日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
75 巻 , 10 号
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  • 須川 暢一, 奥村 泰之
    1978 年 75 巻 10 号 p. 1519-1523
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    犬に食道静脈瘤を作成し, 硬化剤注射の効果をみる実験を行つた. 奇静脈の結紮と上大静脈の狭窄によつて犬の上部食道に静脈瘤を35頭中11頭に作成した. Tamiya と Thal の方法で下部食道静脈瘤を15頭中5頭に作成した. 食道静脈瘤の発生した7頭に5% Sodium morrhuate の局注を行つた. 食道静脈瘤は内視鏡的に消失し, 組織検査では注射部位の炎症性変化, 静脈壁の高度の肥厚, 静脈血栓がみられた. 3頭に浅い食道潰瘍が発生したが治癒した. 表層性腹壁静脈瘤に対する Sodium Morrhuate 局注の効果を調べた. 食道静脈瘤の凝固剤局注で治療が可能である事を実験的に示した. 臨床的応用及び検討が大切と思われる.
  • 肥田野 等
    1978 年 75 巻 10 号 p. 1524-1533
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    胃液分泌におけるカルシウムの作用機序を解明するためにラットを用いCaCl2を尾静脈より持続的に投与した. カルシウム4mg/kg-hr負荷時に潅流法により得られた胃液の酸•ペプシン分泌量共に最高値を示した. 同じ負荷により血中カルシウム, 血中ガストリン活性は有意に上昇し, 粘膜内ガストリン活性も胃体部では変化がなかつたのに対し胃前庭部では有意な上昇を示した. テトラガストリンとカルシウムの混合負荷は酸•ペプシン分泌に相乗効果を示さず, antrectomized rat におけるカルシウム負荷も酸•ペプシン分泌に影響を与えなかつた. これらのことからカルシウムの胃液分泌作用においては, 胃前庭部ガストリンの役割が重要であると考えられた.
  • 谷 礼夫
    1978 年 75 巻 10 号 p. 1534-1544
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    胃•十二指腸の良性疾患患者93名および健康人30名を対象として試験食 (市販の流動食罐詰) にする血中ガストリン放出反応および胃排出機能を測定した. また胃酸分泌能をも測定し, 血中ガストリン放出反応と胃酸分泌能および胃排出機能との相関関係を検討した. いずれも推計学的に有意な相関はなく (ただし副交感神経を遮断して排出を遅延させた場合は有意にガストリン放出反応の上昇がみられた), 胃酸分泌能と胃排出機能は本試験食によるガストリン放出反応に重大な影響をおよぼす factor ではないと考えられた. 結局 functionalG cell mass が主要な factor であり, 本試験食によるガストリン放出反応はほぼ functional G cellmass を反映しているものと考えられた.
  • 政本 啓
    1978 年 75 巻 10 号 p. 1545-1554
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    401例の胃ポリープを用いポリープ内にしめる腸上皮化生性上皮の割合により分類し, 悪性化率を比較検討し, 肉眼形態と大きさとの関係をも調べた. 胃ポリープは腸上皮化生性上皮のしめる割合が高くなるに従つて癌や異型上皮の発現頻度が高くなつた. そのなかでほとんど腸上皮化生性上皮で構成されたポリープは癌化率が36.1%と最も高率であつた. ほとんどのポリープは最大径が増すに従つて有茎性ポリープに発育する傾向が見られたが腸上皮化生がポリープの上層にのみ見られ下層には偽幽門線が見られる, いわゆる二層構造を持つたポリープは平盤状のまま成長するものが多いと考えられた.
  • 榊 信広, 河村 奨, 飯田 洋三, 前谷 昇, 有山 重美, 平田 牧三, 渡辺 正俊, 富士 匡, 浜田 義之, 中村 克衛, 竹本 忠 ...
