日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
106 巻 , 6 号
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総説
  • 竹内 裕也, 北川 雄光
    2009 年 106 巻 6 号 p. 753-763
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    わが国において食道癌に対する外科的治療は3領域リンパ節郭清術の確立に力が注がれ,その結果術後合併症軽減,遠隔成績向上の両面で一定の成果をあげた.一方で外科的治療の限界も明らかとなり食道癌治療は集学的治療の時代を迎えている.また食道温存治療としての根治的化学放射線療法はさらなる治療成績向上のために,晩期有害事象の軽減とsalvage手術を根治的かつ安全に施行することが求められている.将来的には多彩なリンパ節転移を正確に診断することや治療反応性の評価により,個別的な食道癌治療戦略を確立していくことが期待される.
今月のテーマ:食道癌治療の最前線
  • 井上 晴洋, 工藤 進英
    2009 年 106 巻 6 号 p. 764-770
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    食道癌の予後はいまだに決して良いとはいい難い.ただし病期が早ければ,予後は比較的良好となる.さらにリンパ節転移のない粘膜癌で見つかれば食道癌でも根治可能なことが判明してきた.食道癌治療の最前線は,(1)M,N0で病変を拾い上げて,EMR/ESDで治療すること,そして,(2)明らかなSM癌ではリンパ節隔清をともなう食道切除術を行うことである.その場合,低侵襲治療としての外科手術(鏡視下食道切除·再建術)が望ましい.(3)進行癌では外科手術,化学療法,放射線治療などを組み合わせて集学的治療を行う.M3/SM1病変でN0の場合は,完全生検としてのEMR/ESDを行い,病理結果に従って,追加治療の有無とその内容を個別に判断するのが妥当であろう.
  • 高張 大亮, 室 圭
    2009 年 106 巻 6 号 p. 771-778
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    食道がん治療において化学放射線療法(Chemoradiotherapy; CRT)は,手術療法のオプションとして広く用いられるようになってきている.わが国では1990年代より各StageにおいてCRTの良好な治療成績が報告されるようになった.しかしそれと同時に,時に致死的となる遅発性有害事象や侵襲の高いsalvage surgeryの必要性という単独治療としての限界や問題点もクローズアップされることとなった.現在,より最適なCRTを開発するべく,化学療法レジメンや放射線の照射線量·方法を修正したり,術前治療や救済治療も含めた新たな検討が行われている.すなわち,CRT単独で手術と成績を競う時代から,いわゆるtrimodality therapyとして両者が手を携えてゆく時代に変化している.
  • 藤田 博正, 的野 吾, 田中 寿明, 白水 和雄
    2009 年 106 巻 6 号 p. 779-786
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    Salvage手術は根治的(化学)放射線療法後の遺残または再発に対する外科的治療で,食道切除,リンパ節郭清,内視鏡的治療など多くの術式がある.術後合併症の発生率が高く,死亡率も高いので必要最小限の外科的切除が推奨されている.初回治療時の進行度が早く,完全寛解CR後の再発例で,salvage手術によって治癒切除が可能であった症例で長期生存が得られている.切除可能食道癌(stage I∼III)に対する根治的化学放射線療法はsalvage手術の補完によってのみ食道切除と同等の予後を得ることができると外科医は考えている.
症例報告
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