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平田 珠希, 奥田 博介, 川上 賢太郎, 須河 恭敬, 加藤 智大, 鈴木 一也, 西村 進, 木村 裕一, 米澤 和彦, 阿部 敬, 池 ...
2009 年 106 巻 6 号 p.
787-792
発行日: 2009年
公開日: 2009/06/05
ジャーナル
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症例は47歳女性.上下肢近位筋力低下と嚥下困難を自覚し精査にて多発筋炎に合併した進行食道癌と診断した.多発筋炎に対しステロイド治療を開始したがCK高値が持続していた.食道癌に対しては放射線照射による合併症の可能性を考慮し,化学療法を施行したが効果が得られず呼吸不全にて永眠された.膠原病合併悪性腫瘍患者に対する治療の安全性のコンセンサスはなく,治療法の選択には慎重な検討が必要である.
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山澤 邦宏, 清水 利夫, 下里 あゆ子, 三原 史規, 徳原 真, 橋本 政典, 斉藤 幸夫, 遠藤 久子, 為我井 芳郎
2009 年 106 巻 6 号 p.
793-799
発行日: 2009年
公開日: 2009/06/05
ジャーナル
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食道癌術後胃管癌2例を報告する.症例1は61歳,男性.後縦隔胃管再建を用いた食道癌術後85カ月目に胃管癌を指摘,局所切除を行い完全切除し得た.症例2は75歳,男性.後縦隔胃管再建を用いた食道癌術後104カ月目に早期の胃管癌を指摘,ESDを施行し完全切除し得た.食道癌術後は胃管癌の発生を念頭に置き,定期的な内視鏡検査が必要である.当センターにおける7例の検討とともに報告する.
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石川 晶久, 大河原 敦, 柿木 信重, 岸本 洋輔, 鴨志田 敏郎, 平井 信二, 岡 裕爾
2009 年 106 巻 6 号 p.
800-804
発行日: 2009年
公開日: 2009/06/05
ジャーナル
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症例は58歳男性.吐血で入院.小球性貧血を認めたが,フェリチン327.1ng/m
lと上昇していた.上部消化管内視鏡検査にて食道胃静脈瘤出血と診断,脾摘,Hassab手術を施行した.病理では肝細胞に鉄が沈着し,肝硬変像を呈していた.遺伝子解析より,(1)δβサラセミアJpn-type II,(2)-31A→Gの二重へテロ接合と判明した.肝硬変,食道胃静脈瘤の成因としてサラセミアがあり,慎重な対応が望まれる.
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大石 千歳, 馬場 俊之, 久保田 祐太郎, 下間 祐, 北村 勝哉, 本間 直, 池上 覚俊, 井口 桃子, 梅田 知幸, 吉田 仁, 井 ...
2009 年 106 巻 6 号 p.
805-812
発行日: 2009年
公開日: 2009/06/05
ジャーナル
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症例Iは82歳男性.2型進行胃癌と門脈腫瘍塞栓を認めた.症例IIは80歳男性.分類不能の進行胃癌と多発肝転移,門脈腫瘍塞栓を認めた.いずれもα-fetoprotein(AFP)産生胃癌と診断したが,AFP産生機序として,症例Iは肝細胞化生,症例IIは胎児期胃腸管の退形成が推測された.胃生検組織の免疫組織化学染色では,Glypican 3が陽性を示し,補助診断として有望である可能性が示唆された.
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佐藤 剛司, 武田 弘明, 折居 智彦, 大武 さや香, 藤嶋 昌一郎, 西瀬 祥一, 佐々木 悠, 河田 純男
2009 年 106 巻 6 号 p.
813-819
発行日: 2009年
公開日: 2009/06/05
ジャーナル
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抗凝固療法中に著明な貧血に至る下血をきたし,一見正常な粘膜から糸状に持続的に出血する特異な出血様式を呈した3例を経験した.いずれもアルゴンプラズマ凝固療法にて止血可能であった.病理学的な確定診断は得られないが,粘膜損傷をともなわないことからangiodysplasiaによる出血と診断した.同様の出血形態のangiodysplasiaについて,また抗凝固療法との関係について文献的に考察をした.
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神山 篤史, 舟山 裕士, 福島 浩平, 柴田 近, 三浦 康, 高橋 賢一, 小川 仁, 上野 達也, 佐々木 巖, 樋渡 信夫
2009 年 106 巻 6 号 p.
820-825
発行日: 2009年
公開日: 2009/06/05
ジャーナル
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甲状腺機能亢進症を合併した潰瘍性大腸炎の1手術例を経験した.症例は26歳男性.潰瘍性大腸炎に対する手術目的で当科紹介となった.入院時より,るい痩著明で頻脈と高熱も続いたため当初副腎不全の可能性を考え精査していたが,甲状腺ホルモンの上昇とTSHの低下を認め甲状腺機能亢進症の合併と診断した.チアマゾール内服にて甲状腺機能を改善させた後,大腸全摘,回腸嚢肛門吻合術を施行し,術後経過は良好である.
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一箭 珠貴, 野村 昌史, 三井 慎也, 志田 勇人, 駒場 福雄, 金 俊文, 矢根 圭, 松居 剛志, 西森 博幸, 辻 邦彦, 姜 貞 ...
2009 年 106 巻 6 号 p.
826-833
発行日: 2009年
公開日: 2009/06/05
ジャーナル
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症例は56歳女性.主訴は下痢,嘔気.腹部USで左下腹部に内部に結節をともなう巨大な多房性嚢胞性病変を認め,CT, MRIでは結節部に造影効果を有し後腹膜原発の粘液性嚢胞腺癌と診断した.術中に腫瘍周囲に播種を疑う多数の小結節を認めたが,小結節を含め左半結腸切除術を施行した.病理組織学的には,嚢胞内に粘液が貯留し,充実部は低分化型腺癌であった.結節の上皮下には卵巣様間質を認め粘液性嚢胞腺癌と最終診断した.
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田中 友隆, 守屋 尚, 高亀 亜希, 実綿 倫宏, 吉見 聡, 村上 英介, 沼田 義弘, 岡信 秀治, 久賀 祥男, 大屋 敏秀
2009 年 106 巻 6 号 p.
834-839
発行日: 2009年
公開日: 2009/06/05
ジャーナル
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症例は66歳,女性.2004年にアルコール性肝硬変と診断,断酒にて改善した.この頃からヤーコン茶を1日1∼2リットル飲用し,2005年2月に,T-Bil 13.2, AST 291と増悪.ヤーコン葉のDLSTが陽性のためヤーコンによる薬物性肝障害と診断した.飲用中止により徐々に肝機能は改善したが,これまでヤーコンによる肝障害の報告はなく安全性の高い健康食品と考えられているが,興味深い1例と考え報告した.
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