消化性潰瘍, 特に胃潰瘍と胃酸分泌の関係を検討するため, 正常8例, 十二指腸潰瘍9例, 胃潰瘍31例の入院患者につき胃液検査を施行した. 刺激剤としてはガストリン様テトラペプタイド4γ/kgを用い, 成績の統一性をはかるため Phenol red dilution 法を利用し, pH計で酸度を測定した.
胃潰瘍は病期別, 治癒傾向に分類し, 13例については2回の胃液検査を施行し潰瘍の経過と酸分泌の関係を検討したが, 胃潰瘍は酸分泌能の高低に関係なく発生し, また酸分泌能と治癒傾向の間には相関を認めなかつた. しかし, 治癒についてMAOには変化がないがBAOが減少してゆくことを認め, 難治化してゆくものにはBAOの減少を認めなかつた.
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