
1-6
発行日: 1995年
公開日: 2008/02/26
ジャーナル
フリー
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―厚生省難治性の肝炎研究班資料の多変量解析―
高橋 善弥太
1995 年 92 巻 1 号 p.
7-18
発行日: 1995年
公開日: 2008/02/26
ジャーナル
フリー
1983~1988年までの全国集計のウイルス性劇症肝炎564例中,性,年齢,感染症,消化管出血,無尿乏尿の出現,基礎疾患の有無および病型の7項目に欠損値のない518例を用いて,死亡生存の両群で各種治療法(Fischer液,活性炭灌流,血漿交換,グルカゴン・インスリン療法,H
2ブロッカー,ステロイド)の使用頻度を2病型別に比較した.危険率10%以下で有意なものは急性型における活性炭灌流(CHP)と亜急性型におけるFischer液(F液)だけで,ともに死亡群に頻度が高かった.有意な予後要因として,性,病型を除く上記5項目を用いて生死判別ロジスチックモデルを作り,それから計算した各症例のリスクスコアにより,スコア0を超える重症群と0以下の軽症群に分け,各治療法施行と生存率の関係を2病型別に比較した.F液使用は亜急性型の重症群の生存率を半減させていた(
p<0.05).CHPは軽症群で有害の傾向がみられた(
p<0.15).治療施行の有無2群のスコアの平均値に差はなかった.その他の治療法に有意なものはなかった.このモデルにさらに有意な予後因子として,肝性脳症発現日のプロトロンビン%,ビリルビン値,病型を追加したモデルをつくり(有効例数391例),F液とCHPを加えると,いずれも害作用を示した(それぞれ
p=0.042,
p=0.056).このモデルは今後治療法の評価に有用である.Coxの比例ハザードモデルを用いて患者の生存期間に影響する因子を求めると,血漿交換は生存期間を延長していた(
p=0.006).
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上杉 秀永, 中 英男
1995 年 92 巻 1 号 p.
19-25
発行日: 1995年
公開日: 2008/02/26
ジャーナル
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52歳,男性の胃癌患者の腸間膜播種性転移巣から得られた腫瘍細胞より,ヒト胃癌培養細胞株(KE-97)の樹立に成功した.この胃癌は病理組織学的には粘液癌で,一部に低分化腺癌および印環細胞癌を混在していた.腫瘍細胞は,塊状に癒合し浮遊性増殖形式を呈し,倍加時間は約28.8時間であった.スキッドマウスへの癌細胞移植は,2匹全例に腫瘤形成を認め,組織学的には細胞質に粘液空胞が認められた.免疫組織染色では,抗CEA抗体,抗CA19-9抗体,抗ICAM-1抗体に陽性であった.この胃癌症例の剖検所見は,血行性転移(肺,肝)と癌性腹膜炎を広範に認めた.KE-97は粘液癌で,その癌転移機構と細胞学的特性を検索するうえで有用な細胞株と考え報告した.
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守田 万寿夫, 中村 浩, 浦出 雅昭, 廣沢 久史
1995 年 92 巻 1 号 p.
26-31
発行日: 1995年
公開日: 2008/02/26
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ホタルイカ生食後に腸閉塞様症状を呈した症例を12例経験した.摂取後1~2日後より腹痛や腹部膨満感が出現し,腹部単純写真上小腸ガス像,ニボー形成を認めたが,腹膜刺激症状は認めなかった.CRP,白血球数,好酸球数には一定の傾向はみられなかった.イレウス管は挿入せずに絶食,輸液のみにて2~3日で症状は軽快した.ホタルイカの内臓には3.3%の割合で腸閉塞や皮膚爬行症の原因となる旋尾線虫Type-X幼虫が寄生していることから,1993年の8症例に対して,抗旋尾線虫抗体価を間接蛍光抗体法にて測定したところ,8例中陽性5例,陰性3例であった.以上の結果から,腸閉塞様症状の原因として旋尾線虫Type-X幼虫の関与が強く疑われた.
