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―血清中IAP値およびCD3,CD4,CD8陽性細胞数との比較―
仁木 正己, 岡島 邦雄, 磯崎 博司, 豊田 昌夫, 一ノ名 正, 野村 栄治, 藤井 敬三, 泉 信行, 大山 直雄
1996 年 93 巻 5 号 p.
303-311
発行日: 1996/05/05
公開日: 2008/02/26
ジャーナル
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胃癌術前患者における血漿中TGF-β
1値を測定し,その臨床的意義を検討するとともに,血清中immunosuppressive acidic protein(IAP)値の測定および胃癌患者末梢血中のリンパ球表面抗原(CD3,CD4,CD8)陽性細胞数を測定しTGF-β
1値との相関についても検討した.胃癌術前患者の血漿中TGF-β
1値は,低分化型進行胃癌患者が分化型進行胃癌患者,早期胃癌患者,健常人に比べ高値であり,肉眼型では浸潤型が限局型に比べ高値であった(
p<0.05).
さらに,TGF-β
1値は,IAP値と有意な正の相関がみられ,CD3,CD4陽性細胞数はいずれもTGF-β
1高値群(TGF-β
1値≥5ng/m
l)が低値群(TGF-β
1値<5ng/m
l)より有意に少なかった.また,TGF-β
1値はCD3,CD4陽性細胞数と有意な負の相関を示した.
以上の結果,低分化型で浸潤傾向の強い進行胃癌患者において血漿中TGF-β
1値は高値を示した.また,TGF-β
1値が高値を示した症例は高度進行胃癌症例であり,全身的な細胞性免疫能も低下していた.
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青山 庄, 樋上 義伸, 高橋 洋一, 吉光 裕, 草島 義徳, 広野 禎介, 高柳 尹立, 赤尾 信明, 近藤 力王至
1996 年 93 巻 5 号 p.
312-321
発行日: 1996/05/05
公開日: 2008/02/26
ジャーナル
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1994年春,ホタルイカを内臓ごと生食後に旋尾線虫幼虫type Xによると思われる急性腹症を呈した10例を経験した.症状では,全例に腹痛,9例に嘔気・嘔吐,4例に下痢,6例に腹水を伴った腸閉塞と1例に皮膚爬行疹を認めた.検査所見では,経過中において,全例に末梢血の好酸球増多,9例に血清IgE値増加が認められた.ホタルイカ内臓の約3%に旋尾線虫幼虫type Xが寄生しているとの報告から,その抗体価を測定したところ,9例中7例で陽性を示した.1例では,腹膜炎の診断で回腸部分切除術が行われ,組織学的に,局所的なびらんと粘膜下層内に著明な好酸球とリンパ球浸潤を伴う炎症所見が認められたが,9例は保存的治療で軽快した.
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二村 直樹, 中村 栄男, 越川 卓, 須知 泰山, 小島 勝, 鬼束 惇義, 林 勝知, 広瀬 一
1996 年 93 巻 5 号 p.
322-330
発行日: 1996/05/05
公開日: 2008/02/26
ジャーナル
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非免疫不全例の消化管原発悪性リンパ腫85例と,鼻腔および鼻咽頭原発悪性リンパ腫11例におけるEpstein-Barr virus(EBV)の局在の有無をEBV encoded small RNAsに対する
in situ hybridization法を用いて比較検討した.消化管原発リンパ腫の発生部位の内訳は歯肉3例,舌1例,口蓋3例,扁桃10例,胃43例,空腸2例,回腸12例,回盲部3例,結腸5例,直腸3例であり,免疫学的表現型は83例がB細胞性,2例がT細胞性であった.EBV陽性率は85例中,扁桃原発B細胞リンパ腫1例,胃原発B細胞リンパ腫2例,直腸原発T細胞リンパ腫1例の計4例,4.7%と,鼻腔および鼻咽頭原発リンパ腫における陽性率81.8%(9/11)に比して低率であり,非免疫不全例の消化管原発悪性リンパ腫では異なるoncogenetic factorが存在すると考えられた.
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佐藤 重信, 椿 哲也, 賀古 眞, 金井 弘一
1996 年 93 巻 5 号 p.
