ex vivo isolated liver perfusionを用いてプロスタグランジンE
1(PGE
1)の利胆効果を検討した.対照群(正常肝)では肝灌流開始60分後に灌流が安定し,PGE
1濃度が2.5μg/
lのときに有効な利胆効果がみられた.総胆管結紮後に自然再開通をみた黄疸解除群ではPGE
1を添加しないPGE
1(-)群に比して2.5μg/
lのPGE
1を添加したPGE
1(+)群で門脈血流量,胆汁分泌量ともに有意に増加した.しかし,両群間に総胆汁酸排泄量の差は認めなかった.また,PGE
1(+)群では灌流液中のc-AMP濃度は増加した.以上より,PGE
1は閉塞性黄疸解除後の肝においても門脈血流を増加させ,c-AMPを介して胆汁酸非依存性胆汁分泌を増加させるものと推察された.
抄録全体を表示