日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
106 巻 , 5 号
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総説
  • 深柄 和彦
    2009 年 106 巻 5 号 p. 623-630
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/05/07
    ジャーナル フリー
    消化器疾患では消化器の病変がゆえに食止め,静脈栄養が選択されることが多い.しかし,「腸管が使用可能であれば腸管に栄養を投与する」ことが現在の栄養療法の基本である.それは,腸管の使用によって,正常な生体反応·生体防御能が維持されることが明らかになってきたことによる.病態·病期によって,静脈栄養と経腸栄養のいずれを選択すべきか考え,また,さまざまな生体反応を修飾する作用をもつ免疫栄養の投与も視野に入れつつ適切な栄養療法を行う必要がある.
今月のテーマ:消化器疾患とNST
  • 古賀 秀樹, 山口 貞子, 寺本 房子, 松本 主之, 飯田 三雄, 久保 千春
    2009 年 106 巻 5 号 p. 631-638
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/05/07
    ジャーナル フリー
    疾患管理で,共通して基本になるのが栄養管理である.炎症性腸疾患,慢性肝疾患,膵炎の急性期では個別的な知識が必要である.クローン病では原疾患の治療に主眼が置かれた栄養療法が施行されるが,炎症の推移のみならず合併症の有無にも注意しながらモニタリングする.潰瘍性大腸炎での栄養療法は補助療法でしかない.慢性肝疾患では,アミノ酸バランス,糖代謝異常,鉄や亜鉛の異常に注意する.膵炎では,可能な限り早期に経腸栄養を開始することが推奨され始めている.また,NSTで診療科を超えた対応をする際に,頻繁に遭遇するのが経腸栄養療法中の下痢である.経腸栄養に起因する下痢と決めつけず,器質的疾患や薬剤の影響に注目し,不必要な経腸栄養の中止を防止しなければならない.
  • 松崎 靖司
    2009 年 106 巻 5 号 p. 639-645
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/05/07
    ジャーナル フリー
    肝硬変患者に対し,腹水管理,栄養補給,肝性脳症予防,良好なQOLの維持などを目指しNSTは施行されている.肝疾患における栄養療法の必要性に行われるものである.これらを通して患者さん個々の栄養管理を通して,いかによりよいQOLを過ごせるかを考えねばならない.患者の栄養状態を評価し総合的に患者ごとの指摘エネルギーを評価することからNSTは始まる.各職種の人たちが目的を共有し患者の全体像と生活の質の向上をNSTとして積極的に関わっていく必要がある.NSTをうまく稼働することで1患者の生活レベルを向上させることを今後いかに推進するかが今後の重要な課題であろう.
  • 田中 芳明, 朝川 貴博
    2009 年 106 巻 5 号 p. 646-652
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/05/07
    ジャーナル フリー
    肝疾患は,病状の進行·増悪にともないエネルギー代謝などの異常が出現するため,代謝栄養療法が必須となり,栄養サポートチーム(nutrition support team; NST)の役割は非常に重要である.中でも急性肝不全をきたす劇症肝炎と慢性肝障害の終末像である肝硬変症は特に厳密な栄養管理が必要である.急性肝不全では,エネルギー消費が増大しているにもかかわらず,各栄養素の代謝効率は著しく障害されているのが特徴である.肝硬変症では,蛋白·エネルギー栄養障害(protein energy malnutrition; PEM)を呈し,蛋白異化亢進と代謝不全が臨床的に最も重要な問題である.急性·慢性肝障害ともに,栄養障害に陥ると死亡率が増加するため病態を十分に理解し,患者の栄養管理を行うことが重要である.
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