活動期Crohn病に対する, 完全静脈栄養療法(TPN)および成分栄養剤(ED)や半消化態栄養剤(PD)を用いた経腸栄養療法の, 短期治療効果を比較した. 対象は, 活動期Crohn病の初回入院治療例28例(TPN群9例, ED群10例, PD群9例)で, 治療法の選択は無作為に行った. 栄養療法の治療効果は, 炎症所見に対しては, TPN群とED群でPD群より速やかな改善を認めた. 栄養状態, 活動指数および形態学的所見の治療効果や, 臨床的緩解への導入効果は, 治療法で差を認めなかった, 以上の成績より, 活動期Crohn病に対する各種栄養療法の短期治療効果は, ほぼ同等と考えられたが, 炎症所見が強い症例に対しては, TPNまたはEDの選択が適切であると思われた.
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