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―製剤別の比較を含めて―
野村 昌史, 垂石 正樹, 蘆田 知史, 綾部 時芳, 栄浪 克也, 斉藤 裕輔, 小原 剛, 柴田 好, 並木 正義
1995 年 92 巻 1 号 p.
32-40
発行日: 1995年
公開日: 2008/02/26
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在宅経腸栄養療法(HEN)を施行した32例のCrohn病をElental群とEnterued群に分けて,製剤別の緩解維持効果を検討するとともに,病型,腸管切除の既往,病悩期間,経口胆汁酸負荷試験(OBATT),radiological lesion score(RLS)の5つの因子と累積緩解維持率の関係について検討した.その結果,累積緩解維持率および累積非入院率は2製剤間に差はみられなかった.因子別に検討すると,小腸大腸型,病悩期間が長い症例,RLSの点数が高い症例では長期に緩解を維持する症例が少なく,特にOBATTの成績が悪い症例は緩解維持率が有意に低かった.今後は,個々の症例ごとにこれらの指標も参考にしながら,HENを実施することが望ましい.
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小林 多鶴子, 川野 正樹, 冨田 豊, 玉野 稔博, 三枝 咲美, 堀中 真子, 門馬 恒夫, 小熊 資男, 柳澤 伸嘉, 大江 毅, 前 ...
1995 年 92 巻 1 号 p.
41-46
発行日: 1995年
公開日: 2008/02/26
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超音波検査(US)ならびに各種画像診断およびaspiration biopsyにより肝血管腫と診断された23例,27病変の腫瘍径,数,US像の変化について追跡検討を行った.追跡期間は,平均44.2カ月(12~114カ月)であった.腫瘍径に変化が認められたのは,増大例3病変(11.1%),縮小例1病変(3.7%),消失例2病変(7.4%)の計6病変(22.2%)であった.肝の良性腫瘍である肝血管腫において,腫瘍径の変化が経時的に認められることは臨床上非常に興味深い.特に慢性肝疾患において小腫瘤性病変の腫瘍径が増大する場合,肝血管腫と原発性肝細胞癌(HCC)との鑑別が画像診断上難しく,今回followした症例中慢性肝障害(CLD)を認めたものは慢性肝炎(CH)7例,肝硬変(LC)5例の12例であり,うちsize変化を認めたものはCHの1例で,この例では消失している.したがって今回の成績からは,CLDのある例での血管腫の増大は認められず,もしCLD例で画像上肝血管腫が疑われても増大傾向があればHCCを考慮し積極的にaspiration biopsyを施行するべきである.
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―肝動脈塞栓術施行例における検討―
林 星舟
1995 年 92 巻 1 号 p.
47-55
発行日: 1995年
公開日: 2008/02/26
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TAE施行肝細胞癌220例を予防群(予防的EIS施行45例),非予防群(予防的EIS未施行31例),RC陰性群(RCsign陽性静脈瘤非合併144例)の3群に分け,肝細胞癌合併食道静脈瘤に対する予防的硬化療法の評価を行った.予防群の静脈瘤累積再発率は1年54%と高かったが,RCsign陽性静脈瘤出現後の累積出血率(2年27%)は非予防群(2年91%)に比べ有意(
p<0.001)に低く,静脈瘤出血死亡率(6%)も非予防群(36%)に比べ有意(
p<0.005)に低下した.50%累積生存期間の比較では,予防群(25.0カ月)は非予防群(12.5カ月)に比べ有意(
p<0.001)に延長し,RC陰性群(21.6カ月)との間には差を認めなかった.以上から,肝細胞癌症例に対する予防的硬化療法の臨床的意義は高いものと考えた.
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寺田 光宏, 馬場 俊之, 太田 雅弘, 斉藤 光浩, 松原 康朗, 伊藤 慎芳, 桜井 幸弘, 神坂 和明, 多賀須 幸男, 安部 孝, ...
1995 年 92 巻 1 号 p.
