日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
105 巻 , 7 号
選択された号の論文の13件中1~13を表示しています
総説
  • 朴 成和
    2008 年 105 巻 7 号 p. 987-993
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/07/07
    ジャーナル フリー
    近年の消化器癌に対する化学療法の進歩はめざましい.周術期補助化学療法については,大腸癌だけでなく食道癌,胃癌,膵癌においても有効性が示され,集学的治療により外科的切除術の治療成績が向上した.一方,切除不能·再発消化器癌については,胃癌においては本邦から比較試験の結果が報告されたことにより標準治療が確立され,大腸癌においては欧米からのに対するエビデンスにより分子標的薬が導入された.膵癌,胆道癌においては,第II相試験の良好な成績が報告されたことにより新薬が承認され,現在進行中の比較試験の結果が待たれる.これらのエビデンスに基づいた日常診療の再構築が重要である.
今月のテーマ:消化管癌に対する内視鏡治療と鏡視下手術の適応-上部消化管-
  • 河野 辰幸
    2008 年 105 巻 7 号 p. 994-1002
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/07/07
    ジャーナル フリー
    食道表在癌に対する主な治療法はEMRと食道切除再建術であり,化学放射線療法(CRT)の適応も拡大しつつあるが,位置付けはなお不明確である.粘膜癌のほとんどはEMRにより根治が得られ,内視鏡治療の適応を外れた例や,EMR後に転移リスクの高いことが判明した例は外科治療やCRTの適応となる.内視鏡治療ではEMRに加えESDが保険収載され,急速な普及が見込まれる.しかし,既にEMRを中心とする内視鏡治療の適応は広く局所制御成績も非常に良好であるため胃や大腸の場合と異なり,内視鏡切除術の適応拡大,生存率やQOLの向上には大きく影響しない可能性が高い.胸腔鏡下食道切除術は臨床研究段階にあるが,粘膜下層癌はその最も良い適応病変の1つである.
  • 後藤田 卓志
    2008 年 105 巻 7 号 p. 1003-1011
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/07/07
    ジャーナル フリー
    現在示されている内視鏡切除の対象となる早期胃がん病変は,外科切除症例を用いた組織学的検討による遡及的解析から判明した「リンパ節転移のない病変の条件を満たす"可能性が高い"病変」である.よって,根治性の評価においては,完全な術前診断法がない現状では切除標本による"組織学的検索による適応の正誤判定"が必要となる.リンパ節郭清の必要性の有無を検討するためには,深達度や脈管侵襲などの詳細な組織学的検索が必須条件である.そこで,内視鏡切除では正確な評価のために一括切除が重要となる.最近の内視鏡的粘膜下層剥離術の開発によって,一括切除率は向上し内視鏡切除の対象病変の拡大が可能となった.
  • 宇山 一朗
    2008 年 105 巻 7 号 p. 1012-1016
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/07/07
    ジャーナル フリー
    近年,早期胃癌に対する腹腔鏡下手術施行症例は年々増加の一途をたどっている.日本胃癌学会が作成した胃癌治療のガイドラインによると,早期胃癌に対する腹腔鏡下手術は臨床研究としてStage IBまで認められており,このステージでは標準リンパ節郭清であるD2リンパ節郭清が必要とされる.特に,T1, N1のStage IB症例では確実なD2リンパ節郭清が予後に大きく影響を及ぼす可能性が高い.しかし腹腔鏡下D2リンパ節郭清の手技的難易度は高く,この手技を確実にこなせる外科医は現時点では多くない.そこでStage IB症例に対する腹腔鏡下手術の適応は無作為割付比較試験(RCT)が必要と判断される.
座談会:消化管癌に対する内視鏡治療と鏡視下手術の適応-上部消化管-
症例報告
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