    1978 年 75 巻 10 号 p. 1555-1563
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    吻合部潰瘍の臨床的研究を, 内視鏡検査を中心に行なつているが本編ではとくに狭義の吻合部潰瘍について検討した. 内視鏡検査は, 吻合部潰瘍の診断面のみならず, 病態の解明にも有用であつた. 微少ガラス電極を用いた内視鏡直視下pH測定では, 吻合部潰瘍例では残胃粘膜では強酸性を示した. 内視鏡的コンゴーレッド法では, 吻合部付近を除く全域に黒変がみられた. 拡大胃内視鏡FGS-MLによる胃粘膜微細模様の観察では, 残胃の萎縮性胃炎が吻合部の狭い範囲に限局していることを示した.
    一方, 胃液検査では液量, 酸, ペプシン共に高値を示したが, 血中ガストリンは正常であつた. このように, 形態機能共に正常な胃底腺が保たれている残胃に, 吻合部潰瘍が発生すると考えられた.
  • 安斉 幸夫
    1978 年 75 巻 10 号 p. 1564-1574
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    胃潰瘍の治癒機転を解明するために, 円形潰瘍の治癒経過をX線学的に追跡し, その各時期のX線所見と病理組織所見を対比検討した. 粘膜集中が一点に集中し, 星芒状を呈して治癒する例では, 主として胃壁収縮によつて治癒し, 組織再生による修復は軽微であつた. 治癒経過中に粘膜ひだ中断像を呈する例では, その出現時期までは胃壁収縮により縮小し, その後は組織再生と胃壁収縮によつて治癒する. その組織再生の治癒機転が関与する範囲は4mmから6mmまでであり, その間の治癒経過は胃壁収縮による縮小経過に比較して遷延する.
    難治性潰瘍とは, 胃壁収縮が関与しにくいため, 粘膜再生のみによつて治癒が営なまなければならないので治癒が遷延する潰瘍である.
  • 田中 義憲, 福本 圭志, 中島 正継, 三崎 文夫, 川井 啓市
    1978 年 75 巻 10 号 p. 1575-1584
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    琵琶湖胃腸病院における1972年3月より5年間の十二指腸潰瘍症例1,217例の内視鏡的経過観察結果より, 再発例182例における潰瘍および瘢痕の数と型の移行を明らかにした. その資料をもとに十二指腸潰瘍の経年的推移にマルコフ過程の確率理論が応用できることを証明し, 再発率の推定結果および来院頻度の検討結果を組合せることにより, 手術対象となる頻度の高い線状および多発潰瘍の長期的発生頻度の推定という意味から, 十二指腸潰瘍の予後のモデル作成を試みた. その結果, 来院時およそ6:3:1であつた単発, 多発および線状潰瘍の比率は6年を経過して, その比率が5:2:3に近づくことが明らかとなり, 十二指腸潰瘍の約30%が線状潰瘍に移行しまた半数以上が手術対象となる頻度の高い線状および多発潰瘍へ移行して行くと推定された.
  • 津久井 一, 関根 毅, 山崎 匡, 亀山 仁一
    1978 年 75 巻 10 号 p. 1585-1596
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    Heidenhain pouch 犬を用い, 外胆汁瘻と内胆汁瘻としての胆のう空腸吻合 (Roux-Y) を行ない, 食餌刺激による胃酸分泌と血清ガストリン値の変動について検討した.
    外胆汁瘻では胃酸分泌亢進はみられなかつたが, 胆のう空腸吻合では胃酸分泌亢進が認められ, 6頭中4頭では酸分泌量は対照の約2倍の有意の増加を示した. しかし, 血清ガストリン値は両術式のいずれでも増加を示さず, 一定の傾向は認められなかつた. また, 同一犬において胆のう空腸吻合 (Roux-Y) 後に, 同一空腸係蹄を用いて空腸係蹄十二指腸吻合を行なつたが, 胃酸分泌は対照に比して著明な亢進を示した. しかも, この際, 血清ガストリン値には一定の傾向は認められなかつた. なお, 胆のう空腸吻合において6頭中2頭に胃の多発性急性潰瘍が認められた. 以上の成績から, 胆汁の十二指腸への流出欠如による胃酸分泌亢進には脂肪の消化不全, 肝障害因子, さらに上部小腸での胃分泌抑制ホルモンの放出の減少のみならず, 上部空腸に直接胆汁が流出することにより放出される, ガストリンとは別の胃分泌刺激物質の存在の可能性を示唆するものと考えられた.
