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中村 信治, 小山 文一, 中川 正, 内本 和晃, 大槻 憲一, 植田 剛, 錦織 直人, 藤井 久男, 中島 祥介, 榎本 泰典, 野々 ...
2011 年 108 巻 7 号 p.
1222-1230
発行日: 2011年
公開日: 2011/07/06
ジャーナル
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症例は63歳,von Recklinghausen病の女性.精査にて空腸GISTによる出血と診断し手術を施行した.空腸病変以外に小腸全域に小結節を多数認めたため,主病変中心の小腸部分切除を行った.von Recklinghausen病合併小腸多発GISTに対する治療方針,またイマチニブに対する有用性は確立していない.現在イマチニブを投与せず外来通院中であるが微細病変の増悪などは認めていない.
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山本 高照, 進士 明宏, 武川 建二, 太田 裕志, 小松 健一, 小松 通治, 山村 伸吉, 中村 智次
2011 年 108 巻 7 号 p.
1231-1236
発行日: 2011年
公開日: 2011/07/06
ジャーナル
フリー
症例は,33歳女性.主訴は血便.5カ月前から血便が持続し,大腸内視鏡検査で,下部直腸から肛門縁にかけて約3cm大の易出血性の結節集簇性病変を認め,生検でMALTリンパ腫と診断した.stage Iで,
H. pylori陽性のため除菌療法を行ったが,逆に悪化し,局所に30Gyの放射線療法を行ったところ血便は消失し,組織学的にも完全寛解となった.有害事象として早期閉経を認めた.妊孕性に対する影響が問題であるが,限局性直腸MALTリンパ腫に対して,放射線療法は有効と考えられた.
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小原 浩, 加藤 裕佳子, 中野 雅, 石井 靖久, 芹澤 宏, 渡辺 憲明, 若林 寛二, 常松 令, 熊谷 直樹, 土本 寛二, 日比 ...
2011 年 108 巻 7 号 p.
1237-1243
発行日: 2011年
公開日: 2011/07/06
ジャーナル
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26歳女性.発熱と全身倦怠感のため来院.肝逸脱酵素上昇,HBs,HBeとも抗原陽性,HBc-IgM高値で急性B型肝炎と診断.PT活性低値で劇症化が予測されステロイドパルス療法,シクロスポリン,エンテカビル,IFN-β投与を行った.無症状ながら19病日CTで腸管気腫性嚢胞が確認されステロイド療法を中止し,徐々に軽快した.本疾患の多くはステロイド慢性投与例で,本症例の如く短期間パルス療法ではまれである.
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東山 明日美, 工藤 峰生, 長佐古 友和, 川村 直之, 安孫子 怜史, 山本 洋一, 高野 眞寿, 後藤 順一, 玉置 透, 目黒 順一 ...
2011 年 108 巻 7 号 p.
1244-1251
発行日: 2011年
公開日: 2011/07/06
ジャーナル
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症例は71歳男性.好酸球増多で発症し精査の結果直腸原発低分化型腺癌による骨髄浸潤の診断となる.人工肛門造設術のみ行った後に骨髄癌腫症による播種性血管内凝固症候群(DIC)を発症した.mFOLFOX6による化学療法が著効し,好酸球数は正常化し,DIC,腫瘍マーカーも改善し,5カ月経過後も化学療法を継続している.骨髄癌腫症は一般に極めて予後不良であるが,早期に病理診断を得て化学療法を開始した結果著効が得られた.
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村脇 義之, 河野 通盛, 三浦 将彦, 杉原 誉明, 谷村 隆志, 大嶋 直樹, 田中 新亮, 吉村 禎二, 山田 稔, 吉田 学
2011 年 108 巻 7 号 p.
1252-1262
発行日: 2011年
公開日: 2011/07/06
ジャーナル
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症例は72歳,男性.アルコール性肝硬変の検査目的に受診.造影CT検査で肝S6に7mmの早期濃染を認めた.この病変は次第に増大し,1年後には30mm大となった.腫瘍生検を3回繰り返し,1年9カ月後に40mm大で肝血管肉腫と診断した.診断後,肝動脈化学塞栓療法とinterleukin-2療法を行ったが効果なく,発見から2年10カ月で死亡した.肝血管肉腫の画像所見を小病変から経時的に追うことができた貴重な1例として報告する.
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瀧田 麻衣子, 岩崎 栄典, 鳩貝 健, 岸野 竜平, 関 恵理, 泉谷 幹子, 前田 憲男, 中澤 敦, 水城 啓, 半田 寛, 下山 豊 ...
2011 年 108 巻 7 号 p.
1263-1270
発行日: 2011年
公開日: 2011/07/06
ジャーナル
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症例は57歳の男性,十二指腸,大腸,肝臓へ直接浸潤と,多発リンパ節転移をともなった進行胆嚢癌であった.gemcitabine(GEM)+S-1併用療法を開始した.6コース後に部分奏効と診断し,10コース後に拡大胆嚢摘出術を施行した.病理検査では底部よりに5×3mmの範囲で低分化腺癌が残存するのみであった.進行胆嚢癌に対してGEM+S-1併用療法が有用であった症例を経験したので報告する.
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柴崎 泰, 坂口 孝宣, 西山 雷祐, 森田 剛文, 大石 康介, 鈴木 淳司, 稲葉 圭介, 福本 和彦, 鈴木 昌八, 今野 弘之
2011 年 108 巻 7 号 p.
1271-1279
発行日: 2011年
公開日: 2011/07/06
ジャーナル
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症例は48歳の男性.40歳時に黄疸を契機に発見された肝門部胆管癌に対して拡大肝右葉切除を施行された.切除断端,リンパ節転移は陰性であった.術後8年目に腹腔動脈周囲と左鎖骨上窩リンパ節再発を認め,リンパ節生検にて肝門部胆管癌切除標本に非常に類似した癌組織を認めた.胆管断端粘膜表層癌遺残によって胆管癌切除5年目以降に局所再発した症例は散見されるが,本症例のような報告はまれであり若干の文献的考察を加え報告する.
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山下 泰伸, 伊藤 啓, 野田 裕, 小林 剛, 尾花 貴志, 洞口 淳, 加藤 雄平, 越田 真介, 菅野 良秀, 小川 貴央, 藤田 直 ...
2011 年 108 巻 7 号 p.
1280-1287
発行日: 2011年
公開日: 2011/07/06
ジャーナル
フリー
症例は50歳女性.40歳時,急性膵炎の診断で入院し,CTで単房性嚢胞を認め,膵仮性嚢胞と診断した.以後外来で経過観察していた.嚢胞は一旦縮小し,その後再増大,cyst in cyst所見を認め,膵粘液性嚢胞腫瘍(MCN)と診断し,手術を施行した.病理組織学的に膵粘液性嚢胞腺腫であった.10年間と長期間経過観察されたMCNはまれで,仮性嚢胞を生じたり,径を減じる時間帯を持ちながら経過をたどることを画像で捉えた報告はなく,自然史を考える上で貴重な症例と考え報告する.
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