患者は54歳,女性.便潜血陽性の精査で,最大5 mm程度の大腸ポリープを34個認め生検では腺腫の診断であった.家族歴では,父親が76歳時に約80個の多発性大腸ポリープと進行大腸癌,弟が47歳時に早期大腸癌および約30個の多発性大腸ポリープを指摘されていた.遺伝子検索では,
APC遺伝子のexon 4に生殖細胞突然変異を認めた.患者の弟,娘にも同様の
APC遺伝子変異が検出された.以上,臨床的特徴と合わせてAFAPと診断した.本症例では,5 mm大のポリープは内視鏡的に切除し,厳重に経過観察を行っている.
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