  • 伊藤 漸, 本多 隆一, 中村 卓次, 浅野 高正, 江浦 君夫, 林 耕三
    1978 年 75 巻 10 号 p. 1597-1605
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    意識下のイヌを用い, 消化管内pHを長期間連続して記録することは消化器の生理, 特に各種臓器の調節機構を解析する上で極めて重要な手段である. こうした試みは1940年頃から主としてヒトで指示電極を嚥下させて行われて来たが, 電極の位置ぎめと固定の困難さが障害となつて来た. イヌにわれわれが開発したdrainage tube を植込み, この system に挿入可能な小型かつ鋭敏な反応性を有する安定性の高いpH電極の開発を行い, 満足すべきpH電極とそのsystem を完成させた.
    即ち, ガラス膜の直径2.5mm, 支持管の直径3mm, 長さ30mmの複合電極であり, これに塩化ビニール製のキャップを装着し防水加工したものである. この電極を drainage system 内に挿入固定することにより胃や十二指腸における管内pHは極めて高い精度で安定して長期連続記録が可能となつた. 得られる記録は同時にpH7.0を中心に酸性側, アルカリ性側で夫々積分すれば, 一定時間内のpHの変化をmVと時間の積の形で定量化することが出来, 本法によつて消化管内pHの変化を定性的にも定量的にも解析することが出来る. このことは, 例えば消化管粘膜から放出される消化管ホルモンの放出機序の解明や, 潰瘍発生の原因をさぐる手段として, 今後大いに利用し得るものと考えられる.
  • 丸山 泉, 江畑 浩之, 長田 英輔, 前山 豊明, 安倍 弘彦, 谷川 久一
    1978 年 75 巻 10 号 p. 1606-1612
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    フェノバルビタールを前投与した家兎に四塩化炭素を投与し, 実験的急性肝不全を作製し経時的に凝固線溶学的検査を行なつた. 四塩化炭素投与後24時間で, prothrombin time, partial thromboplastin time は著明に延長, Fibrinogen 値, 凝固第VIII因子, 血小板数は低値を示し, Fibrin/Fibrinogen degradation products は上昇を示し, 凝血学的に, Disseminated Intravascular Coagulation を考えさせる所見を得た. また四塩化炭素と同時にヘパリンを投与した群では, 凝血学的所見に改善を認め, 有効性を考えさせるものであつた. 組織学的には, 四塩化炭素投与後24時間で死亡した1例で, 肝, 腎, 肺, 脾に多発したフィブリン血栓を認めた.
  • 石谷 邦彦, 赤沢 修吾, 前口 邦雄, 呉 禎吉, 村上 俊吾, 近藤 敦, 漆崎 一朗
    1978 年 75 巻 10 号 p. 1613-1622
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    ヒト肝臓 ligandin を用いて radioimmunoassay 法による, ヒト血清 ligandin の定量を実施し, 肝疾患における臨床応用を試みた. (1) 測定法の感度は5ng/ml~1,000ng/mlで再現性, 特異性に富み, 正常ヒト血清 ligandin 値は平均10.2±3.5ng/mlであつた. (2) 急性肝炎は平均199.6±72.1ng/ml, 慢性肝炎活動型で平均66.2±48.5ng/ml, 肝硬変症は平均21.6±13.6ng/ml, 肝癌42.3±20.1ng/mlで他の疾患は総じて正常値を示し, 肝細胞障害を良く反映する結果を得た. (3) 血清 ligandin 値は血清 transaminase 値と高い相関を示し, 肝炎治癒に伴ない血清 transaminase 値より早期に正常値へ回復した. 以上より肝疾患における血清ligandin 値の radioimmunoassay 法による測定は肝細胞障害の診断的意義と共に予後判定の上で重要な parameterとなり得ると考えられた.
