胃癌の遺伝子治療は今後期待される治療法である.遺伝子治療には選択的導入,導入効率さらに副作用が少ないことが求められる.遺伝子導入目的として自殺遺伝子(HSV-tkなど),癌抑制遺伝子(
p53など)の導入,胃癌の特異的免疫の活性化(GM-CSFなど)が候補となる.ベクターの選択的導入には胃癌で発現するCEAなどを標的とするプロモーターを使用する方法と,in situに直接腫瘍に投与する方法がある.我々のイヌ実験胃癌へのin situ自殺遺伝子HSV-tk導入ganciclovir治療では,導入された胃原発巣に加えて所属リンパ節の完全な組織変性を来した.現在遺伝子治療での抗腫瘍効果を高める努力がなされている.
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