56-61
発行日: 1995年
公開日: 2008/02/26
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C型慢性肝炎115例を対象に総投与量が500MU以上のIFN治療を施行した.これらを,連日投与期間により2週,4週,8週の3群に分け,各群の治療成績および治療効果予測因子の検討を行った.治療成績に関しては,著効率,著効かつ終了6カ月後の血中HCV-RNA消失率のいずれにおいても,各群間で有意差は認めず,さらに組織学的にも,また肝内HCV-RNAの消失率からみても,その治療成績には各群間で差異を認めなかった.さらに,多重ロジスティックモデルによる多変量解析により,著効に寄与する独立因子を検討したところ,HCVセロタイプと血中HCV-RNA量のみが有意な独立因子であり,セロタイプ2型の症例および低ウイルス量の症例が治療に対する反応性が良好であった.
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中村 公英, 秋山 建児, 牧野 勲
1995 年 92 巻 1 号 p.
62-71
発行日: 1995年
公開日: 2008/02/26
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1年間以上ウルソデオキシコール酸(UDCA)を投与した慢性肝炎患者31例において,肝機能改善効果を有効群と無効群に分け,retrospectiveに検討するとともに,血中胆汁酸分画における影響を比較検討した.無効群16例はB,C型ウイルス肝炎症例であったが,有効群15例中7例はB,Cウイルスマーカーが陰性で自己免疫性肝炎と考えられた.これらの症例は肝機能の著明な改善を認め,7例中5例で抗核抗体の低下を,4例中2例で抗平滑筋抗体の陰性化を認めた.UDCA投与前のHAIscoreは有効群,無効群で差は認められなかったが,投与後有効群では小葉内肝細胞壊死像の改善を認めた.UDCA投与後の血中胆汁酸分析では,有効群では総胆汁酸濃度,UDCA濃度は無効群に比べて低値であり,UDCAの異性体であるイソウルソデオキシコール酸の比率が増加していた.今回の検討でUDCAは自己免疫性肝炎においても有用な治療薬となりうることが示唆された.
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河野 一実, 樫村 雅典, 内田 善仁, 佐々原 勝幸, 田村 香織, 松田 和也, 西岡 幹夫
1995 年 92 巻 1 号 p.
72-76
発行日: 1995年
公開日: 2008/02/26
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市原 透, 堀澤 増雅, 鈴木 夏生, 松井 隆則, 陳 鶴祥, 片岡 政人, 小出 昭彦, 岩瀬 弘明, 須賀 昭二
1995 年 92 巻 1 号 p.
77-81
発行日: 1995年
公開日: 2008/02/26
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岡本 理花, 坂下 俊樹, 西野 雅美, 伊部 直之, 辰巳 靖, 服部 昌和, 斉藤 勝彦
1995 年 92 巻 1 号 p.
82-85
発行日: 1995年
公開日: 2008/02/26
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前田 直人, 西川 睦彦, 山本 哲夫, 川崎 寛中
1995 年 92 巻 1 号 p.
86-89
発行日: 1995年
公開日: 2008/02/26
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木岡 清英, 宋 健二, 西田 慎二, 大庭 宏子, 増市 秀雄, 渡辺 憲治, 森吉 靖子, 根引 浩子, 大川 清孝, 岡 博子, 山田 ...
1995 年 92 巻 1 号 p.
90-94
発行日: 1995年
公開日: 2008/02/26
ジャーナル
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北村 祐子, 塚田 信廣, 厚川 和裕, 品川 丈太郎, 米井 嘉一, 稲垣 恭孝, 宮本 京, 鈴木 修, 川村 陽一, 桐生 恭好
1995 年 92 巻 1 号 p.
95-100
発行日: 1995年
公開日: 2008/02/26
ジャーナル
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橋本 貴至, 星野 信, 早川 富博, 神谷 泰隆, 大原 弘隆, 山田 珠樹, 水野 清, 稲垣 孝憲, 中沢 貴宏, 山田 尚史, 宮治 ...
1995 年 92 巻 1 号 p.
101-105
発行日: 1995年
公開日: 2008/02/26
ジャーナル
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貝沼 修, 原 壮, 谷口 徹志, 朱 〓杰, 千葉 聡
1995 年 92 巻 1 号 p.
106-109
発行日: 1995年
公開日: 2008/02/26
ジャーナル
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