  • 高安 賢一, 武者 広隆, 中嶋 征男, 高圓 博文, 大久保 秀樹, 河野 邦彦, 福山 悦男, 小藤田 和郎, 奥田 邦雄
    1978 年 75 巻 10 号 p. 1623-1633
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    肝疾患70例に肝静脈カテーテル法を施行し, 造影所見から肝静脈枝の変化をI~IV群に, 類洞充えい像をa~c群に分けて疾患別に検討を加えた. その結果, 肝硬変症の73.2%はIII以上の変化の強い群に属し, 他肝疾患の79.3%はII以下の軽度変化群に属した. A群の86.4%は肝表面が平滑であるのに対し, C群では全例3mm以上の結節が認められた. 又本分類は食道静脈瘤の程度を良く反映した. 更に造影所見III-b以上, 補正閉塞肝静脈圧150mmH2O以上, ICG肝除去率45%以下の3つの異常変化項目中2項目以上を示せば, ほぼ肝硬変と診断できるのに対し, これらの変化を示さない場合は肝硬変と言い難い. 本方法は安全性も高く, 各種肝疾患の病態把握や鑑別に有用な手段である.
  • 松川 昌勝, 富田 志朗, 伊沢 友明, 田畑 育男
    1978 年 75 巻 10 号 p. 1634-1640
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    ERCPで診断した先天性胆道拡張症11例の胆膵管合流形式ならびに胆膵管末端像の検討を行つた. 胆膵管合流形式は8例 (73%) に異常形式がみられ, 胆膵共通管の長さが対照群に比べ長かつた. 総胆管末端の特徴として, 膵管合流部直上の狭窄像があげられ, 膵管の変化は, 胆膵管合流形式によつて異なり, 胆管に膵管が合流する症例では膵管開口部 notch の除, 膵管に胆管が合流する症例では膵頭部膵管の拡張が特徴と考えられた.
    本症の病因として, 先天的要因の異常胆膵管合流形と, 後天的要因の膵液の胆管内逆流の両者が推測された.
  • 谷山 松雄, 朝倉 均, 日比 紀文, 土屋 雅春, 加野 象次郎, 竹下 栄子, 菅野 剛史
    1978 年 75 巻 10 号 p. 1641-1646
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
  • 池田 有成, 木村 洸, 前田 平生, 田川 一海, 楠瀬 博人, 鵜沼 直雄
    1978 年 75 巻 10 号 p. 1647-1652
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    Three cases of chronic intrahepatic cholestasis with Sjögren's syndromes were reported. Sjögren's syndrome was diagnosed by clinical features, Schirmer test and sialography in case 1 and 2. In case 3, the syndrome was suspected by clinical pictures and positive Schirmer test. All cases were female of over middle age, and serum alkaline phosphatase was makedly increased. Although increased IgM and positive anti-mitochondrial antibody suggested primary biliary cirrhosis in case 1 and 2, degenerative and necrotic alteration of the bile ducts which was pathognomonic to primary biliary cirrhosis was not observed. In case 3, lymphocyte and plasma cell infiltration and decrease and destruction of bile ducts were evident histologically. Sjögren's syndrome is suggested to be a generalized disease with hypofunction of exocrine glands by autoimmune mechanism. In some cases of intrahepatic cholestasis including primary biliary cirrhosis, autoimmune reaction is suspected by the positive autoantibody. Interrelation of Sjögren's syndrome and intrahepatic cholestasis was discussed.
  • 神坂 和明, 岡 芳知, 都留 正展, 平野 正憲, 岡野 健一, 寺野 彰, 松本 和則, 加藤 善久, 八辻 行信, 本木 達也, 上井 ...
    1978 年 75 巻 10 号 p. 1653-1657
    発行日: 1978年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
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