331-337
発行日: 1996/05/05
公開日: 2008/02/26
ジャーナル
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超音波パルスドプラ法を用いて各種肝疾患および正常人の門脈血流量(PV),脾静脈血流量(SV),うっ血係数(CI)および脾静脈/門脈血流量比(SV/PV%)を測定し,以下の結論を得た.(1)うっ血係数の計測でみると門脈圧は慢性活動性肝炎の段階から増加しはじめていると考えられた.(2)脾静脈血流量は慢性肝炎から増加が始まり,肝硬変症ではさらに増加しており肝硬変症での門脈圧亢進に影響していると考えられた.(3)脾静脈血流量の増加は肝内門脈血流成分の変化を引き起こし肝予備能の低下に関与する可能性が考えられ,肝機能の指標になると考えられた.(4)脾静脈/門脈血流量比は食道静脈瘤合併肝硬変で急増することから静脈瘤合併の有無の予測に有用な指標になりうると考えられた.
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越山 肇
1996 年 93 巻 5 号 p.
338-346
発行日: 1996/05/05
公開日: 2008/02/26
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体外衝撃波破砕療法にて有効破砕と判定された67例を消失群と非消失群に分け消失に関与する因子につき検討した.胆道系の機能との関連を肝胆道シンチグラフィ(胆道シンチ)から,さらにERCP,超音波検査,CT,腹部単純写真による所見も検討した.胆道シンチでは消失群で有意に胆嚢出現時間が長く,収縮率が高く,胆嚢排出RIが多く,さらに胆道内逆流のないものが多かった.土屋分類と消失率には有意の相関があり,Ia,Ibに消失率が高かった.CT値は消失群で有意に低かった.以上より消失因子として胆石の質的要因に加えて胆道シンチ上で胆汁流出障害のみられないことが重要であると考えられた.
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前川 透, 岡田 明彦, 河南 智晴, 松島 由美, 朝原 正京, 出射 由香, 岸 清彦, 福田 治彦, 中田 裕久, 木下 芳一, 千葉 ...
1996 年 93 巻 5 号 p.
347-350
発行日: 1996/05/05
公開日: 2008/02/26
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池田 みどり, 渡辺 伸一郎, 小島原 典子, 白鳥 敬子, 土岐 文武, 林 直諒, 上野 恵子, 中迫 利明, 今泉 利秀
1996 年 93 巻 5 号 p.
351-356
発行日: 1996/05/05
公開日: 2008/02/26
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本多 啓介, 大谷 公彦, 井上 滋夫, 西下 千春, 水野 充, 加藤 智弘, 鴨井 隆一, 星加 和徳, 飯田 三雄, 吉田 和弘, 清 ...
1996 年 93 巻 5 号 p.
357-361
発行日: 1996/05/05
公開日: 2008/02/26
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澤井 照光, 田川 泰, 中越 享, 森永 真史, 安武 亨, 綾部 公懿, 赤間 史隆, 梶原 啓司, 石川 啓
1996 年 93 巻 5 号 p.
362-366
発行日: 1996/05/05
公開日: 2008/02/26
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鎌田 智有, 田中 信治, 春間 賢, 三原 充弘, 後藤 豊子, 清平 国主, 平賀 裕子, 河口 弘行, 隅井 雅晴, 吉原 正治, 隅 ...
1996 年 93 巻 5 号 p.
367-372
発行日: 1996/05/05
公開日: 2008/02/26
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金沢 秀典, 長田 祐二, 中村 佳世子, 吉本 均, 斉藤 整, 多田 教彦, 松坂 聡, 黒田 肇, 小林 正文, 川俣 博志, 大矢 ...
1996 年 93 巻 5 号 p.
373-376
発行日: 1996/05/05
公開日: 2008/02/26
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北 啓一朗, 斎藤 清二, 土田 敏博, 清水 幸裕, 南部 修二, 樋口 清博, 高原 照美, 渡辺 明治, 小泉 富美朝
1996 年 93 巻 5 号 p.
377-381
発行日: 1996/05/05
公開日: 2008/02/26
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是木 茂幸, 堀江 義則, 三浦 総一郎, 秋葉 保忠, 樋口 肇, 日比 紀文, 織田 正也, 石井 裕正, 土屋 雅春, 島津 元秀, ...
1996 年 93 巻 5 号 p.
382-387
発行日: 1996/05/05
公開日: 2008/02/26
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