日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
118 巻, 3 号
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今月のテーマ(総論):炎症性腸疾患におけるTreat to Targetのエビデンス
  • 猿田 雅之
    2021 年 118 巻 3 号 p. 193-202
    発行日: 2021/03/10
    公開日: 2021/03/10
    ジャーナル フリー

    潰瘍性大腸炎とクローン病に代表される炎症性腸疾患(IBD)は増加の一途を辿り,いまだ完治させることはできないが,有効な治療薬の開発は進んでいる.近年のIBD治療の大きな転機は抗TNF-α抗体の登場で,高い寛解率と維持率から治療史を変える薬剤となった.以降,サイトカインを標的とした抗体療法の開発が続いているが,一方で抗薬物抗体の出現による二次無効の問題も懸念されている.現在,慢性炎症の制御を目的としたリンパ球の遊走や侵入を抑える薬剤や,炎症性サイトカインの結合後に誘導される細胞内シグナルを標的とした薬剤も登場している.本稿では,新規に展開するIBD治療薬の現状を示し,治療の将来展望についても概説する.

今月のテーマ(総説):炎症性腸疾患におけるTreat to Targetのエビデンス
原著
  • 谷内 恵介, 岡林 雄大, 阪口 昌彦, 岩田 純
    2021 年 118 巻 3 号 p. 235-244
    発行日: 2021/03/10
    公開日: 2021/03/10
    ジャーナル フリー

    膵癌の浸潤・転移機構の解明を目指した研究を行っている.膵癌細胞の葉状仮足に局在し,浸潤・転移に関わるPODXLとSCGB1D2を同定した.PODXLとSCGB1D2が膵管内乳頭粘液性腫瘍および膵管内乳頭粘液性腺癌の血清診断マーカーとして有用であるかを検討する臨床試験を行った結果,PODXLは膵管内乳頭粘液性腫瘍の診断に対して,またPODXLとSCGB1D2は膵管内乳頭粘液性腺癌の診断に対して有用であることを示す結果を得た.血清のPODXLとSCGB1D2濃度を測定することにより,侵襲なく効率的に膵管内乳頭粘液性腫瘍を発見し,手術が必要となる膵管内乳頭粘液性腺癌の診断に有用であると考えられる.

症例報告
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